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  • CINEMA EOS 商品情報

VOICE CINEMA EOS SYSTEMを体験した、プロフェッショナルたちの活用事例。

CINEMA EOS SYSTEM

映画「写真甲子園 0.5秒の夏」主題歌・挿入歌
大黒摩季 「latitude ~明日が来るから~」「Zoom Up ★」MV
EOS C700

北海道の東川町で開催されている「写真甲子園」という大会がある。全国の高校写真部たちが集まり「日本一の高校写真部」という称号をめぐって競い合う。その大会を舞台に撮影された映画『写真甲子園 0.5秒の夏』が2017年11月に公開された。監督・脚本は『ぼくらの七日間戦争』(88)、『ほたるの星』(03)、『早咲きの花』(06)などを手がけた菅原浩志氏。実際の大会の様子を忠実に再現し、写真に青春のすべてを賭ける高校生たちのエネルギーあふれる姿を描いている。同映画の撮影にはEOS C300 Mark IIが使用され、同じく菅原監督が演出した主題歌と挿入歌のMVではEOS C700が使用されている。本編およびMVの撮影監督を担当した上野彰吾氏に、EOS C700の使用感と映画撮影における優位性などを中心にお話しをうかがった。

写真:上野彰吾さん うえの しょうご
1960年東京都生まれ。1983年、株式会社日活撮影所に入社、撮影部所属となる。日活撮影所をベースに若手監督からベテラン監督まで幅広く組み、主に劇場映画、TVドラマ、CM、MVなどの現場で活躍。2003年、フリーとして活動開始。

主な受賞作品
1993年 神戸国際インディペンデント短編映画祭グランプリ「草の上の仕事」
2011年 モナコ短編国際映画祭最優秀作品賞/撮影賞「此の岸のこと」
2016年 キネマ旬報第1位、毎日映画コンクール大賞「恋人たち」

EOS C700の堅牢性を活かし、リグやクレーンを用いて撮影

─ 映画『写真甲子園 0.5秒の夏』に携わることになった経緯を教えてください。

フリーランスの撮影者というのは電話一本で指名を待つしかない職業なのですが、菅原監督とはかねてから交流がありました。2003年頃、ある美術デザイナーの方から急に連絡があり、「1ヶ月後は空いているか?」と聞かれて連れて行かれた先が菅原監督の新作映画「ほたるの星」のロケハンだったんです。それ以来映画以外にも何本かお仕事をして、「また次に撮る時にはよろしくね」という話をしてからすでに4年が経っていました。今回の作品は、自分もかつてカメラ少年だったので題材的にすごく興味がありましたし、とてもやる気になりましたね。本番でも自分の過去のことを描くような気持ちで撮影に臨みました。

─ MVではEOS C700を使われていて、本編のEOS C300 Mark IIから個体が大きくなりましたが使い勝手はいかがでしたか?

フィルムの時代には10年以上助手をしていて、大きいカメラで狭いところへ行ったり、車に取り付けたり四苦八苦していました。もちろん小さいカメラもあったんですけど、僕が付いていたカメラマンは色々技を持っていて、大きい個体でどう撮ればいいかというノウハウをたくさん持っていたんです。だからカメラの大きさのせいで撮れない映像があってはいけないという思いがありました。実際にはプライムレンズもお借りできたので、小さなレンズを装着してコンパクトに動くことができました。EASYRIGでカメラを吊ったり、クレーンに載せたり、いろんなことをやらなくちゃいけない特殊な環境でしたが、そのおかげでさまざまなことができるカメラという実証はできたと思います。こういう時に大切なのは、何か衝撃があっても絶対に安心して使えるという堅牢さですよね。映画では1ヶ月〜3ヶ月など長く使うし、その間にスタジオだけではなく風雪にまみれることもあります。もちろん助手がしっかりガードするのですが、ボディーにスイッチ類がいっぱい付いていたり、隙間があるカメラは不安になります。その点、EOS C700のボディーは造りもしっかりしているので安心感がありました。

─ レンズの話も出ましたが、今回使用したレンズはいかがでしたか?

カメラには操作性だけではなく重厚性も必要だと思っていて、スクリーンに出る画にはそのカメラの重さが宿っていると思っています。そして、それはレンズに関しても言えることなんですよね。今回使ったCN-E30-300mm T2.95-3.7 L SPは周辺ボケもないし安定していました。単レンズもしっかりとバージョンがあって、EOS C700というのはキヤノンのレンズなくして語れないのではないかと思います。あともう1つ、コンパクトサーボレンズ、CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS Sがとても性能がよかったです。本編でもメインのレンズとして使わせていただきました。レンズを取り外した際にホコリやゴミなどの混入を防ぐのと、助手のワークのことを考えて、できるだけ一本のレンズでやりたいという要望には丁度良いショートズームでした。

EOS C700の重厚な佇まいが映画の現場に一体感をもたらす

─ 助手の方々からの評価はいかがでしたか?

今は撮影している映像に対して、カメラマンと助手があらゆる面で情報共有しなきゃいけない時代です。フォーカス1つをとってみても「見た目でピントを合わせろ」ということにはならない。それだけ繊細なやり取りが必要になっています。助手が言っていたことで印象に残っているのは、ピントマンが人物の顔にある程度までピントを合わせたとして、その先に目なのか鼻の頭なのかというシビアなフォーカスが必要になった時、キヤノンならカメラとレンズが一心同体になっているので安心感があると言っていました。今後、4Kや8Kの時代を迎える中でその印象は強くなっていくのではないでしょうか。

─ 映画のカメラマンとして、EOS C700の気に入った点をお聞かせください。

カメラマンの役目は、監督と役者との三角関係の中でどう現場を維持していくか。やらなくてはいけないことの八割はとにかく現場を早く進めていくことです。だからカメラ周りに何もストレスがないというのが一番望ましい。そういう意味でEOS C700は、最近のデジタルカメラでないがしろにされがちなファインダーがしっかり構築されたという点が大きいですね。シューティングというのはほんとうに言葉通りで、狙い撃ちするという気持ちがあって、そういう気持ちにさせてくれるのはカメラの個体そのものだと思っています。現場で一人狙っている人がいると、みんながそういう気持ちにまとまる。だからカメラマンの見た目やスタイルというのはとても重要なんですよ。役者さんは生の人間なので空気感で影響を受ける。だからファインダーを覗いて片目で狙って君の心を撮っているんだよ、という昔ながらのスタイルを維持できることは大事なんですよね。あとは先ほども言いましたが、どっしりとした佇まいで存在感があることもとても大切ですね。映画の現場に一体感をもたらすためには、EOS C700くらいの体格が向いているのではないかと感じています。

主題歌MV 大黒摩季「latitude ~明日が来るから~」

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