その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ スポーツ写真家 中西 祐介(アフロスポーツ) YUSUKE NAKANISHI

Chapter1 ボクシングはCase3。被写体を“掴む強さ”がちょうどいい

スポーツ写真は、競技によってだけでなく場面によってAFの設定は、がらりと変わります。ボクシングを撮るときも、僕にとって最適な設定というのがあります。試合中、入場シーン、控え室。すべて違いますよ。
ボクシングは次の瞬間、何が起こっているか予測のできない競技です。開始直後にパンチがヒットして、ノックアウト決着ということもありますから。最期にご紹介するクロスカウンターのシーンを捉えた写真も、「クロスカウンターが来る」と思った瞬間にシャッターを押していたら、もう遅い。選手の癖とか試合の流れを見ながら、自分の経験と勘を頼りに“その瞬間”の直前からシャッターを切り始めます。
ボクシングの試合では、主に領域拡大(上下左右)AFを使います。秒速約10コマ連写の高速連続撮影モードで、2〜3コマずつシャッターを切ります。ひたすらシャッターを切るより、絶えずAFを繰り返す方が僕には合っているんですよ。
もちろん、すべてAIサーボAF。ボクシングの試合では、Case3を使います。被写体を“掴む強さ”が、僕に合っている気がします。
また僕はシャッターボタンでAFはしません。AF-ONボタンに親指AFを割り当てています。AFと、シャッターを押すタイミングは別々にしたいんですよ。特に動き続ける被写体の場合、親指はAFだけに集中させて、あとは人差し指でシャッターを押すだけにした方が撮影に集中できます。

領域拡大AF。選択した1点でピントが合わない場合、隣接するAFフレームが選択点をカバー。

ボクシングの試合では主にCase3。被写体の動き方によって、被写体追従特性をプラスにすることも。

AF-ONボタン

Case1~6の詳細はこちら

Chapter2 静音連続撮影モードなら選手の集中力を乱さない

練習に集中する選手を撮る時、静音連続撮影モードが活躍する。

フリッカーレス撮影は、屋内撮影では非常に有効です。

このカメラを使っていて便利だと思うのが、静音連続撮影モードです。ボクシングでは広角レンズを使うことが多いので、比較的選手に近づいて撮影します。練習中など、選手の集中力を乱したくありませんから、静音で連写できる機能は本当に助かっています。
それと、フリッカーレス撮影は、屋内撮影では非常に有効です。1/1000秒以上で連写することがほとんどなので、この機能がなかった頃は露出のムラはありました。かなりの精度でフリッカーを検知してくれますね。
CF/SDは同一書き込みを使っています。SDカードの方はバックアップですね。仕事の内容にもよりますが、撮ってすぐに送らないといけないときはJPEG。作品寄りのときはRAWにします。RAW+JPEGは使いません。

Chapter3 プロが仕事で使えるAPS-C。この機動性は強み。

仕事には、EOS-1D Xを2台と、EOS 7D MarkⅡの3台体制で常に臨んでいます。このカメラを使ってみて、ようやく仕事で使えるAPS-C機が登場したなと確信しました。AFの精度も申し分ないし、画質も良い。かなりの高感度でもノイズが気にならないので、室内でシャッター速度1/2000秒前後が使えるのは魅力です。視野率約100%で視界も広いし、ストレスがありません。
それにEOS-1D Xに比べて軽量なので、長時間の撮影でも負担が少ない。バッテリーグリップをつけても重いと思いませんね。

広い視界でさまざまな情報も
表示することができる。

EF24-70mm F 2.8L II USM、1/1600sec、F2.8、ISO2000

写真を拡大する

中西 祐介の主なカメラ設定

・撮影モード:
マニュアル露出
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF(領域拡大)
・AFカスタム設定:
Case 3
・測光モード:
評価測光
・WB:
マニュアル
・ピクチャースタイル:
スタンダード(補正あり)
・高輝度側・階調優先:
シーンに合わせて使いわける
・ノイズ低減機能:
標準
・使用カード:
CF 128GB、SD 128GB(同一書き込み)

中西 祐介(アフロスポーツ)     YUSUKE NAKANISHI

学生時代よりボクシングを撮影。現在はオリンピックなどの世界大会を中心に、
スポーツ、人物、ドキュメンタリーを撮影。

希望小売価格 ¥230,000[ケース・フード付き、税別] EF24-70mm F2.8L II USM 「僕の場合、絞り開放での撮影が基本です。レンズ遊びの基準になるのは、開放時の画質。このレンズは、開放時はもちろんズーム全域で本当に画質が良い。ボクシングの試合では広角から選手に迫った寄りの画も撮るので、この焦点距離もベストです。 中西 祐介」 詳細を見る
Professional Photographer's Gallery 中西 祐介 YUSUKE NAKANISHI
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[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。

汎用性の高い基本的な設定

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

障害物が入るときや、被写体が
AFフレームから外れやすいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[粘る:-1]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

急に現れた被写体に素早くピントを
合わせたいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[俊敏:+1]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体が急加速/急減速するとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体の上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[+1]

被写体の速度変化と上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[+1]

※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。

EF24-70mm F 2.8L II USM、1/1600sec、F2.8、ISO2000