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  • CINEMA EOS 商品情報

VOICE CINEMA EOS SYSTEMを体験した、プロフェッショナルたちの活用事例。

CINEMA EOS SYSTEM

キヤノン IXY TVコマーシャル
EOS C300/C300 PL

電通クリエーティブX チーフプロデューサー大賀 遊さん 「コンパクトで、機動性を発揮できるボディーサイズ」

IXYの新CMは、背景をオーストラリアのメルボルンとシドニー郊外で撮影し、女優の吉高由里子さんはスタジオでグリーンバック撮影をしています。15秒と30秒の2パターンのCMですが、近寄って来るカットや吉高さんの周りを移動するカットなど、背景を変えながら37カットも収録することになりました。背景ロケは、天候予備日3日を含め11日間、吉高さんの撮影はライティングと衣装を変えながら2日間で行う強行スケジュールでした。

グリーンバックの撮影では、直線で移動するレールを敷いたスタジオと、吉高さんの周囲をカメラが移動できる円形のレールを敷いたスタジオの2室を準備しました。37カットの照明をセッティングしながら2日間で撮影を終えるために、照明のセッティングも3昼夜かけてテストしていました。撮影当日は、1台のEOS C300を2室のスタジオ間で持ち運びながら撮影を行い、その間にライティングを変更するという慌ただしさでしたが、EOS C300のコンパクトさが生き、スムーズな撮影ができました。

「グリーンバックの抜けが良く、色階調の豊かな映像」

コンポジットを行うときに、仕上げの美しさを決めるのはライティングです。スタジオの照明は調整できますが、野外ロケでの太陽は自由に動かすことはできないので、先に野外ロケを行う必要があります。カメラデータも合わせる必要があるので、スタジオ内で吉高さんと同じ背格好のスタッフを被写体にして、どのレンズを使うと吉高さんをきれいに写せ、背景も見栄えのするものにできるかを検証しました。 ロケハンの時の画像を使って衣装と背景のバランスを確かめたり、Final Cut Proを使って画像の上に人物を合成して、どのカットを、どのレンズで、どう撮るかということを検討していきました。

EOS C300を使用しての撮影は初めてであったため、事前に、監督、カメラマン、エディター、照明など関係スタッフを集め、レンズ焦点距離やレンズの高さなどをテスト撮影しました。Canon Logを使用するので、VE(ビデオエンジニア)も直接は関係はないのですが、テスト撮影現場に来てもらって、レンズ焦点距離やレンズの高さなど、1つ1つのシーンでどれくらいの設定で撮るのかを相談して決めました。

「MPEG-2 50Mbpsでも十分に活用できるCanon Logの映像品質」

AvidのMadia Composerを使用したオフライン編集では、背景素材のMXFをDNxHD 145にトランスコードし、吉高さんのHDCAM SR素材と合わせて編集作業を進めています。この段階では、使用するカットを決定して、尺を合わせる作業が中心になるので、カラーグレーディングは行っていません。このオフライン編集終了後に、Blackmagic DesignのDaVinci Resolve for Macを使用して、オフラインで使用したカットにプラスして、差し替えて使用しそうなカットについて、元素材のMXF、HDCAM SRからカット全体をコンフォームして、カラーグレーディングをしています。

フィニッシング作業を行ったレイ/マックレイ ユニットの辻 高廣さんは、フィニッシング段階で Autodeskのinfernoを使用して、コンポジットを行ってからカラーコレクションも含めて作り込んでいくスタイルを採っています。そのため、カラーグレーディング段階では、フィニッシングで素材を扱いやすいように色味を調整し、フィニッシング用にDPX連番ファイルとして共有サーバーに書き出す作業となりました。この段階では、吉高さんのグリーンバックのスタジオ映像を、背景の自然光の条件に合わせるように調子を整えていくのが主な作業になりました。

背景は、MXFですが、Canon Log収録したことで情報量も十分にあり、トーンの出方や色の豊かさは秀逸でした。問題なく取り扱いが可能な収録データであり、Canon Logのポテンシャルは相当高いと思います。

撮影ワークフロー

レイ/マックレイ ユニット 西麻布スタジオエディター辻 高廣さん 「ボケ足が美しく、コンポジットでも抜きやすい映像」

今回は、フィニッシング作業を担当しましたが、EOS C300の映像はボケ足が美しく、コンポジットでもグリーンバックを抜く作業においてもやりやすいと感じました。マスクを切ったり、髪の毛を抜くといった場合でも、エッジが硬くなり過ぎないように幅をもって設定していくことができるので、マスクを切るのに苦労することはありませんでした。今回は、背景がMXFでコンパクトフラッシュに記録した素材で、吉高由里子さんはHD-SDI出力をHDCAM SR収録をした素材という違いがあるので、エッジの出方に多少の違いは生じているのですが、コンポジット作業自体に影響することはありませんでした。

正直なところ、EOS C300を触ったことなかったので、本編集に入るまではどんな映像が来るんだろう、グリーンバックを抜くのにエッジ処理の問題はないかなという不安もありました。しかし、実際のデータが来てみると、MPEG-2 4:2:2 50Mbpsの映像はエッジ処理も良く、コンポジット作業においても問題は生じませんでした。Canon Logを適用した映像は、柔らかい所は柔らかく、シャープな所はシャープな表現で、これまでよりも飛躍的に画質が良くなっているなと感じました。

「暗部も黒つぶれすることなく、しっかりと情報が残っていた」

Canon Logを適用したEOS C300の映像は、普通なら黒つぶれしてしまいそうな暗部にもしっかりと情報が残っており、暗部に発生しやすいノイズも少なかったため、とても扱いやすかったです。こういう部分は、マスク作成やエッジ処理など、映像の抜きに密接に関わってくる部分なので、映像品質の高さが作業性の向上に一役買っていますね。

カラーコレクションもしやすかったですね。今回は、背景の光の条件に合わせて、吉高さんの肌の色や階調、ハイライトなどを調整して作り込んでいます。今回は30カット以上の作業をコンポジットとカラーコレクション作業をしましたが、EOS C300の映像は狙ったイメージに合わせやすかったです。

「画としていじりやすく、これから活用されるケースは増える」

EOS C300は、シネマカメラ系のビデオカメラとしては映像データも扱いやすく、特別なワークフローを用意することがないので、素早く編集作業が進められますね。今回、編集・フィニッシング作業をしてみて、EOS C300はCMだけでなく、ショートムービーや番組の制作にも向いていると感じました。

普段は、ビューティー系のCMなどでフィルム撮影に関わったりしていますが、EOS C300の映像は好印象です。もともとキヤノンの画作りは好きなのですが、ボケ足の良さや抜き具合のしやすさからいっても、ビデオっぽさは感じさせません。作り込みをしていて思ったのですが、画としていじりやすい映像であったので、これから活用されるケースは増えていくのではないでしょうか。デジタル一眼レフの画質に満足できなくなって来た人は、EOS C300をぜひ使ってみて欲しいカメラですね。

編集ワークフロー

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