開発者インタビュー

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開発・企画 1台のカメラにおける最大撮影領域へ。

開発チーフ イメージコミュニケーション事業本部ICP第三開発センター 主幹研究員 辻 完之

商品企画 イメージコミュニケーション事業本部 ICP 第三諸王品企画第一課 石井 亮儀

画像:開発・企画 1台のカメラにおける最大撮影領域へ。

PowerShot G1 Xが登場してからおよそ2年を経て発表されるPowerShot G1 X MarkII。このカメラのコンセプトは?

石井:PowerShot G1 X Mark IIは、キヤノンのPowerShotシリーズのフラッグシップモデルであるPowerShot G1 Xの後継機種として最高の画質を追求したモデルです。現在のキヤノンが持つ最高の技術を注入し、さまざまなシーンに対応できるオールラウンドな1台の実現を目指しました。
たとえば、ズーム倍率を抑えることでボディーサイズの小型化をねらえた可能性もありましたが、そうした切り捨てはできるだけ行わないようにしています
。 焦点距離は前機種のPowerShot G1 Xよりも幅広い24~120mm*を実現していますし、結果的に焦点距離だけでなく、F値、マクロ性能など、光学性能のすべての面においてスペックアップを果たしました。

辻: 一方で、PowerShot G1 Xの弱点であった部分を克服しています。PowerShot G1 Xを実際に使っていただいているカメラマンからのお話やユーザーの方々からのアンケート調査をまとめていくなかで浮かび上がった反省点は、すべて商品フィードバックを受けて改善していきました。特に要望の多かったマクロ性能については最短撮影距離が20cmから5cmに改善していますし、AFについても光学系やセンサーの改良で約2倍のスピードアップを果たしました。光学系をはじめ、かなり困難な調整が必要でしたが、掲げた理想を実現できなければフラッグシップと呼べないだろうという意気込みで開発に臨みました。結果、一眼レフでも1本の交換レンズでは実現できない撮影領域を実現しました。

*35 mmフィルム換算

PowerShot G1 Xと比較すると、EVF、デュアルコントロールリングなど大きな仕様変更もあるが、どういったねらいがあったのか?

石井: まず前提として、PowerShot G1 X Mark IIは操作性についても大きなこだわりをもって開発しました。特に意識したのは、ファインダー越しの撮影というカメラならではの操作性です。プロのカメラマンの方々からも、ファインダーをのぞいた方が構図や撮影の瞬間に集中できるという話をよく伺います。
従来のGシリーズでは光学式の外部ファインダーを搭載してきましたが、コンパクトの場合は一眼レフとは異なり、構造上どうしても視差(パララックス)が生じてしまいます。また、鏡筒による視野のケラレが起きてしまうという問題もあり、必ずしも光学ファインダーがユーザーの満足につながるわけではありません。EVFは、この問題を解決するために導入した仕様です。100%の視野率がありますし、さまざまな撮影情報を表示させることもできるEVFは、PowerShot G1 X Mark IIが目指す操作性に最適な仕様と考えました。
こうして、EVFをのぞきながらの撮影を前提に考えると、レンズまわりに操作系がまとまっている方が撮影に集中しやすくなります。デュアルコントロールリングは、こうした背景のもとに企画された操作系です。後方のリングは、露出のパラメーターやTv、Av値をカチカチと変えられる「クリックリング」、前方のリングはなめらかに動く「スムーズリング」で、マニュアルフォーカスのように微調整が必要な操作で大きな力を発揮します。特にフォーカスでは、今回搭載されたEOSと同様のフルタイムマニュアルフォーカスとあいまって、一眼レフに近い操作感を実現しています。

辻: 外付けのEVFは、キヤノンのコンパクトカメラとしては前例のない、まったく新しい試みでしたから、大きなチャレンジでした。まず意識したのはコンパクトカメラの利点を損なわないサイズ感です。
初期の試作段階ではもっと大きいサイズでしたが、性能を保ちつつ小さくするための試行錯誤を繰り返していきました。また、EVFとはいっても、光学設計部門も強いこだわりを持って開発しています。ファインダーからの見えには徹底的にこだわり抜きました。
デュアルコントロールリングも新しい試みでしたから、こういった新規要素が非常に多いのがPowerShot G1 X Mark IIの特徴ですね。はじめは鏡筒部に二つのリングをつけることの技術的な可能性が見えていなかったので開発内で反対の声もありましたが、それぞれのリングの異なる操作感を追求するためにデザイン部門と連携をとりながら試作を何度も重ねていきました。

バリアングル液晶からチルト液晶への変更には、どのような意図があったのか。

石井: バリアングル液晶からチルト液晶への変更も、操作性を追求した結果です。バリアングル液晶であった場合、液晶パネルがリング操作をする左手とぶつかってしまいます。そこで、バリアングルではない方法で、幅広いアングルからの撮影を可能にするために搭載したのが今回の可動域の広い上側180°、下側45°のチルト液晶でした。また、横位置で撮影した場合、光軸と液晶のずれがないことはチルト式のメリットです。より自然な操作で構図をつくりあげることができます。

PowerShot G1 XMarkIで、ユーザーにどんな体験をしてほしいか?

辻: レンズの焦点距離が広角側も望遠側も広がりましたし、F値も明るくなりました。どんな場面にも使えるので、出かける場所どこへでも持って行って、使い倒していただきたいですね。その高い光学性能に加えて、他にもたくさんの機能を実現したカメラですが、やはり特筆すべきはその画質です。撮った写真を見て、その仕上がりに感動していただけたら、うれしいですね。

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