光学技術

BRレンズ

理想の色収差補正を目指して生まれた、新たな光学素子

白色光はさまざまな色の光(赤・緑・青など)が混ざった、連続する波長によって構成されている。波長によって屈折率が異なるため、通常のガラス材料を使ったレンズの場合、すべての波長を結像面上の一点に集光できず、ずれた波長が色のにじみとなって画像に現れてしまうことがある。これがレンズの宿命とも言える色収差だ。その補正のため、キヤノンはこれまで蛍石レンズやUD/スーパーUDレンズを開発し、実用化してきた。そして、理想の色収差補正を目指して開発したのが、蛍石と同等の異常分散特性を持つBR光学素子だ。

BR光学素子は、レンズの材料を分子構造設計から見直し開発された有機光学材料であり、これまで一点に集光させるのが難しかった青色(短い波長域)の光を大きく屈折させるという異常分散特性をそなえている。BR光学素子の前後にガラスレンズ(凸・凹各1枚)を密着させたBRレンズを配置することで、青色(短い波長域)の光の進路をコントロールすることが可能になり、色収差を徹底的に低減したクリアな画像を得ることができる。これにより、これまで色収差補正が難しいとされてきた大口径レンズでも絞り開放から高い描写性能を実現する。BRレンズは、レンズ設計の新たな可能性を広げる技術である。