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安心・安全を守るツールとして利用が進むネットワークカメラは、さまざまな企業が参入している成長著しい分野だ。そんな注目の市場で存在感を増しているのが、これまでなかった新しいソリューションの未来を描くキヤノンだ。この分野で起きている変化は、社会や生活に何をもたらすのだろうか。

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  • 2017.06.01

Episode.17 「ネットワークビジュアルソリューション」

データ解析の技術を使いIoTとの連係も視野に

写真:モンドーフ・エリック・フリース氏 マイルストーン システムズ(株)代表取締役社長のモンドーフ・エリック・フリース氏

ただしネットワークカメラの可能性は、カメラの性能だけでは十分な広がりがあるとはいえない。もう一つ、欠かせないピースがあると前野は話す。

「記録したデータやネットワークの特性をどう活用するかという視点です。例えばある人物がどういう経路で移動したのかを明らかにするには、異なる場所に設置された複数のカメラの映像を同じ時間軸で解析する必要があります。そこで大事になるのがデータ解析を行うプラットフォームです。その点については、われわれの大切なパートナーであるマイルストーン システムズが重要な役割を果たしてくれます」

マイルストーン システムズはビデオ管理ソフトウエア(VMS:Video Management Software)の開発と販売において、世界最先端を走るデンマークのIT企業だ。日本法人のモンドーフ・エリック・フリース氏は、同社が提供する「Milestone XProtect」の優位性をこう説明する。

「一つ目は高い安定性です。膨大な量のデータを安全に保存するためのシステム構築に力を入れていますので、カメラ数台程度の小さなネットワークから、数万台の巨大なシステムまで、常に安定した運用が可能です。二つ目の特長はインテグレート、つまり多様なデータを統合するための機能を備えている点です」

この「インテグレート」という考え方もまた、ネットワークカメラの可能性を広げるポイントの一つだ。

「カメラというと映像だけを扱うものだと考えがちですが、実はマイクを通じて音声データを記録できるものが多いのです。『Milestone XProtect』では、そうした映像以外のデータも記録、活用できますから、例えば悲鳴やガラスが割れた音を検知した時にアラートを出し、その時だけカメラの解像度を高めるといった仕組みを構築することもできます」

音声だけではない。気温や湿度、振動や動き、さらには体温など、IoTの分野で普及が進むセンサーのデータや、店舗が取得している売り上げや在庫のデータも組み合わせることができる。

「『Milestone XProtect』は、必要な機能を“アドオン”の形で追加できる仕組みになっています。追加したい機能がない場合は、新たに作ることもできます。そのためのSDK(開発に必要なプログラムや文書などをひとまとめにしたもの)を公開しており、世界中のパートナーに活用してもらっています。その数はすでに1200社を超えており、コミュニティーは今後もますます増えていきます」

マイルストーン システムズでは、この数年の間に映像以外の音声や各種IoTセンサーからのデータが占める割合が急増すると予測している。そうした新しいデータをどう取り込み、分析していくかも「ネットワークビジュアルソリューション」の重要な要素になるのだ。

画像:IoT対応デバイスなど多様な分野へ広がるアライアンス

※NVS:ネットワークビジュアルソリューション

IoT対応デバイスなど多様な分野へ広がるアライアンス

カメラからの映像や画像だけでなく、インターホンや火災報知器をはじめとするさまざまな“センサー”を「ネットワークビジュアルソリューション」と組み合わせる試みも進められている。キヤノンMJグループが進めるアライアンスは、多様なセンシング技術を活用したIoT対応機器を提供する企業にまで広がっている。例えば、これまでインターホンやナースコールといった分野で実績を持つ企業や、防災関連の分野で長い経験を持つ企業もアライアンスに加わっている。

画像:ソリューションの鍵を握るマイルストーン システムズの「Milestone XProtect」

※VMS:ビデオ管理ソフトウエア

ソリューションの鍵を握るマイルストーン システムズの「Milestone XProtect」

マイルストーン システムズが提供するビデオ管理ソフトウエア「Milestone XProtect」は、最先端のネットワークビデオ管理プラットフォーム。利用する規模に合わせたシリーズの展開が行われており、カメラ数台の小規模なものから、複数拠点を統合管理するような大規模なネットワークにまで対応する。また、アドオン機能を利用することで、入退出管理や、POS端末などさまざまな機器からのデータ収集や分析ができるようになる点も大きな特長となっている。

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