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稲越功一この一本

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絞り開放値F1.4のボケ味が、個性的な作品を生み出す

作品
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EF50mm F1.4 USMを使って静物を撮るとき、「稲越流」に撮る秘密をちょっとだけ教えましょうか。
EF50mm F1.4 USMの最短撮影距離は45cmです。これを利用して、ぎりぎり限界の45cmから、あと2cmぐらい被写体に寄ってしまうんです。するとピントがあるべきところが、ふっとボケて、その少し奥にピントの山がずれてくる。この微妙なボケに、なんとも言い難い情感のようなものが宿るんですよ。マネしてもできないと思いますけれどね(笑)。
こういった微妙なボケ味を生かしたいとき、EF50mm F1.4 USM以外のレンズでは難しいですね。絞り開放値F1.4の特徴が、ここにあります。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM
これからもこのレンズは、私の作品づくりには欠かせない1本であり続けるでしょう。「ロケに持っていけるレンズを1本だけ選べ」と命じられたら、私はEF50mm F1.4 USMを選びますね、何の躊躇もなく。
このレンズ1本で、写真家としての生涯を終えるぐらいの心構えで取り組みたいですね。それくらい奥が深いレンズなんです。しかし、いくら使い込んでも、まだまだ「悟り」を開くところまでは到達できません。
おそらく生きている限り、ずっと修行なんですよ。


稲越功一 プロフィール
1941年、高山生まれ。'70年よりフリーランス写真家として活動を開始。'80年、講談社出版文化賞を受賞。エディトリアルの撮影をする一方で、多くの写真集、展覧会を国内、国外にても出版、開催する。主な作品集に「男の肖像」、「Ailleurs」(フランス コントルジュール社刊)、「三大テノール日本公演公式写真集」、「中村吉右衛門」、「野に遊ぶ魯山人」など多数。最新刊は「芭蕉の言葉」(佐佐木幸綱共著)。
現在、NHKスペシャル「新シルクロード」撮影取材に参加中。NHK「シルクロード アーカイヴスペシャル/西安」にゲスト出演(2005年12月18日放映予定)。




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