山岳写真家 岩橋宏倫×北アルプス・志賀高原 / 長野・富山 山岳のシャッターチャンス

山岳写真家 岩橋 宏倫

山岳写真家 岩橋 宏倫

1975年生まれ。父である山岳写真家・岩橋崇至氏の北アルプスをはじめとする日本各地、アメリカ、イギリスなどへの取材の同行をきっかけに 1995年から本格的にカメラを手にする。自然と人間をテーマに撮る写真は、その隙間を表現。年間約100日は山での活動となる。また各所での写真教室講師を務めている。

「北アルプス 〜上高地編から縦走編〜」

自分にとって、山は職場だ。そう言えるほど、1年の間に山で過ごす時間が長い。
父が山岳写真家をやっていたので、いつの間にか自分もアシスタントとして父の仕事を手伝うようになっていた。こうして山に入り浸る内に、もともとアウトドアが好きだったこともあり、自分も山岳写真家を志すようになり、今、こうして山岳写真家を生業としている。
一度でも山登りをしたことがある人ならわかると思うが、カメラはコンパクトであることがまずありがたい。長時間歩きながら撮影をしていくため、これは大切なことだ。

まず向かったのは、北アルプスの玄関口と言われる上高地。上高地には一般車両は入れないが、バスで向かうことができるため、比較的気軽に行けることで知られている。上高地は山岳自然風景の絶景ポイントとして知られ、特別名勝、特別天然記念物にも指定されている。また、北アルプスの雪解け水を集めて流れる清流・梓川越しに、標高3,190mの奥穂高岳など天高くそびえる山々を眺めることができる。G3 Xの電子ビューファインダーの装着でカメラを下に構えることができ、角度が変えられるので、アングルの自由度が高く、梓川越しに山を撮影するのもおすすめ。
また、山あいの水辺で撮影する際には、防塵防滴機能が心強かった。
山の写真を撮るなら、ぜひ抑えておきたいスポットである。

水が青い梓川。手持ちでチルト液晶モニターを使い、水面に付くくらいの場所からスローシャッターで撮影。
梓川の向こうに見える雪山が穂高岳。
【1/10sec F9 ISO125 露出補正0 焦点距離24mm】

続いては、じっくりと撮るため、縦走を行った。縦走とは、下山せずに、山から山へとつたっていくこと。今回は、燕岳〜大天井岳〜常念岳というコースで向かった。このコースでは、北アルプスのシンボルである槍ヶ岳を見ながら歩いていくことができる。刻々と変わっていくまわりの景色に、ついついシャッターチャンスが多くなってしまう。
まず最初に入る燕岳は、長野の中学生が学校登山で登っている山で、それも戦前から行われているというほどの定番の登山道だという。個人的なおすすめは、オブジェのような岩。撮影意欲が湧いてくるこの造形は、ぜひ一度見ていただきたい。そして、山頂からは槍ヶ岳が美しく見えるスポットがたくさんある。ズーム機能を試してみても、G3 Xはピントが合うのが速くて使い心地が常にいい。
歩くたびに訪れるシャッターチャンスは、この山の魅力を何よりも物語っている。

右上の尖った山が槍ヶ岳。広角が活きる構図で撮影。鮮明に見える山々の美しさが際立つ。
【1/1000sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離約114mm】

オブジェのような岩。陰影を活かして撮影。被写体としての魅力が詰まっている。
【1/800sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離約28mm】

テント場。向こう側には安曇野・松本の街が見える。夜景も美しく撮れるのは魅力。
【10sec F7.1 ISO1600 露出補正0 焦点距離約46mm】

朝日を撮影するのは山での定番。テントに宿泊していた登山者たちもでてきた。人物越しに、背景にある朝日を印象的に撮影した。
【1/60sec F9 ISO125 露出補正0 焦点距離24mm】

イワヒバリ。こういった瞬間を。レンズを変えずに撮影できるのが、大きな魅力だ。ズームでもピントが合うのが速いのはこのカメラの強み。
【1/125sec F5.6 ISO125 露出補正0 焦点距離約538mm】

約2922mの大天井岳。残雪の模様が美しく浮かび上がる。
【1/1250sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離24mm】

燕岳を抜けたあとは、安曇野市・松本市にまたがる常念山脈の最高峰・大天井岳を通って、安曇野のシンボル・常念岳へ。今年は雪が少なかったが、そのため、模様のように浮かぶ残雪がおもしろい。

「北アルプス 〜立山編〜」

北アルプスの北部、富山県にある立山へ。ここも山岳風景の名所であり、立山黒部アルペンルートで気軽に行ける場所として人気がある。
富山側からは路線バス、長野側からはトロリーバスやロープウェイを乗り継いで向かうことができる。

立山にも、国指定の天然記念物である雷鳥が生息している。山の高いところに住むこういった鳥が撮影できるのも、山岳写真の魅力だと言える。意外と人に慣れているので、近くまで寄っても逃げないでいてくれるのは嬉しいところだ。

ズームで、ボケ味を活かして撮影。鳥の羽の風合いまで伝わってくる解像度。
【1/320sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離約424mm】

太陽が山々を紅く染めながらしずんでいく。一瞬を逃さない瞬発力を感じた。
【撮影データ:1/100sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離24mm】

「志賀高原へ」

最後に向かったのは、長野県下高井郡にある志賀高原。ここは上信越高原国立公園の中心部を占める高原だ。
この場所を選んだ理由としては、まずビギナー向きであること。なんといっても車で回ることができるのが魅力。初めて自然で写真を撮影しようとしている人におすすめだ。
上と下で、標高差が1000mあるので、さまざまな景色を楽しませてくれる。例えば紅葉でも、上のほうでは終わってしまっていても、下のほうにはまだ残っていたり、季節が変わっていく様を感じさせてくれる。
オススメスポットは、国道の最高地点である渋峠。風景写真のスポットとして有名。特に朝焼けを撮影するには絶好の場所だ。
空の色の移り変わりなど、鮮明な色味もG3 Xは的確に写し出してくれる。 自分は志賀高原で月1回、写真教室を行っている。始めてからもう4年目。写真を撮影するのに有名なスポットは数多くあるのだが、自分だけの撮影場所を見つけるのが楽しみ方と言えるだろう。
行くたびに違う表情を魅せてくれる志賀高原。ここから撮影をはじめるのもおすすめだ。

渋峠が魅せる朝焼け前の表情。空の色味の移り変わりをG3 Xは鮮明に写し出してくれた。
【1/30sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離24mm】

600mmのズームで撮影。G3 Xの魅力は、なにより、このズーム力。レンズを替えずにここまで寄れる。画質も良し。
【撮影データ:1/1250sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離600mm】

一沼。水面と木々の色合いが美しい。白樺と新緑を活かしてコナシの木を。
【1/160sec F7.1 ISO125 露出補正0 焦点距離約270mm】

サンカヨウの花。600mmのズームで撮影することで、より印象的な写真に仕上がる。
【1/50sec F8 ISO125 露出補正0 焦点距離600mm】

こうして撮影をしてきたが、山の魅力は何といっても大自然。その中で撮る写真は、季節や時間の変化を感じながら、その場所・山の魅力を伝えていくことだ。特に自然が生み出すものを発見し、撮影できたときの喜びは大きい。
自然の中にいると、本当にいい瞬間は一瞬。そこを抑えるために、24mm-600mmまでカバーできるこのG3 Xは魅力的な機種だ。
望遠を活かした写真は今後も追求していきたい。風景を望遠で撮ることで、その魅力は高まると感じている。

※焦点距離は35mmフィルム換算の数値です。

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