社会貢献商品・サービス、お客さまの声

ネットワークカメラと画像解析技術で農業の生産性向上を支援

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イチゴ生育画像解析の画面のキャプチャ
イチゴ生育画像解析の画面

ネットワークカメラの活用が、防犯などの「監視」から、人間の代わりとなって人や物事の「観察」へと用途が拡大している中、キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)グループは、ネットワークカメラによる画像撮影と画像解析技術を融合させ、農業の生産性向上や産業としての魅力を高めていく取り組みを支援しています。

大分県では、農家の収益の安定化や地域ブランドの確立、農業を魅力的な産業へと変革し、就農人口を確保するために、2010年より地元農家のアクトいちごファームと九州大学が共同で、イチゴ栽培の生産性と品質向上のための実験に取り組んでいます。その中でキヤノンMJグループは、キヤノンのネットワークカメラと画像解析技術などを活用することによって、農家の経験や勘といった「暗黙知」のデータ化を支援しています。
これまで花の数や開花の様子、葉の大きさや数、茎の長さなど日々の作物の生育情報やそれぞれの株の変化は、人間の目視によって確認し、緻密にトレースしてきました。さらに、農作物の品質を高め、生産性を安定させるには、温度や湿度、日射量、二酸化炭素濃度などの環境情報も不可欠です。

キヤノンのネットワークカメラは、このような膨大な手間のかかる日々の生育情報や重要な環境データの収集のために導入されました。キヤノンMJグループでは、イチゴ栽培のビニールハウス内にネットワークカメラを1台設置し、ハウス内の80か所を自動的に撮影できる仕組みを構築。さらに、キヤノンの技術により、極めて現物に近い状態で撮影した花の実や色などの生育情報の画像を解析し、数値化するために、高度な画像解析技術と人工知能を組み合せた「イチゴ生育画像解析」を提供しています。

農作物の中でもイチゴは、ハウスの中で管理栽培がしやすく、値崩れも起きにくいという特長があります。これまで経験や勘に頼ってきた部分を数値化することで、買い叩きによる値崩れを避けるなど、より戦略的なイチゴ栽培も不可能ではなくなり、農家の経営の安定化につながります。農業従事者の高齢化と担い手不足といった深刻な課題に対し、キヤノンMJグループでは、画像データの提供のみにとどまらず、分析や予測などができるソリューション型のデータ提供によって解決を支援し、農業の魅力化と発展に貢献していきます。

お客さまの声:九州大学 農学博士 岡安様

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九州大学 農学博士 岡安 崇史様

九州には福岡の「あまおう」や佐賀の「さがほのか」といった有名なイチゴのブランドがありますが、大分産のイチゴはほとんど知られていません。そこで大分産のイチゴのブランド化によって地元農業を活性化させることを目的に実験が始まりました。

就農人口を増やしていくには、地域ブランドを確立して農家の収益を安定化させ、農業を魅力ある産業に変えていかなくてはなりません。そのときに課題となるのが、熟練の農家しか備えていない経験値や勘の部分です。これを数値化し、科学的に分析していかなくてはならないときに、キヤノンのネットワークカメラは非常に役立ちました。現物により近い精度で撮影された画像データを、人工知能を活用し解析し、数値化するという解析方法によって「使えるデータ」としてくれました。さすが画像に強い会社です。こちらの要望にスピーディーかつ柔軟に対応してくれ、申し分ない解析方法を提案してくれました。その後に導入したネットワークカメラの性能にも満足しています。

この実験の当面のゴールは、画像による作物の生育情報に、環境モニタリング装置で取得した環境情報を組み合せて、できるだけ正確な出荷予測を立てられるようにすることです。イチゴの花が開花した時点で何日後にどの程度収量が得られるかの予測が立てられれば、市場での入札競争を有利に進めることが可能になります。まだ実験段階ですが、アクトいちごファームでは、収穫量の増加と出荷予測によって収入を増やすというモデルづくりにすでに成功しています。いずれは、出荷したい時期に生育を合わせるという栽培シナリオをつくることも不可能ではないと考えています。

このシステムは、キヤノンMJグループとの共同研究により開発しています。本年度中にはデータ活用の方法論を確立して、できる限り正確な出荷予測を立てる仕組みをつくり、2年後をめどに商材化していくことを目標としています。それに成功したら、他県や他の作物栽培にもノウハウを広めていきたいです。キヤノンMJグループさんには引き続きご協力いただき、農業の発展のために新しい可能性を切り拓いていきたいと思います。

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