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  • 2017.09.01

[Vol.7] ビジネスで好印象を与える会話術

雑談では"聞き役"に徹する。
会話の糸口になるキラーワードは「この時期はお忙しいですか?」

イメージ (Illustration:yoshifumi takeda)

初対面の人はもちろん、ビジネスの場面であまり付き合いのない人との会話で困るのが「話題」である。天気の話は無難だが、展開できずに行き詰まる場合がほとんどだ。では、"展開しやすい話題"とは何だろうか。

「この時期はお忙しいですか?」は、会話のきっかけをつかむキラーワード。相手の答えがYESであれば「どんなことでお忙しいのですか?」、NOであれば「お忙しい時期は?」と、相手の答えから次の質問を見つけ出すことで話を展開していける。雑談の中から、相手の繁忙期をリサーチしたり、次のアポイントの日程を推測したりもできるため、一石二鳥である。

イマドキ マナー作法

名刺は雑談ネタの宝庫。名刺交換する際には、「すてきなお名刺ですね」などとひと言褒めると、会話のきっかけをつかみやすい。
具体的には以下を見ておくとよい。
1. ロゴ
社内公募、一流デザイナーに依頼しているなど、ドラマが隠れていることも。
2. 部署・役職・名前
聞き慣れない部署名、珍しい名前・漢字などはネタになりやすい。
3. 名刺のデザインや裏面
スローガンや支店名が入っていることも多く、会話のきっかけになる。
画像:名刺サンプル

初対面では名刺交換をするが、名刺は話題づくりに格好の素材だ。素早く隅々(すみずみ)までチェックしよう。例えば、相手の所属する部署を確認したら「ご担当部署は長いのですか?」。会社や店舗の住所が書いてあれば、「○○駅のどの辺りですか?」などと聞いてみるのも方法だ。そこから自分との共通項を探していくと、会話を膨らませやすくなり、相手との距離も一気に縮まるはずだ。

「政治」「宗教」「球団」ネタは、昔も今も初対面ではタブーな話題とされている。国際化が進む現代では、「国籍」に関する話題も避けた方が無難だ。「結婚」「子供」「年齢」についての質問は、男性でもNGと心得た方がいい。「休日の過ごし方」のような気軽な話題でも、プライベートなことには触れたがらない人もいる。相手が積極的に返してこなければ、仕事の話に切り替えた方がいいだろう。

雑談の本質は、相手のフィールド(相手が知っていること、関心のあること)に歩み寄ることにある。聞き役に徹し、話をうまく引き出したい。相手の思いや感情を受け止め、気持ちよく話をさせてあげられれば、その日の会話は大成功といえるだろう。

もっとも、相手に好印象を残すには引き際も肝心だ。「ではまたの機会に」「またご連絡します」など、「また」というワードが出たら、早々に話を切り上げるのがベターだろう。

伊庭(いば)正康 氏
らしさラボ代表取締役。1991年にリクルートグループに入社。後にリクルート社において40回以上の社内表彰を受け、営業部長とフロムエーキャリアの代表取締役を歴任する。2011年に独立し、現職に。営業研修やリーダーシップ研修を中心に年200回のセッションを行っている。『営業の一流、二流、三流』(明日香出版社)、『すべてを手にする人が捨てている41のこと』(かんき出版)など著書多数。

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