その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ スポーツ写真家 田中 宣明 NOBUAKI TANAKA

Chapter1 「自分の勘とカメラの性能で、次の動きを予測する」

新体操のような競技でベストショットを狙うためには、“際”を読む能力が求められます。なぜなら演技中の数分間、休みなくシャッターを切り続けることはできないからです。“際”とは、選手が魅せるキメの瞬間。そのタイミングを僕は、長年の勘で読み、事前にシャッターを切り始めます。あとは、カメラのAIサーボに任せ、その瞬間に備えるわけです。
どんな競技でもまず、1点AF・Case1で撮り始めます。随時モニターでピントチェックしながら、必要に応じてAFを拡大していくこともあります。AFのカスタマイズも、撮りながらパラメーターを調整していきます。この作品は1点AFで、Case6ですね。AFの切り替えは、左手で瞬時にできるレンズのAFストップボタンを割り当てています。
また、常に縦位置撮影ではありません。瞬時に判断して横位置で撮ることもあるため、縦位置/横位置のAFフレーム設定は、「別々に設定」しています。

EF300mm F2.8L IS II USM、1/1600sec、F2.8、ISO3200

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まずは、1点AFとCase1でAFの食いつき具合をチェック。
AFカスタム設定も撮りながら徐々に調整していく。

Case6は新体操のような上下左右の
動きが大きい競技に向いている。

AFの切り替えは
レンズ側で行う。

Case1~6の詳細はこちら

Chapter2 使うレンズごとに最適なアジャストメントを。

僕の仕事はピントが命ですから、EOS 7D Mark IIに装着するレンズのAFマイクロアジャストメントは細かく行っています。EOS−1D Xと同様にズームレンズで、テレ側・ワイド側両方とも調整できるのでとても助かります。すごくシビアな作業ですが、非常に重要なことです。
秒間約10コマの連写は、使えますよ。初代の約8コマ連写との違いは実感できますね。激しいミラー駆動にもかかわらず、まるで静音撮影のように静かなシャッター音は感動的でした。僕たちの現場でも、大きな音を立てづらいシーンはあります。フィギュアスケートのアイスショーやバレエのような競技、さらにはお客さんの後ろで撮るときも、音には気を遣います。選手が嫌がることもありますからね。
約2020万画素という高画素なのに、初代よりもかなり高感度に強くなったのはさすが。屋内で速いシャッタースピードを必要とする僕にとって、高感度撮影は宿命ですからね。この作品はISO3200で撮っていますが、ノイズはまったく気になりません。

ピントはシビアに設定し精度を高める。

Chapter3 ホワイトバランスはマニュアルで毎回設定。

新体操やフィギュアスケートなど、屋内競技で重宝するのが、フリッカーレス撮影です。これは本当に画期的でした。基本は高速シャッターで撮影しますから、フリッカー(光源のちらつき)の影響はあきらめていました。せっかくの決定的瞬間が暗く写ってしまったなんてことは珍しいことではありません。露出のばらつきだけでなく、色ムラもなくなりましたよ。この機能は欠かせませんね。
屋外で撮るときは、ホワイトバランスはオートで問題ありません。しかし屋内となると、そうもいきません。会場ごとに光源が変わるため、マニュアルで適切なホワイトバランスを取っています。

この機能の登場で、屋内競技の撮影は非常に快適になった。

田中 宣明の主なカメラ設定

・撮影モード:
マニュアル露出
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF(1点[任意選択])
・AFカスタム設定:
Case1
・測光モード:
評価測光
・WB:
マニュアル
・ピクチャースタイル:
スタンダード
・高輝度側・階調優先:
しない
・ノイズ低減機能:
強め
・使用カード:
CF 128GB、
SD 128GB(振り分け)

田中 宣明NOBUAKI TANAKA

東京ビジュアルアーツ写真学科で学ぶのをきっかけにスポーツ写真の世界に踏み出す。
現在はフリーで活動。
AJPS(日本スポーツプレス協会)、AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。

希望小売価格 ¥750,000[ケース・フード付き、税別] EF300mm F2.8L IS II USM 「II型になった“サンニッパ”の魅力は、解像感の高さとAFスピード。“ヨンニッパ”と同様に常用レンズですね。I型に比べかなり軽量なので、手持ち撮影でも非常に楽になりました。 田中 宣明」 詳細を見る
Professional Photographer's Gallery 田中 宣明 NOBUAKI TANAKA

[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。

汎用性の高い基本的な設定

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

障害物が入るときや、被写体が
AFフレームから外れやすいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[粘る:-1]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

急に現れた被写体に素早くピントを
合わせたいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[俊敏:+1]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体が急加速/急減速するとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体の上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[+1]

被写体の速度変化と上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[+1]

※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。

EF300mm F2.8L IS II USM、1/1600sec、F2.8、ISO3200