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毎年、各社から家庭用インクジェットプリンターの新製品が発表されるのは、年賀状印刷のニーズが高まる秋のことだ。家電店の店頭に各社の新製品が並ぶおなじみの風景。しかしその背後からは業界の未来を左右しかねない、変革の足音が聞こえてくる。キヤノンが「プレミアムシリーズ」として新たに発売した「PIXUS XK70」を通してその今を見ていく。

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  • 2017.12.01

Episode.19 「PIXUS XKシリーズ」

リビングに溶け込むその秘密は細部にあり

写真:大石紘一郎 キヤノン(株)の総合デザインセンターで「PIXUS XKシリーズ」の外装デザインを担当した大石紘一郎

「PIXUS XK70」の"デザイン"もまた、これまでの製品の形にとらわれない新しい発想のものだ。直線を基調としたスクエアな形状は、2016年に発売された「PIXUS TS9030」に採用されたものだが、さらに磨きをかけて「PIXUS XK70」にも採用された。関上らは、コンパクトな本体サイズが、ユーザーから高い評価を得たと話す。

「今回の『PIXUS XK70』は、リビングに置かれて家族で利用されることを前提に企画を進めました。そのためには圧迫感や邪魔に感じるようなサイズでは駄目だと考えたのです」

「PIXUS XK70」をデザインしたのは、総合デザインセンターの大石紘一郎だ。

「プリンターは給紙カセット、プリンター、スキャナーなどさまざまな機能を搭載していますが、それらを層のように整然と積み上げ、上下から挟んだ形をイメージしてまとめました」

内部のさまざまな機構を感じさせないことも大切にしたという。その工夫は細部にまで徹底され、例えば電源ケーブルの差し込み口は、壁にピッタリ付けて設置するために斜めになっているが、それを見せないようにカバーが取り付けられている。その分製造コストは掛かるが、こだわったポイントの一つだという。

形状が美しいだけでなく、使いやすさの追究にも妥協はない。例えば前面に付く5.0型の大型液晶パネルはチルト式で、見やすい角度に自由に調整ができる。上面奥のふたを開けば、写真用紙や名刺サイズの用紙にプリントする際に使える背面給紙トレイが現れる。スキャナーを覆う天板や正面下部に収まる前面給紙カセットの引き出し口、背面給紙トレイのふたなど、開け閉めをする場所には、必ず指が掛かる隙間の確保まで計算されている。そうした使いやすさを実現する形状を組み込みながら、全体のデザインバランスを崩さないようにしたという。

画像:高い次元でバランスする機能とデザイン

高い次元でバランスする機能とデザイン
「PIXUS XK70」はデザインが魅力の機種ではあるが、同時に使い勝手を突き詰めたプリンターでもある。例えば大型の5.0型カラーモニターを採用した操作パネルは、使う人が見やすく、扱いやすい角度にセットできる無段階のチルト式だ。名刺やはがきを印刷しやすい背面給紙トレイも搭載されている。どちらにも、機能を十分に果たしながら、外観のまとまりや美しさを損なわないデザイン上の工夫を見ることができる。

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