~取り壊される校舎での最後の思い出づくりを~小学校向けサポートプログラム 校舎の思い出 プロジェクト

実績事例台東区立蔵前小学校

台東区立蔵前小学校の先生方にお話を伺いました

蔵前小学校は、精華小学校、小島小学校、済美小学校の3校統合により、平成15年4月1日に開校しました。現在の校舎は昭和57年度に精華小学校校舎として建築された建物で、台東区において、いち早くオープンスペースを持つ小学校となりました。現在、蔵前小学校区域の就学前人口は増加傾向にあり、今後さらに児童数・学級数の増加が確実な状況にあることから、現校舎を改築し、将来の教室需要に的確に対応するとともに、今後の多様な学習・指導方法に柔軟に応えられる教育環境を整備することとなりました。

校舎の移転・改築が決まり、何か思い出に残るようなイベントができないかと考えていたところ、ぺんてるとキヤノンマーケティングジャパンが「校舎の思い出プロジェクト」という事業をされていると堀江先生から話をもらい、PTAの保護者の皆さまにもご賛同いただいて、「校舎の思い出プロジェクト~ありがとう蔵前小学校校舎~」イベントを立ち上げました。

各学年の校舎ペイントは、子どもたちが生き生きと描いているのを見て教職員一同大変嬉しく思いました。描かれた壁には、校舎に対する子どもたちの「感謝」の気持ちが込められており、絵を写した写真掲示は、児童のみならず保護者からの喜びの声が多く聞かれました。終業式までの間、毎週のように校舎へ絵が描き足されていき、日増しに明るい校舎へとなっていく壁画に、子どもたちをはじめ、保護者や地域の方々も足を止めて見入る姿が見られました。

7月3日に行われたセレモニーでは、地域や保護者の方々に見ていただく機会が多くあり、校舎内外を見ていただき、「すてき!明るい校舎になった!」との声が聞こえてきました。セレモニーでは、卒業生や地域住民の方々にもペイントに参加いただき、完成したペイントの校舎を手持ちのカメラなどでたくさん撮影しながら、思い出とともに記録されていました。当初は、校舎取り壊しを残念に思う声が強くありましたが、「とても良い機会になった」と本プロジェクトから喜びの声がたくさん聞かれました。

学校の壁という本来描いてはいけない場所に子どもたちが絵を描き、その様子を撮影するという思いがけない取り組みを通して、蔵前に通う子どもたちをはじめ保護者や地域の方々の忘れられない思い出となりました。校舎の壁に語りかけるように絵を描いている子どもたちの顔や大人ではとても撮影できない子どもたちのベストショットの写真がすばらしく、出来上がった校舎はまるで「蔵前小美術館」のような素敵な空間になり、取り壊すのがますます残念になりました。

みんなで一緒に創った思い出は、校舎が無くなっても記録として残し、新校舎が落成してからも語り継いでいきたいと思っています。そして、いつの日か大人になったときに素敵な思い出として子どもたちの心に残ってくれることを期待しています。(針谷校長先生)

校舎ペイントは、5月中旬から7月初旬の約2ヵ月近い時間をかけて行いました。児童の全員、また地域や卒業生の方々にも筆を持っていただき、校舎に思い出を描き残していくという「ありがとう蔵前小学校校舎!」という校舎ペイントプロジェクトとして実施しました。

数日間での校舎ペイントではなく、長い時間をかけながら、校舎への思いを絵にのせて描き残していこうというのが当初からの計画でした。その甲斐もあったのか、日増しにペイントが進められる中で地域の方々からの喜びの声も増えていき、最終的には校舎で行われる地域が運営するお祭りで、大々的なペイントセレモニーを行いプロジェクトの幕を閉じました。本校の校舎に関わるすべての方々にたくさんの思い出を持っていただける機会となりました。
また、今回のペイントでは、子どもたちのペイント活動時に、地域のペイントクリエーターの方や東京藝術大学の学生にもボランティアでお手伝いいただき、普段から絵画制作をしている方々による校舎へのペイント活動も実施しました。単に絵を描くのではなく、子どもたちのペイント活動からインスパイヤーされ蔵前小学校にちなんだテーマで壁画制作をしていただき、子どもの作品とともに校舎へのステキなペイントを施していただきました。

子どもたちは 「楽しい!」「校舎に描けるなんて一生の思い出!」と校舎へのペイント活動が特別なものであるということを理解している様子でした。「むこうの校舎にいっても頑張るからね!」移転先での生活に対する気持ちを描きながらつぶやく児童もいました。片付けの際には、「もう終わっちゃうの~」とまだまだ描いていたいという気持ちがいっぱいだったようです。同時に、お世話になった地域のクリエイターや学生とも仲良しになり、「また一緒に描こうね!」と笑顔でお世話になった方々への感謝の気持ちを伝えていました。

カメラマンになった子どもたちは一眼レフを操作できるということに、とても興奮していました。子どもカメラマンは、ペイント活動中に一生懸命子どもたちの様子を撮影しており、小さくも立派なカメラマンとしてか撮影にあたっていました。撮影した写真には、子どもたちが楽しげに描いている様子がたくさん映し出されていました。「ぼく将来カメラマンになる!」と将来の夢にもつなげている児童もいました。子ども同士で撮影するからこそ、子どもならではの豊かな表情がファインダー越しで撮影できたのだなぁと実感しています。(堀江先生)

制作のお手伝いをいただいた
ペイントクリエーターの方にお話を伺いしました

蔵前地域に昨年オープンしたシェアアトリエ「縁縁Creative Base」の活動の中で、御徒町~蔵前~浅草橋のエリアで行われているモノマチの実行委員として動いていた時に蔵前小学校の「校舎の思い出プロジェクト」に出会いました。アトリエの1階にある蔵前4273(カフェラウンジ併設の複合スペース)の常連さんで、毎朝校舎の前で警備をしている地域の方の推薦でもあります。

絵を描くにあって、子供たちが描く壁に関しては、学校への感謝と蔵前小学校の特長でもあるオーケストラ、また事前に下絵を描いてくれた子供の絵を参考にしました。子供によっては色にこだわったり、道具の使い方を教えることで工夫し、大人の想像を超えて描いていく姿が印象的でした。
アーティストパートでは、蔵前小学校のサマーコンサートをする上野動物園の動物達、子供達が作った作 品と上履きを纏い明日に向かって飛び立つリュウの絵を描きました。ちょうど下校中の子供たちが集まる下駄箱の上に描かせていただいていたのですが、ものすごい人数の子供たちが質問したり、すごい!と声をあげてくれているのがうれしかったです。

保護者や地域住民の方々は、無くなってしまうのが惜しいくらい、素敵な作品になったといっていました。 自分が子供の頃に出来なかった体験を今になって出来たのも喜んでもらえました。

「校舎の思い出プロジェクト」は、なかなかできない体験を子どもたちに与えられるのはすごく良いなと思いました。無くなってしまうものだからこそ、思い出と感謝を込めて絵を描くプロジェクトは素敵だなと思います。また、子どもたちや先生方、地域の方々も繋がって一緒に作り上げられたのが良かったです。
今後は学校に限らず、日本のよい文化が失われていく現代、銭湯や駄菓子屋さんなど舞台を広げていけてもいいかなと思いました。(佐藤周作さん)

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