光学技術

スーパースペクトラコーティング

太陽光を徹底的に研究することで、理想の色再現を追求

理想のレンズを作るために指針となっているのは、次の4つの条件である。

  • 1.物体の一点から出た光線は、レンズを通過した後一点に集まること。
  • 2.光軸に垂直な平面物体の像は、平面上にできること。
  • 3.光軸に垂直な平面物体の形状は、歪むことなく相似形の像になること。

そしてキヤノンが目標とする理想のレンズには、さらにもう一点、次の項目が必要となる。

  • 4.物の色が忠実に再現されること。

この条件のために、キヤノンは独自の色再現についての規格づくりに取り組んできた。それは、プロフェッショナルがリバーサルフィルムを使用し始めた1960年代。どのレンズを使っても同じ色再現が得られるという考えは、キヤノンにとって当然といえる取り組みだった。理想の色再現とカラーバランスの設定。この難しい課題にキヤノンが取った方法は、季節によって変わる太陽光を1年間徹底的に研究することだった。実写テストを重ね、多くのパネラーの意見を採り入れながら、集積データを数値化。独自にレンズの色基準を設定した。その後1980年代、ISOによって定められたCCI(Color Contribution Index)が業界基準となったが、その数値は独自のものとほぼ同じだった。キヤノンの方が許容幅が狭く、厳しい基準となっているという点を除いては。

この厳しい色基準を実現した技術が「スーパースペクトラコーティング」。フレアやゴーストとなるレンズ面反射を除去し、耐久性に優れた表面硬度、安定した特性などの特徴を備えた多層膜コーティングである。特にフレアやゴーストがより一層シビアな問題として現れるデジタルカメラでの使用においても、最適なカラーバランスを提供。絶えまなくコーティングの最適化を追求することで、時代の変化と、それに伴うフォトグラファーの要求に応え続けている。