その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ モータースポーツ写真家 小林 直樹 NAOKI KOBAYASHI

Chapter1 「予測できない”おいしい”瞬間は、1点AFで決める」

自然の中を走るラリーのコースには、ところどころにコブがあります。車はそこをダイナミックに飛び越え、突然視界に入ってきます。出走順は決まっているので、次に来る車は把握していますが、厳密に現れるタイミングを計ることはできません。走行音を聞いてある程度は予測できますけどね。
また飛び越えてくる位置が左右にずれることがありますが、やはりこれも予測できません。ルーフが見えた瞬間、即座に1点でAFを開始。自分の勘と腕、そしてカメラを信用してシャッターを切り続けます。
私は基本的に1点(任意設定)しか使いません。ラリーでは、車のヘッドライトやメーカーのエンブレムにピントを合わせますが、1点だと正確に行えるんです。AFカスタム設定は、Case4。
モータースポーツの激しい動きに対して、私にとってはこれがベストです。「被写体追従特性」のみ+2に設定し、あとはデフォルトのままです。
シャッターチャンスは、車が飛び上がって着地するまで。いわゆる おいしい 瞬間です。高速連続撮影で、だいたい10コマ記録されているので、この瞬間は2秒もないということになりますね。いうまでもなく1回きりのチャンスなので失敗は許されません。

車体が飛び上がった瞬間が勝負。1点AFでエンブレムを狙う。

被写体の激しい動きに対応してくれる。

Case1~6の詳細はこちら

Chapter2 写真に迫力を出すために1/800秒を上限に。

モータースポーツの被写体は、高速で動くものが多いのですが、シャッター速度はそれほど高速には設定しません。動きを止めるというよりも、流動感を表現したいからです。あまり速く切ってしまうと、タイヤや背景の景色まで止まってしまい迫力のない写真になってしまいます。目安として1/800秒が上限。もっと遅く切ることがほとんどです。
もちろんシャッター速度が遅ければ、被写体ブレのリスクもあります。ジャンプ、コーナリングでは車体が上下左右に激しく動きますからね。それでも迫力のある画を撮ることの方が重要なんですよ。
ラリーの撮影では、砂ぼこりや水がかぶることも覚悟しなければなりません。つまりカメラはタフでないと。EOS 7D Mark IIは防塵・防滴仕様なので、安心して使うことができます。

EF70-200mm F2.8L IS II USM+エクステンダー EF1.4× III、1/800sec、F7.1、ISO200

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Chapter3 マシンのディティールをかっこよく見せるために。

日射しが強い時間は、ボンネットが白く飛んでしまうことがあります。だから、全体的にアンダー気味の写真になります。これは私に限らず、モータースポーツを撮る多くの方に言えるのではないでしょうか。やっぱりマシンのディテールをしっかりと見せたいですからね、ハイライトを基準に露出を決めます。
またピクチャースタイルは、ニュートラルにし、細かく調整しています。「シャープネス」+4、「コントラスト」+1、「色の濃さ」+1、「色あい」+1。キヤノンのカメラはすべてこの設定です。
私はラリーの撮影で、世界各地を巡ります。写真一枚の中に、その国の雰囲気や自然の空気感も表現したいと思っています。

使用するEOSはすべてこの設定で統一。

小林 直樹の主なカメラ設定

・撮影モード:
マニュアル露出
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF(1点[任意選択])
・AFカスタム設定:
Case4
・測光モード:
評価測光
・WB:
オート
・ピクチャースタイル:
ニュートラル(補正あり)
・高輝度側・階調優先:
しない
・ノイズ低減機能:
しない
・使用カード:
CF 128GB、SD 64GB

小林 直樹NAOKI KOBAYASHI

1994年のマカオGPをきっかけに脱サラし、フリーランスに。
1998年からWRCを全戦追いかけ現在に至る。
日本レース写真家協会(JRPA)会員。

希望小売価格 ¥300,000[ケース・フード付き、税別] EF70-200mm F2.8L IS II USM 「300mmのレンズで撮ることが多いため、このレンズはEOS 7D Mark Ⅱに装着(320mm)するとちょうど”おいしい”範囲をカバーしてくれます。基本は手持ち撮影なので、この機動性もありがたいですね。 小林 直樹」 詳細を見る
Professional Photographer's Gallery 小林 直樹

[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。

汎用性の高い基本的な設定

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

障害物が入るときや、被写体が
AFフレームから外れやすいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[粘る:-1]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

急に現れた被写体に素早くピントを
合わせたいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[俊敏:+1]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体が急加速/急減速するとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体の上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[+1]

被写体の速度変化と上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[+1]

※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。

EF70-200mm F2.8L IS II USM+エクステンダー EF1.4× III、1/800sec、F7.1、ISO200