その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ スポーツ写真家 田中 伸弥 SHINYA TANAKA

Chapter1 「息継ぎの瞬間がシャッターチャンス。領域拡大で狙う」

僕はサッカーの撮影をメインに、いろいろなスポーツを撮影しています。今回は水泳の撮影を行いました。水泳は、泳ぎの種類によって撮り方が変わります。この作品はクロールですね。泳いでいるときのシャッターチャンスは、息継ぎをして顔を上げた瞬間ですが、実は簡単ではありません。息継ぎって、左右で行う選手もいれば、片方だけの選手もいます。タイミングも人それぞれなので、いつどっち向きで顔が上がってくるか予測ができないんです。しかも1コースの選手だけでなく、複数のコースを撮ることも少なくありません。限られた時間の中で、チャンスをモノにするにはAFの設定はとても重要です。
顔という比較的狭いポイントにピントを合わせるので、AFは領域拡大を使います。AFカスタム設定は、Case4。水泳だけでなく、サッカーなどほとんどのスポーツはこれです。体に染みついた設定なので、あまり変えることはありません。
「被写体追従特性」だけ+1にカスタムすることはありますが、基本はデフォルトですね。
高速連写で撮りますが、むやみにシャッターは切り続けません。師匠の教えでもありますが、ちゃんと狙って写真を撮ることを心がけています。

任意で設定した1点でピントが合わない場合、隣接点となる上下左右の測距点でピントを合わせる。

次の動きが予測しづらい多くのスポーツで有効。デフォルト設定でも安定した追従性を発揮。

Case1~6の詳細はこちら

Chapter2 被写体の後ろの空間を意識。情報はなるべく減らす。

これも師匠の教えですが、背景にはとても気をつかっています。被写界深度は浅くして、ただ背景をぼかすのではなく、そのぼけに何が写り込んでいるのか。主役である選手の表情を浮かび上がらせるためには、背景はできるだけシンプルにすっきりしている必要があります。情報をなるべく減らすということですね。
また選手は、左右のどちらかに置いた構図づくりを心がけています。そういった意味でも、EOS 7D Mark IIはファインダーの端まで測距点があるので、構図は作りやすいですね。

背景の写り込みを意識した画づくりが重要だと田中氏は語る。

ファインダー内を幅広くカバーする測距エリア。動く被写体を追い続ける撮影において構図が作りやすい。

Chapter3 カメラは体の一部。自分の手足のように操る。

撮影しているときは、カメラは道具ではなく体の一部のような感覚で使っています。手や足を動かすのと同じように、自分の感覚に直結した動きといいますか。AFは、親指AF。シャッターボタンで測光開始。これが僕の感覚に一番近い設定です。
またこのカメラのいいところは、ファインダー内の情報が多いので覗いたまま、さまざまな設定ができることです。試合中はフィールドから目が離せません。チャンスを狙いながら、自分の意思(設定)を切り替えることができます。電子水準器はとても便利ですね。撮影に集中していると、無意識にカメラが傾いていることがあります。常に水平がわかるので、選手を追いかけながら傾きにも意識を向けることができます。
もう一つ、室内競技においてフリッカーレス撮影は非常に有効です。何より精度が高い。これは画期的な機能だと思いました。自分の体のように信頼できる機能ですね。

ファインダーを覗いたまま水平の確認が可能。
カメラの傾きを撮影しながら修正できる。

EF400mm F2.8L IS II USM、1/1250sec、F3.5、ISO3200

写真を拡大する

田中 伸弥の主なカメラ設定

・撮影モード:
マニュアル露出
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF
     (領域拡大[上下左右])
・AFカスタム設定:
Case4
・測光モード:
評価測光
・WB:
オート
・ピクチャースタイル:
シャープネス/コントラストを調整
・高輝度側・階調優先:
しない
・ノイズ低減機能:
強め
・使用カード:
CF 64GB

田中 伸弥SHINYA TANAKA

JC 主催水谷塾6期生。
現在はフリーランスのフォトグラファーとして、
ジャンルを問わず様々なスポーツを撮影している。

希望小売価格 ¥1,250,000 [ケース・フード付き、税別] EF400mm F2.8L IS II USM 「描写力はいうまでもありませんが、ボケ味が気に入っています。いろいろな望遠レンズを試していますが、このレンズのボケがいちばん好きです。また、とても軽量なので手持ち撮影でも助かっています。 田中 伸弥」 詳細を見る
Professional Photographer's Gallery 田中 伸弥 SHINYA TANAKA

[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。

汎用性の高い基本的な設定

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

障害物が入るときや、被写体が
AFフレームから外れやすいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[粘る:-1]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

急に現れた被写体に素早くピントを
合わせたいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[俊敏:+1]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体が急加速/急減速するとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体の上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[+1]

被写体の速度変化と上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[+1]

※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。

EF400mm F2.8L IS II USM、1/1250sec、F3.5、ISO3200