高画質(35mmフルサイズセンサー、ギャップレスマイクロレンズ、16チャンネル読み出し & 高速並列処理、デュアルDIGIC 5+)

35mmフルサイズセンサー

高画質を追求するとき、大きなポイントとなるのが解像感と低ノイズ化(高ISO感度化)です。
EOS-1D Xは、空気感の描写に優れる35mmフルサイズ(画面サイズ約36.0×24.0mm)のフォーマットを採用。
有効画素数約1810万画素の自社開発CMOSセンサーを搭載することにより、一般的な画像用途をほぼすべてカバーできる分解能を確保しました(EOS-1D Mark IV:約1610万画素)。同時に低ノイズ・高ISO感度対応、高速読み出しのための新回路も実装。
画質と機動性のバランスに優れた撮像素子としています。
暗いシーンや高速で移動する被写体をより鮮明に、美しく捉えたいというプロのニーズに、キヤノンの新しい回答です。

ギャップレスマイクロレンズ

光を効率よく集め、フォトダイオードに導くためのマイクロレンズ。その間隙(ギャップ)が少ないほど、集光効率を高められます。キヤノンは、これまで35mmフルサイズという大きな撮像素子では難しかったマイクロレンズのギャップレス化に挑戦。
画像周辺でもマイクロレンズの隙間をなくすことに成功しました。さらに、画像周辺では光の入射角に応じてマイクロレンズを最適に配置し、すべての画素が効率よく受光できる設計としています。
周辺でも光量や画質の低下が目立たず、画角の広い35mmフルサイズ機のメリットを引き出すことが可能です。

ギャップレスマイクロレンズ概念図(画像中心部/画像周辺部)

16チャンネル読み出し& 高速並列処理

約1810万の高画素に対応すべく、CMOSセンサーに16チャンネルの高速読み出し技術を採用。
EOS-1D Mark IV比2倍の多チャンネル化により読み出し回路の負荷を抑え、
S/N比をさらに向上させるとともに、消費電力も抑制しました。
さらに、読み出した16チャンネルの信号を4つのADコンバーターで14bitの広階調データに変換。
2基の映像エンジンDIGIC 5+(プラス)で並列処理することで、
高ISO感度設定時や高速連続撮影時も美しい、妥協のない画作りを可能にしています。

デュアルDIGIC 5+による画像処理概念図

デュアルDIGIC 5+

飛躍的な能力向上の背景は、より多くの画素に対して、同時に処理を実行できる高度な回路設計です。
これは、一度に処理できる画像の範囲が広がるということ。
階調や色のデリケートな変化を捉えることが可能になり、より自然な画像を、より高速に生成することができます。
その高度な処理能力を活かし、低ノイズ現像処理、約14コマ/秒の超高速連続撮影、高感度撮影時のノイズ低減の高速処理、CFカードUDMA Mode7への対応、さらには新動画圧縮方式(ALL-I/IPB)などを実現しました。

高速連写(最高約14コマ/秒連写、クアッドアクティブミラーストッパー、ドライブシステム)

最高約14コマ/秒連写

35mmフルサイズ機でありながら、ワンショットAFとAIサーボAF時とも、最高約12コマ/秒の高速連続撮影を実現しました。 CMOSセンサーからの16チャンネル高速読み出し、デュアルDIGIC 5+の高速処理、ゆとりあるバッファ容量、 記録メディアへの高速書き込みなどが、そのバックボーン。さらに、14fps超高速連続撮影に設定時は、最高約14コマ/秒で撮影が可能です。ミラーアップ撮影のため、AEとAFが1コマ目に固定、記録画質はJPEGのみとなります。 AF撮影時、被写体の一瞬の表情や動作を逃したくないときや、眼にも止まらない高速の動体を置きピンで撮影する場合などに有効です。

  • ※ISO32000以上(カメラが低温状態ではISO20000以上)のときは、最高約10コマ/秒となります。
  • ※電池残量によっては、連続撮影速度が制限される場合があります。

最高約14コマ/秒連

クアッドアクティブミラーストッパー

わずか約36msでミラーを安定させる。それを実現したメカ機構が、クアッドアクティブミラーストッパーです。これは、パッシブ方式とアクティブ方式のミラーバウンド抑制機構を、メインミラーとサブミラーそれぞれに装備したもの。パッシブ方式として採用したのはバランサーで、ミラーの衝突エネルギーを、重りを動かす力に変換して吸収します。これをメインミラー、サブミラーの左右に搭載。特にサブミラーへの展開は、キヤノンとしても初めてです。左右から衝撃を逃がすことでエネルギーの吸収効果を高め、かつミラーの歪みの抑制と像の安定化を図りました。それでも残存するわずかな揺れは、アクティブ方式で吸収。
アクティブ方式はフックで強制的にバウンドを抑え込むもので、これもメインミラーにひとつ、サブミラーの左右にひとつずつ装備しています(EOS-1D Mark IV、EOS-1Ds Mark IIIはメイン/サブミラー各ひとつ)。
サブミラーのバウンドを抑制したことで、AFの測距精度と安定性が向上。連続撮影速度の向上とピントの両立を図りました。

ドライブシステム

最高約12コマ/秒の高速連続撮影を実現するため、ドライブシステムも新規に開発しました。ミラーとシャッターのチャージを専用モーターで駆動する2モーターシステムを継承。EOS-1D Mark IVに対し、シャッターチャージ系を2/3段、ミラーチャージ系を2/5段に短縮したことで、高トルクモーターのエネルギーを無駄なく伝え、高速・低振動・静音・省電力を実現しています。また、カムギアの位相検知を、ブラシによるパターン検知から、光学的な非接触検知に変更し、エネルギー損失をさらに改善しました。
これらの工夫により、14fps超高速連続撮影に対応する高速シャッターチャージ、高耐久化を達成しています。

ギアトレイン図

【シャッターチャージ側】	EOS-1D Mark IV(ギア段数:3段)/	EOS-1D X(ギア段数:2段)

チャージ機構をシャッターユニットと一体でレイアウトすることにより、ギア段数を減らし、ギアトレインを短く構成することで、エネルギー効率を向上させました。

【ミラーチャージ側】(	EOS-1D Mark IV(ギア段数:5段と6段の切り替え)/EOS-1D X(ギア段数:2段)

高トルクモータの採用により、ギア段数を減らし、ギアトレインを短く構成することで、エネルギー効率を向上させています。

AE・AF(EOS iSA システム、61点高密度レティクルAF、EOS iTR AF)

EOS iSA システム

人間には、色や顔などを手がかりに、瞬時に被写体を見分け、視線を追従させる優れた能力があります。その視覚と認知の働きを応用したのが、EOS iSA Systemです。測光・調光/被写体検出センサーに、撮像素子としても使用される10万画素RGB測光センサーを採用。
さらに、画像処理エンジンにDIGIC 4を用いることで、輝度だけでなく、色や顔の検出も実現しました。このシステムにより、光源色の影響を抑えた測光、色・顔情報に基づく「意思に従う」被写体捕捉と「捉えた被写体を逃さない」AFフレーム追従などを達成。AEとAFが連携し、お互いの精度と安定性を高め合う、革新的なシステムです。

※EOS iSA(Intelligent Subject Analysis) System

61点高密度レティクルAF

キヤノンは、見つめた対象に速やかにピントを合わせる「人間の眼」を理想とし、AFフレームの多点化、クロス測距点の充実、高精度化などを図ってきました。その成果といえるのが、61点高密度レティクルAFです。
AFフレームは61点。AFフレームを密にすることで、構図の自由度だけでなく、動体の捕捉力・追従性を向上させています。さらに、クロス測距は最高41点で可能。プロにも愛用者が多いF4.0の大口径レンズ使用時や、F2.8レンズとエクステンダーEF1.4×IIIの組み合せ時でも、被写体パターンに影響されない、高い捕捉力を発揮します。
なお、低輝度限界をEV-2まで拡大(中央AFフレーム)。暗いシーンを高ISO感度で撮影するときも、AF活用を実現しました。

※レティクルとは、“網線、網状”を意味し、AFのセンサーが網状に配置されている様を表しています。

EOS iTR AF

被写体が高速で動くモータースポーツ、予期せぬ軌跡で動くフィールドスポーツを、的確に捉える。プロの要求に、より高度な次元で応えるべく開発したのがEOS iTR AFです。これは、EOS iSA Systemと連携して、最初にピントを合わせた被写体の特長(色や顔)を検出、そのデータに基づいてAFフレームを合わせ続ける革新的なAF機能。その際、顔検出できたときは、顔を優先することにより、被写体捕捉をサポートするとともに、AFフレームが意図せず他の対象に乗り移るのを抑えるなど、より人間の感性を模したアルゴリズムを開発・採用しています。

※EOS iTR(Intelligent Tracking and Recognition) AF

EOS iTR AF 被写体の動きに合わせてAFフレームが連動

信頼性(超音波モーションクリーニング、サブ電子ダイヤル、マグネシウム合金製ボディー、防塵防滴対策)

超音波モーションクリーニング

これまでセルフクリーニングセンサーユニットに採用してきた超音波振動では除去しにくかった、より軽く小さいゴミも効果的に取り除くこと。そのため、超音波振動に搬送波を採用しました。これは、ゴミを「はじき飛ばす」のではなく、振動の波に乗せて「移動させる」、新しい方式です。EOS-1D Xでは、赤外光吸収/紫外光カットガラスの左右2箇所に圧電素子を配置し、ひとつの圧電素子では不可能だった搬送波を発生させることに成功。これにより、実使用上、写り込む大きさのゴミを、ほぼ除去することが可能となります。

  • 超音波モーションクリーニング原理図
  • 圧電素子配置図

サブ電子ダイヤル

サブ電子ダイヤルは、カメラの中でも最も酷使される操作部材のひとつです。その回転検知に、静電容量センサーを導入。
機械的な接片を廃したことで、摩耗などによる検知不良を解消、耐久性を向上させています。
また、動画撮影中に静音操作できる十字タッチパッド機能(動画サイレント設定)も、この方式を展開することによって実現しています。

  • EOS-1D Mark IV
  • EOS-1D X
  • サブ電子ダイヤルのタッチ範囲

マグネシウム合金製ボディー

マグネシウム合金は、同じ強度なら他の実用金属より軽量、衝撃や振動をよく吸収し、放熱性と電磁シールド効果にも優れます。
EOS-1D Xは、上・前・後カバー、メモリーカードスロットカバーにマグネシウム合金を採用。さらに、内部構造物である本体とミラーボックスもマグネシウム合金製とし、高剛性と軽量化を両立しました。

外装カバー内部構造

防塵防滴対策

雨滴やホコリの侵入を防ぐため、操作部材や外装カバーの合わせ部、計76箇所をシリコン部材などでシーリングしています。
防滴構造を備えたEFレンズやスピードライト、専用システムアクセサリーを装着時、機材全体で耐環境性と信頼性を確保できます。

防塵・防滴処置箇所