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PowerShot G7 X Mark II

開発者インタビュー開発者インタビュー

イメージコミュニケーション事業本部 ICP 第三開発センター 室長 八巻英明

イメージコミュニケーション事業本部 ICP 統括第二 開発センター 小川誠司

イメージコミュニケーション事業本部 ICP 第三開発センター 増喜明彦

総合デザインセンター プロダクト第一デザイン部 高谷慶太

意思とカメラを一体化させる新型グリップ意思とカメラを一体化させる新型グリップ

「グリップを搭載した理由は?」

デザイン 高谷先代のG7 Xはグリップレスでしたが、拡充されたGシリーズのなかでのG7 Xラインの役割や、キヤノンとして「カメラの本質」「正統なカメラのスタイル」とは何かを今回ゼロベースから改めて見つめ直し、企画部門や開発部門と何度も協議を重ねていくなかで、おのずとグリップの必要性がみえてきました。しかし、G7 Xはコンパクト性も追求したラインですから、あまり大げさなものは意に反します。かといって、表層だけのグリップでは意味がありませんからね。本体の重量を考慮しながら、指のかかり具合、重心のバランスがベストな状態になるように、エッジの位置やグリップの突起量を小数点以下の単位で何度も調整して試作と改善を重ねていきました。決して大げさではなく、ここまで試作を重ねたものはあまりありません。その結果として、ホールド性と携帯性だけでなく、プレミアムモデルにふさわしい本格感と高級感を兼ね備えた独自のグリップを実現できました。

メカ 増喜多くの開発関係者を何度も集めて、試作グリップを握ってもらって感触を確かめましたよね。あと、グリップの突起部だけではなくて、鏡筒脇の平面部までラバー素材を敷いてあるのもポイントじゃないでしょうか。

デザイン 高谷そう。やはり指が当たる部分にもラバー素材を敷くことで、グリップ性がぜんぜん違いますからね。心地よくフィットできて、安心感を持っていただけるグリップになったと思います。

スピーディーに意思を伝える操作系スピーディーに意思を伝える操作系

「他に操作系のポイントは?」

デザイン 高谷たとえば、サムグリップのデザインは露出補正ダイヤルの誤操作がないように形状を最適化しています。一方で、露出補正ダイヤルは指の腹で操作しやすいように幅を広くとって垂直に配置しました。サムグリップから指を上にすべらせれば、ストレスなくスピーディーに露出補正できるようになっています。また、誤操作が起きないように十字キーまわりのボタンレイアウトも最適化しています。親指や手のひらが最も接触しやすい動画ボタンとMENUボタンは、突起のないフラットな形状にして誤操作を防ぎました。このあたりは、G7 Xでのフィードバックを受けて反映した点でもあります。

UI 小川EOS風のUIを搭載しているというのも、一つのポイントですね。G3 X、G5 X、G9 Xと同様のグラフィックですが、特にメニュー画面はEOSユーザーの方にとってもなじみのある使いやすいUIになっています。

   

操作感を切り換えられるコントローラーリング操作感を切り換えられるコントローラーリング

「コントローラーリングの動作感を切り換え可能なんですね?」

チーフ 八巻はい。鏡筒脇のレバーによって、数値の切り換わりを感じ取れるクリックリングにするか、なめらかに微調整できるスムーズリングにするかを自由に切り換えることができます。左手で操作できるので、カメラを構えたまま直感的に切り換えることも可能です。

メカ 増喜これはユーザーの方によって好みが分かれるところですからね。切り換えレバーを入れることで、自由に使い分けられるというメリットは大きいと思います。シーンによっても使い分けできますから。

UI 小川そうですね。たとえば、シャッタースピードやISOなどの段数があるパラメーター変更の場合にはクリックリング、マニュアルフォーカスなどの段数のないパラメーター変更の場合にはスムーズリングに切り換えると、より直感的にご活用いただけると思います。また、今回の新規設計としてコントローラーリングへシームレスズームを割り当てられるようにしています。もちろん、従来のステップズームやズームレバーでもズーム操作は可能ですが、シームレスズームではより微妙な画角調整が可能です。オートモードなどでもシームレスズームを割り当てられるようにしているので、コントローラーリングに機能を割り当てて撮影するというおもしろさをより気軽に味わっていただけると思います。また、G7 Xでは動画撮影中にタッチでしか設定変更できませんでしたが、今回はスムーズリングを使ってパラメーター変更することも可能になりました。

チーフ 八巻タッチだけでなく、リングに機能を割り当ててマニュアル部材を駆使して撮影するというのは、ガジェットを操る楽しさとでもいうか、カメラで撮影するよろこびの一つだと思います。リングやダイヤルをうまく操っていい写真を撮るという「カメラの本質」をぜひ味わってほしいですね。※ C、M、Av、Tv、Pモードに加え、AUTOモード、プラスムービーオート、SCNモードの一部

カメラの本質・正統を追求した”Timeless Design”カメラの本質・正統を追求した”Timeless Design”

「G7 Xからデザインも大きく変わったように見えます。」

デザイン 高谷昨年リリースしたG3 X、G5 XやG9 Xから、Gシリーズは“Timeless” という新たなデザインコンセプトによって、より洗練された正統なカメラデザインをめざしてきました。この思想を今回のG7 X Mark IIにも継承しているので、よりカメラ然とした直線基調の精悍なデザインになったと思います。キヤノンが追求しているのは「カメラの本質」を追求した正統なデザインです。しかしこれは、決して懐古的に過去のスタイルに縛られるということではありません。新しい要素も積極的にチャレンジして採り入れる。そんなクラシックなスタイルとモダンな要素を絶妙なバランスで融合させたデザインをめざしています。一見シンプルでコンサバティブに感じるかもしれませんが、Gシリーズのシンボルである赤いラインはもちろん、エッジの効いたトップカバーのカットラインや細部のスピンカット処理やレーザー刻印文字など、細部に至るまでこだわり抜いた緻密な処理を施しました。

サイズと性能を両立させる製造力サイズと性能を両立させる製造力

「小型化に向けて、努力もあったのでは?」

メカ 増喜そうですね。たとえば液晶には従来の上軸約180°に加えて、新たに下軸約45°のチルト機構を入れていますから、これによって追加される部品の厚みを可能な限り相殺していかなければいけませんでした。一つひとつの部品の見直しと最適化、そしてデッドスペースを少しずつ詰めていくことで、このサイズ感を実現しています。しかし、このような攻めた設計によって製造の難易度は格段に上がります。長崎にある工場とは設計段階から調整を重ねながら、量産の可能性を探りました。最近のプレミアムモデルをはじめとするコンパクトデジタルカメラでは、非常に高いレベルの製造精度が要求されています。これをクリアするために、キヤノンでは自動化を効率的に採り入れて、製造時のバラツキや誤差を防いでいます。もちろん、複雑な作業についてはまだ熟練工が手組みした方が速いですし正確です。こうした自動化と熟練の技をうまく組み合せて量産を実現しました。

デザイン 高谷私もけっこう無理なお願いをしたりしましたからね(笑)

メカ 増喜そう。クリック/スムーズ切り換えレバーも、はじめはボディー前面の鏡筒から離れた位置に置いていたのですが、これじゃ不格好だといわれて(笑) なんとか鏡筒脇に配置することで今のデザインを実現できました。でも、結果的にコントローラーリングと切り替えレバーが近くなったことで指の移動も少なくなり、操作しやすくなりました。

デザイン 高谷デザイン全体としても、新しいGシリーズの顔としてふさわしい、長く愛していただけるデザインになったと思います。