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VOICE CINEMA EOS SYSTEMを体験した、プロフェッショナルたちの活用事例。

CINEMA EOS SYSTEM

THE BED ROOM TAPE「くじら feat. 奇妙礼太郎」PV(White Screenより転載)

THE BED ROOM TAPE「くじら feat. 奇妙礼太郎」PV(White Screenより転載)

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EOS C500

Drawing and Manualが手掛ける 4K Cinema RAW映像!

日本エレクトロニクスショー協会が主催する放送業界のイベント「After NAB Show 2014」で、キヤノンのセミナー「EOS C500 最新4Kワークフロー紹介」が、2014年5月23日(金)に東京、秋葉原UDX、5月27日(火)に大阪、グランフロント大阪にて開催された。セミナーでは、docomoのWeb CM「森の木琴」などで知られるクリエイティブスタジオDrawing and ManualがEOS C500を使い、4K Cinema RAWで制作したTHE BED ROOM TAPEのデビューアルバム 収録曲「くじら feat. 奇妙礼太郎」のミュージックビデオ(MV)の制作過程を振り返りながら、約1時間半の濃密なトークセッションが繰り広げられた。

登壇したのは、Drawing and Manual代表取締役でクリエイティブ・ディレクターの菱川勢一氏、MV「くじら」の監督 / 撮影 / 編集を手掛けたディレクターの林響太朗氏、そしてプロダクションコーディネーターの河村瑞英氏の3人。EFシネマレンズおよびOdyssey7Qを用いて撮影された4K映像の魅力や、4K Cinema RAWに初対応するPremiere Pro CCの新バージョン(2014年6月19日リリース)を使用した4K RAWファイルの最新ワークフローが紹介された、東京&大阪セミナーの模様をレポート!

(左から)Drawing and Manualプロダクションコーディネーター河村瑞英氏、クリエイティブ・ディレクター菱川勢一氏、ディレクター林響太朗氏。

4K Cinema RAWでの作品制作に挑戦

Drawing and Manual創業当時はSDだったものが、やがてHDになり、そして4Kへと移り変わった流れを、会社の成長と共にリアルに現場の中で切磋琢磨してきたという菱川氏。以前からEOS C300を愛用するだけに、EOS C500を使った今回の取り組みには強い関心と期待で臨んだそうだ。今回、4K Cinema RAWの作品制作に挑戦するのは、Drawing and Manual期待のホープである林氏。写真をバックグラウンドに持っている林氏は、映像美へのこだわりも社内でも特に強い。

自然光だけでも美しく捉える、4K Cinema RAWのダイナミックレンジ

まずは、2日間に渡って、EOS C500とEFシネマレンズ、Odyssey7Qで4Kの60Pで収録したという『くじら』の撮影舞台裏について、林氏が語った。「ハンディーと少人数のスタッフでどれだけ4Kを扱えるか」にこだわったという撮影現場では、60Pで撮った素材を24Pにし、味のあるスローモーションを演出の狙いとしている。また、撮影の日はちょうど満月だったため、「月光のみでどれだけいい映像が撮れるか」も今回の大きな挑戦となり、4K Cinema RAWのダイナミックレンジの広さを実感したという。

「ISOは850~3200くらいで、シネマレンズの明るさは1.3、開放で撮りました。自然光のみでしたが、レンズと4Kの威力が活きた仕上がりになったと思います。暗い現場だったので、モニター兼外部収録機としてOdyssey7Qがとても役に立ちました。4Kは色も解像度も綺麗で、マジックアワーの絶妙な色合いや階調にも目を見張るものがありました。逆光であれだけ綺麗な階調で撮れるのは最高でしたね。元々写真をずっとやっていて、スチルで撮影した時の階調と近いものがあり、その後のSpeedGradeでのカラーグレーディングでもノイズや破綻を気にすることなく作業出来たのが良かったです」。(林氏)

EFシネマレンズは3種類をメインで使用

今回の撮影では、EFシネマレンズからCN-E14mm T1.3 L F、CN-E50mm T1.3 L F、CN-E135mm T2.2 L Fの3本をメインで使用している。

「EOS C500にEFシネマレンズ、フォローフォーカスをつけて撮影しています。EFシネマレンズで感じたのは、非常にシャープ且つ明るく撮れて、ボケの部分が丸く綺麗だったことです。3本のレンズの内、CN-E50mm T1.3 L Fを最も使いました。自分の直感ですが、被写体との距離感が一番ちょうどよくて、画作りとして良さが出るかなと。ズームレンズは使わず、出来るだけ明るく撮ろうという意図がありました。次に多く使ったのがCN-E135mm T2.2 L F。今回2カメで撮ってCN-E50mm T1.3 L Fをメインに、CN-E135mm T2.2 L Fをサブカメで、どちらも手持ちで使っています」(林氏)

CN-E50mm T1.3 L FのEFシネマレンズを装着したメインカメラ。使い勝手が良くなるだろうと感想を述べていた。

取り回しの扱いやすさが光るEOS C500

菱川氏にとって、EOS C500のコンパクトなボディーとEFシネマレンズ、そしてOdyssey7Qの組み合わせの一番の魅力は、取り回しの扱いやすさだという。コンテにないカットを現場で閃いて撮ろうと思っても、セッティングの時間で香盤が大きくズレるため、諦めることも多い。監督として、諦めなくても撮れる機動力の高さに加えて、少人数で取り回しが効くのが大きな恩恵だと語った。また、ディレクター兼カメラマンにとって、ディレクションしながらカメラも回せるシンプルな操作性と高いクオリティーを持ったEOS C500はこのような時に最適なカメラだという。

「絵コンテを詳しく決め込まず、カメラも自分で回して、その場で演出も考えてという現場だったので、EOS C500の機動力のおかげで実現した作品だと思います。自分の中で4Kはハードルが高かったもので、それをやらせてもらったのは凄く感謝しています。4Kが自分の手元で撮影出来たので、今後も4Kをやれたらいいなと感じています」。(林氏)

Odyssey7Q用の外部バッテリーはショルダーバッグに積んで、カメラの重さを少しでも軽減するように工夫している。林氏は、リグに関してはこれからも工夫次第で使い勝手が良くなるだろうと感想を述べていた。

タッチパネルでタブレット感覚の操作が出来るモニター兼外部収録機Odyssey7Q

壇上では、Odyssey7で実際に収録した素材をプレイバックしながらのデモンストレーションも行った。

今回の撮影での大きな驚きの一つとして語られたのが、Odyssey7Qの実力だ。4K RAW 60Pで収録出来る外部収録機として、再生機として、また波形やフォーカスを確認するモニターとして、八面六臂の活躍。タブレットサイズ、タッチパネル、有機ELモニターも現場でのストレスを大きく軽減するのに役立ったそうだ。
「通常のカメラのモニターでは確認しにくい、暗闇でのフォーカスや朝焼けのグラデーションを大きな画面で確認しながら撮影出来るっていうのは、Odyssey7Qの機能の素晴らしいところの一つだと思います」。(河村氏)

データの保管やバックアップに関しては、オペレーションの担当がその都度データを吸い上げ、2枚のSSDを効率よく使用した。
「今回でも感じましたが、ビデオエンジニアさんの役割が、データマネジメントも含む、テクニシャン的な方向に向かっていると思います。グレーディングを前提としたRAW撮影では必須と言っても過言ではない役割となっていると思います」。(菱川氏)

CINEMA EOS SYSTEMのタフさへの信頼はEOS C300で実証済み!

発売後すぐに購入してから現在に至るまで、EOS C300を愛用機として使い倒しているという菱川氏は、EOS C500でもEOS C300同等の現場環境やワークフローが実現することへ大きな期待を寄せている。
「実際、Drawing and Manualでは放送局への4K納品が始まっています。カメラを購入する際、機能性や目指す作品制作に寄り添ってくれるのは大前提ですが、僕はタフさや信頼感も重要視しているんです。カメラのボタンがテカテカになっても壊れないキヤノンのCINEMA EOS SYSTEMに対しては、既に経験から実証済みですね」。(菱川氏)

Adobe CC新バージョンがネイティブ対応!4K Cinema RAWのワークフロー

ワークフロー

Speed Grade CCの作業画面。Premiere Pro CCのレイヤーをそのまま表示してくれるなど、密に連携出来るのが効率的だったという。

まず、気になるところはデータ容量の大きい4K Cinema RAWがネイティブ対応したAdobe CCの新バージョンでどれだけのパフォーマンスを発揮するかだろう。今回はβ版ということもあり、リリース版と多少の性能の差がある前提でテストをした。Mac Pro(CPU:3.5GHz 6-Core Intel Xeon E5|メモリ:32GB 1867MHz DDR3 ECC|OS:OS X 10.9.3 (13D65)|グラフィックス:AMD FirePro D700)とWindowsマシンのHP Z820 Workstation(CPU:Intel Xeon 64GB|グラフィックス:NVIDIA Quadoro K5000)でテストしたところ、約20秒のクリップで60Pを1/8、24Pを1/4再生で問題なくプレビュー出来たという。

音楽に合わせたMVの制作、1週間を切る納期を考慮して、林氏が実践したのは、Odyssey7Qで4K Cinema RAWで60P収録し、それをMedia Encoder CCでHD(1920×1080)の24PのProRes 4:2:2に変換、Premiere Pro CCでオフライン編集をし、並行してSpeedGrade CCでグレーディングで仕上げていくというワークフロー。最終的にオフラインとグレーディングをしたフッテージをRAWに差し替えて微調整し、4K DPXとそこから生成した2K ProResで納品という流れだ。

特筆すべきはMedia Encoder CCの変換の速さ。菱川氏も太鼓判を押す4Kのエンコード速度は、リアルタイムの3倍程度の時間で済んだという。

今回、カラーグレーディングにおいての狙いは、フィルムのような繊細な色合いだ。
「シャドーもハイライトも、グレーディングにおいて気になる問題はなかったです。自分のイメージに近付けた色味にグレーディングをしても、自然な色味は残しつつ、ダイナミックレンジの威力で破綻を感じませんでした。HDのオフラインデータでベースを整え、RAWと差し替えたデータにそのパラメータを充てたのですが、HDでは再現出来なかったディテールがRAWにすると鮮明になるんです。特にシャドーの描写力が高く、ラストカットで岩の下の部分の植物が浮かび上がってきたのには感動を覚えました」。(林氏)

そして、グレーディングに使用したSpeed Grade CCと、4K Cinema RAWにネイティブに対応するPremiere CCとを組み合わせたワークフローは、作業効率にフレキシビリティをもたらした。
「ダイレクトリンクでやりとり出来るのは、今の世代にとって大きな利益だと思います。ワークフローがすっきりとシンプルで、スマートにトライ&エラーが出来るのは魅力です。マシンスペック、特にGPUは高性能に越したことはありませんが、基本的なワークフローにおいてHDで培った経験をそのまま活かせるというのは、4K RAWに尻込みしていた我々にとってポジティブな結果となりました」。(菱川氏)

4Kは恐るるに足らず!作り手のレベルアップこそが求められていく

最後に、「僕らはまだまだ4Kの初心者」と話す菱川氏は、4K RAWに対して1つの現実的な選択肢としての感触を得たそうだ。

「今回のワークフローのポイントとしては、4K RAWの表現力を仕事という現場で活かしきれるかどうかということでした。その為には、取り込みのスピードも含めてワークフローとして見る必要があります。MVやショートフィルムといった長尺になった時は、特に重要なファクターとなります。オフライン編集、グレーディングにおけるクオリティーの追求と効率化の両軸で、現存のベストな方向を探れたプロジェクトだったと思います」。(菱川氏)

いよいよ本格的に到来した4Kの時代に対して、Drawing and Manualとしてどのように取り組んでいくのか。菱川氏は、4Kになったことで、やっとフィルムの映像クオリティーに近付いてきたと感じている。

「『4Kすげー!』というよりは、やっと満足出来るクオリティーに達したという気がします。クリエイターという立場からしたら、より綺麗になっていって欲しい。やっぱり4Kの映像を見ちゃうともう戻れないというのは、制作者として当然の欲求ではないでしょうか。
そしてなによりも、「4Kになって綺麗になりました」だけじゃなく、クリエイター、作り手も自分のレベルアップをしないといけないと思います。カラーグレーディングもそうだし、高精細もそうだし、ハードウェアやソフトウェアがどんどん突き上げてくる中で、自分たちの感覚が鈍っていると駄目になってしまう。何をもって綺麗と言っているのか、自分たちの感覚も鋭くしていかないといけないなって思います。日々精進ですね」。(菱川氏)

THE BED ROOM TAPE 「くじら feat. 奇妙礼太郎」Teaser Version

cd: 菱川勢一|dir/cam: 林響太朗|2nd cam: 小原穣|digital imaging tech: 渡辺裕之|making cam: 荻原楽太郎|prod assistant: 小泉萌|tech dir: 松本渉(IMAGICA)|ed: 檜山勉(IMAGICA)|cast: 南雲綺李子|dress designer: 井上加奈子|hm/sty: 須見有樹子|pr:上野崇、唐津宏治|cordinator: 河村瑞英

「すず」

ir/writer: 菱川勢一|m: 清川進也|cast: 村上真希、成元一真|song: "キューポラの見える街で" by 田添香菜美|pr: 高岡伝統産業青年会、Drawing and Manual
菱川氏が2013年に手掛けた短編映画。EOS C300と他社製のカメラの2カメで撮ったものの、グレーディングの結果からEOS C300のテイクしか使用しなかったという

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