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四季がFIVEを呼んでいる。

EOS 5D Mark IVが描く、日本の四季。米美知子氏が撮り下ろした季節の作品を撮影に対する思いとともにご紹介します。

  • 春
  • NEW 07.20 夏
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  • 冬

米 美知子

音楽をやっていたからこそ、 わたしの写真の世界感がある。

 春が過ぎ、薫風の季節になった。6月初頭。四国は早くも夏の気温だった。「緑がいちばんキレイな時期に森を撮ってあげたい」と、米美知子は目を輝かせる。初めての森に行くという期待感もあった。
 「未知の世界なので、期待感はありますね。自分が想像している光景との合致具合はどうなんだろうって」。いい意味ではずれてくれると、感動も大きい。その感動は、初めての時しか味わえないからだ。「わたしはよく宝探しといいますが、森こそ宝ものを探せている感覚を実感できるんです。やっぱり森がいちばん好き」。自分がいいと思ったものに近寄っていける。宝ものがいっぱい見つけられる。それが、森の楽しさだという。

 その森は、とても不思議だった。突然、景色が一変し視界のすべてが緑に覆われた。最盛期を迎えようとする苔の群生が創り出す、幻想的な世界。変わったのは景色だけではなく、気温も一気に下がった。それまでの登山で汗ばんだ体を、冷たい空気が冷ましてくれる。
 夏の森はむずかしいと、米美知子はいう。「緑一色になってしまって、意思を持たずに撮ると、どうしても散漫になってしまいます。こういう時は、何か特徴のあるポイントを見つけて撮るようにしています」。そのポイントとはなんだろう。素人目にはむずかしい。「自分がいちばん見せたいと思う部分。形がキレイだとか、不思議だとか。感じるところは人によって違いますが、そのポイントを見つけて、しっかりメインに置いてあげるんです」。

 森がもっとも好きだという理由の一つが、超広角レンズ(EF16-35mm F2.8L III USM)を使えることだ。「16mmが思う存分に使えるなんて、すごく贅沢。ここだったら、これ一本で十分って思えちゃう。ワイドレンズは奥行きも出るし、空気感も表現できますからね」。
 子どもの頃から自然が好きだった。「ある絵本の物語に出てくる森の小人が大好きだったんです。小人が見える子どもたちが、森に遊びに行ったり、泉を見たり。自分もそういう想像をしてたんですね。もちろん自然に触れることも大好きでしたよ」。そして、社会人になって最初に就いた仕事はエレクトーンの指導者だった。子どもの頃、習っていたからだ。「絶対にエレクトーンの先生になるって決めていた」という。自然と同じように、音楽が大好きだった。だが、米美知子にとって、写真と音楽は遠いものではない。
 「写真と音楽ってすごく似ているんです。自分の中では。音楽をやっていたからこそ、わたしが撮る写真の世界感があると思います」。写真は、メロディーではなく、ハーモニーだという。ハーモニーが変われば同じメロディーでも雰囲気が変わる。同じ被写体でも、天気が変われば雰囲気が変わる。音楽の世界感と、自分の写真の世界感はすごく近い。だから「音楽は今もすごく重要なんです」。

 以前、音が聞こえるような写真を撮りたいと語っていた。そのルーツは音楽にあったのだ。「音楽は音だけの世界で人を感動させる。想像させることもできる。写真もそうでしょう。言葉がなくても伝わる。あとはイメージの世界ですからね」。言葉がないところから想像を働かせる。だから想像力が大事だと、米美知子はいう。
 こんな話もしてくれた。「イメージを膨らませすぎて森に入った時、 自分のイメージと合っていないと、がっかりしちゃうことがある。でもそれって、わたしの勝手なイメージなんですよね。森に入って、すべてを素直に受け入れて、森と対話して楽しんで行く。そうすると、森もいい表情を見せてくれるんです」。この突き当たりを右に行くか、左に行くかで出逢える光景も違う。全部を見ることはできないから、自分が信じた道を行くしかない。偶然的かもしれないが、たくさんの素晴らしい光景に出逢ってきた。米美知子の写真は、そうやって積み重ねられてきたのだ。

 「たくさん登って、険しいところも歩かないと辿り着けないところは、限られた人しか見られない光景だと思うんです。だから感動も大きい。苦労した分だけ。でも、写真に苦労は写らなくていいんです」。
 まだ知られていない日本の美しい森や光景を、自分の足を使って、まだまだ撮り続けたい。五感で感じた素晴らしさや感動を、できるだけ写真で伝えたい。このロケが終わった翌日、新たな撮影に向かった米美知子。次は、どんな感動を描いてくれるのだろうか。

米 美知子

独学で写真をはじめ、アマチュア時代には全国規模コンテストで数々の賞を受賞。
日本の素晴らしい自然と色彩美を独創的な視点で表現。中でも表情豊かな森に魅せられ、
北海道から西表島まで日本の森を撮り歩く。
「夢のある表情豊かな作品」をテーマに精力的に撮り続けている。

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