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写真:スキャナーメカ設計担当 鈴木裕祐

キヤノン独自の光学技術をフル活用

「おまかせスキャン」を実現するために、ハードウエアの面ではどのような技術が使われていますか?

鈴木:紙焼き写真や雑誌の記事などの反射原稿と、フィルムなどの透過原稿との判別を可能にするためには、2つの技術が必要でした。1つは照明深度の深い照明系、もう1つは被写界深度の深い光学系です。スキャナーユニットの照明系は、LED光源の発した光を導光し、読み取り範囲を均一に照明する「導光体」から成り、これにより光源からの光をロスすることなく照射できるため、読み取り範囲を深い深度まで明るく照明することが可能となりました。また光学系としては、広角かつ被写界深度の深い「STレンズ」を採用しています。これら導光体やSTレンズ開発には、光学機器を長年開発してきたキヤノンならではの独自技術が詰まっています。

従来に比べスキャナーユニットはどのような点が進化していますか?

鈴木:2007年にスキャナーユニットの光源に初めて白色LEDを搭載した際、従来スキャナー光源の主流であったCCFL(冷陰極管)に比べ、白色LEDは低消費電力であることについてご紹介したと思います。今年のモデルでは、更に高輝度タイプの白色LEDを採用したことにより、照明時の照度を向上させたうえで、低消費電力を実現しています。白色LEDはCCFLに比べ、瞬時に安定した色味の光を供給できますが、高画質かつ高速で読み取る場合、より高照度で原稿を照明する必要があります。そのため、いかに光のロスを少なくするかが重要であり、これを実現しているのが「導光体」なのです。またこの導光体に独自の光学技術による、非常に細かいピッチのレンズ形状を設けることで、読み取り範囲における照明の均一性も従来CCFLに比べ向上すると同時に、スキャナーユニットの小型化にも成功しているんです。

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スキャナーユニットを開発する上で苦労した点は?

鈴木:レンズや導光体といった光学部品の製造は非常に難しく、特に成形時に発生するキズや反りといった不良には一切の妥協が許されず、また屈折や回折、拡散など十分な光学性能も満足しなければなりません。設計者である私も製造工程に立った際、その製造ハードルの高さには驚かされましたね。製造工程のメンバーの苦労もありましたが、カメラを始めとする光学メーカーであるキヤノンの光学部品における製造技術ノウハウにより、レンズや導光体といったキーパーツを高性能かつ高品質で製造することができました。

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「おまかせスキャン」からハードウエア面まで含め、今後の抱負をお聞かせください。

早川:今までは「高機能」というと、どれだけ細かく設定できるかという風に捉えがちでしたが、今回の開発では、「実は、ボタン1つですべて自動でやってくれるほうが高機能なのではないか」という発想の転換がありました。今後はこの「高機能=簡単」という考え方をさらに推し進めていきたいと思います。

石塚:「おまかせスキャン」の機能と「MP Navigator EX」のカテゴリー分類との融合をさらに高めて、より使いやすいものにしていきたいと思います。デジタルカメラのようにボタンを押すだけでスキャンができて、お客様の目的に応じた画像やドキュメントが完全に全自動で得られるというレベルまで進化させていきたいですね。

鈴木:LEDは今後もさらなる進化が予想されます。LEDの輝度が上がれば画質もさらに良くなりますし、より速い読み取りが可能になるので楽しみですね。これに合わせ、現在導光体を含めた次世代の光学技術開発が進められています。これら要素技術開発により更なる高画質、高速化を図りたいと思います。

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