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  • CINEMA EOS 商品情報

VOICE CINEMA EOS SYSTEMを体験した、プロフェッショナルたちの活用事例。

CINEMA EOS SYSTEM

UW INC. asics GT2000 NEW YORK 6 プロモーションムービー
EOS C200B

役者からキャリアをスタートして、自分たちのパフォーマンスを撮影するためカメラを手にし、現在ではディレクター兼シネマトグラファーとしてクオリティの高い映像制作を行っている。そんな興味深いバックグラウンドを持ったメンバーで構成された映像制作会社が、今回とりあげる『asics GT2000 NEW YORK 6プロモーションムービー』を制作したUW INC.である。人力車が走っている様子を「格好よく撮って欲しい」というクライアントの要望を受けて作ったこのムービーは、短い尺の中でEOS C200Bの機能が存分に活かされている。

今回お話を伺ったのは本作のディレクター兼シネマトグラファーを担当した福島慎之介氏と、同社のCEOであり自身もディレクター、シネマトグラファー、エディター、アクターなど多彩な活動を行っている押川賢吾氏。

お二人とも演じる側のルーツを持ち、映画館でバイトをしながら大作映画に親しんだ経験を活かして「あの映画のあのカットが格好いいから試してみよう」という直感的なスタンスの撮り方を持ち味としている。最初に手にしたカメラを問うとEOS Kiss X5と答えが返ってきた。「その時やっていたことが仕事になるとは思ってなかった」と映像制作を始めた当時を懐かしむお二人に、EOS C200Bを導入した理由や今作での撮影手法などをうかがった。

ジンバル搭載に適したウェイトバランスと内部収録可能な新規RAW形式「Cinema RAW Light」が導入の決め手

─ EOS C200Bを導入した理由を教えてください。

福島:ジンバルのDJI Ronin MXに載せやすいカメラを探していたところに、EOS C200Bが「ジンバルに乗せてくれ」という感じで出てきたんです。しかも、4KかつRAWで撮れるカメラがほしいと思っていたので、これしかないと思いました。

キヤノンのカメラは以前から使っていて使い慣れていたというのもあります。他のカメラも候補として検討しましたが、結局バッテリーや周辺機器の重さが厳しかったり、収録メディアの価格が高いのがネックになりました。EOS C200BのCFast2.0カードは小さくてコンパクトだし、バッテリーも小さいのでウェイトバランスが良くてジンバルには最適なカメラですね。

福島 慎之介福島 慎之介

押川:あと、これは記事に入れなくてもいいんですけど、EOS C200Bはひっくり返しても使えるんですよ。六角レンチを車の中に置き忘れてきちゃったというときに、カメラのボトム部分にはジンバルのプレートがついていたので、トップ部分に三脚のプレートを付けてひっくり返して三脚に載せたことがありました。使い方としてはイレギュラーでしたけど、カメラが1台しかないときには、ジンバルから三脚への移し替えがスムーズにいくし、モニターは反転できますから、工夫としてはありかもしれませんよね。

それと個人的な印象としては、他社のカメラはモニターのUIが「仕事をしている感」があるんですよ。その点、キヤノンのカメラは「遊びでも使ってよ」という感じの柔らかい印象があって、撮影のモチベーションが上がるんですよね。

福島:わかる。専門的な機械ですという感じがなくて、キヤノンのUIには優しさがありますよね。
あとメニューの操作感についてもEOS C200になって使いやすくなったと思います。フレームレートを変える手順が楽になったり、画面がすっきりしていてわかりやすくなりました。そういう細かいところの印象や使用感も導入を決めたポイントです。

─ 今回の撮影で使用したフォーマットを教えてください。

福島:EOS C200BはCinema RAW Lightを使っています。今回は2カメ体制で、Bcamで回したEOS C100 Mark IIの方はMP4を使いました。両方ともフレームレートは59.94Pです。EOS C200BはCinema RAW Lightで収録後、Canon Log 3に現像して編集を行うため、撮影時もCanon Log 3の映像を見ながら撮影しました。撮影後はCinema RAW Developmentを使って、色域はCinema Gamut、ガンマはCanon Log 3のProRes4444に現像して、Adobe Premiere Pro CC上で編集を行い、lumetriカラーでカーブやホイールを使ってカラーを調整してグレーディングを行いました。

押川:今回はCinema RAW Lightで撮影していますが、MP4も品質は担保できるので、色にこだわる必要がないようなイベント撮影やメイキングなどに使えるなと思っています。

福島:そういう撮影では、MP4のWide DRで撮ります。Logに比べるとコントラストが残っているので色はそのままで出力することもありますね。

ワークフロー図

─ Cinema RAW Lightはビットレートが1Gbpsありますが使い勝手はいかがでしょうか。

福島:データ量的には重いですが、実はCFast2.0カードは128GBを2枚使いまわしているんですよ。256GBを目一杯使ってしまうとバックアップと現像に時間が掛かるので、128GBで撮ってそれをポータブルSSDに取り込んで現像しているうちにもう1枚を使って撮影しています。1TBや2TBのSSDを用意しておいて、そこに現像したデータを流し込んでいく。撮影が終わったらすぐに編集できる状態になるわけです。取り込んで現像くらいなら1人で作業できますし、現場で小休止したときには現像があがっているくらいスピーディーなので、処理が遅いと思ったことはないですね。

データの扱いが大変に感じている人は選択肢を沢山持っているからだと思います。自分の場合は「RAWで撮る」=「ProRes 4444に変換して編集」とフローが決まっているので何もストレスはないですね。

─ 普段使用しているレンズを教えてください。

福島:レンズはEFのズームレンズを使っています。ただ、カチッと決めて撮るときは単焦点やシネマレンズを使うこともありますよ。ジンバルに載せるときは動き重視でそこまで細かい描写は必要ないので、バランス的にLレンズではなく、EF-S17-55mm F2.8 IS USMが一番軽くて、ズームしてもバランスも崩れないので愛用しています。今回の動画でも使用していますね。

押川:あとよく使うのは、EF16-35mm F2.8L II USM、EF24-70mm F2.8L II USM、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMあたりです。

─ 撮影時のズーム以外にブローアップしてズームしているカットもありますね。

福島:HD納品のもので4K収録するとポスプロでアングルを変えたりブローアップもできるので便利です。カメラで寄っていってるけどもっと勢いをつけたいというときに、自分の手じゃできないような勢いが出るんです。

今作では走っている俥夫を後ろから追いかけていって、足に寄って行くときなどブローアップしています。こういう撮影のときは撮りながらなんとなく頭の中で編集しているので、撮影専門で考えているカメラマンとは違う撮り方をしているかもしれません。

撮影をスムーズにするAFやフォーカスガイドと広ダイナミックレンジの安心感

押川 賢吾押川 賢吾

─ 作業効率アップに貢献した機能はありますか。

福島:オートフォーカスがとても使いやすくなっていて時間短縮になったと思います。撮り方としては、コンティニュアスAFを使って本体下部のボタンにアサインしたAFロックで合わせて撮るという使い方。あとはミュージックビデオで歌っている人を撮るときなどは顔優先AFを使うのですが、ズームアップして動きがあるようなシーンでも顔にずっとフォーカスしてくれるので助かりますね。

押川:よっぽど思い通りにやりたいときはマニュアルで合わせますけど、そういうときにはフォーカスガイドがありがたいですね。表示がわかりやすくて、合焦して緑色になったときの安心感がハンパないです。

福島:そうですね。フォーカスガイドは合わせやすいというのはもちろんなんですけど、合うまでの時間がわかりやすいんですよね。演出としてまだ合わせたくないという時もありますから。たとえば3秒位の間をもって合わせたいときに、早まって「ああ、もう合っちゃった」てことにならない。

─ ロケ撮影でしたが、ダイナミックレンジはいかがでしたか。

福島:ダイナミックレンジが広いと安心感がありますね。例えば画面の奥が白くて飛びそうだなという時にアンダーめに撮っておけば、あとで編集する時に手前の暗部が戻ってくるんです。今作ではかなり陽が照っていたので、衣装のウェアの明るい部分が飛ぶんじゃないかと怖かったのですが結果的に飛ばさずに済みました。

露出の設定は波形を見てなんとなく80%くらいに収まってるかどうかを確認している程度です。画のモニターとは別に、もう1つ純正のモニター(LM-V1)をグリップ部分に付けて、そっちで波形を確認してから撮影するようにしています。あとモニター以外には両手でジンバルを操作しているとRECボタンが押しにくいので、LANC端子からRECボタンが搭載されたズームリモートコントローラーを延ばして使っています。

RECボタンが搭載されたズームリモコンをLANC端子に接続しジンバルのグリップ部に装着。

映像のモニタリングとは別に波形確認用として純正のLM-V1を組み合わせて使用。突然のローアングル撮影にも対応できる。

─ 最後にUW INC.の強みと、今後の展開についてお聞かせください。

押川:弊社の場合、他の制作会社に比べて人数は少ないので人の多さという安心感はありません。でも少人数な分、現場がスピーディーに進むという利点があります。ディレクターをやりつつカメラを回すので、ロスなくスタッフ間で意思疎通がしやすいんですね。クライアントとのやり取りの際に技術的にも演出的にもダイレクトに説明できますし、役者の経験がルーツにあるので演出するのも早いですよ。

あとは映像専門の学校で勉強してきたわけではないので基礎でやっちゃダメというルールに縛られない。やってみて違ったらやめればいいし、一番最適な方法を追求することができるのも強みかもしれませんね。

福島:作るクオリティが良いのが一番だとは思いますが、それに加えて現場が「楽しい」。クライアントや代理店さんとも仲良くなるんですよね。少人数ならではだからかもしれませんが、構えて撮ったものよりも、楽しく楽に撮ったほうが仕上がりがずっと良かったりするので、それが品質にも反映されているんじゃないかなと思います。

今後としては、EOS C200Bを入れているバックが機内に持ち込めるサイズのスーツケースなので、海外の色々なところに行って撮りたいという希望があります。バック1つの持ち運びであれだけきれいな画が撮れると思うと、普段見られないような美しい景色を撮りに行きたいなと思ってしまいますね。

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