その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ 昆虫写真家 黒柳 昌樹 MASAKI KUROYANAGI

Chapter1 高速で動く小さな被写体を”止める””ぼかす”

昆虫を撮るときは、その眼にピントを合わせるようにしています。なぜかというと、たとえば羽根にピントが合っただけで、全体がぼけたような写真になってしまうからです。開放で撮ると被写界深度が浅くなるので、なおさらそう見えてしまいます。
この作品はアゲハチョウが、飛び立つ瞬間を捉えたものです。1/8000秒の高速シャッターで、美しい羽根の羽ばたきをしっかりと止めることができました。被写体を際立たせるために、絞りは開放にして背景をぼかします。開放とはいえ、かなり速いシャッター速度なので、高感度性能も重要になってきます。EOS 7D Mark IIは、高感度もかなり使えるので、陽が落ちるまで安心して撮影できます。
AFは、飛翔している昆虫の場合、ゾーンAF(中央)ですね。
比較的狭い範囲で、じっくりとピントを合わせます。AFカスタム設定は、Case4。「速度変化に対する追従性」のみ+2にカスタマイズしています。飛翔中の昆虫はあちこちに方向を変えますが、この設定にしておくと、ピント抜けがほとんどありません。
蜜を吸っていたチョウは口を引っ込めると飛ぶ習性があるので、そのタイミングを狙い高速連続撮影でシャッターを切りはじめます。ちなみに「AIサーボAF1コマ目レリーズ」は、レリーズ優先に設定。貴重なシーンにシャッターが切れないのは、私にとっては致命的なんです。

蜜を吸い終わったアゲハチョウが、飛び立っていく一瞬を狙った一枚。このときピントは、眼に合わせる。

急に加速・減速する被写体の追従に適したCase4。速度変化に対する追従性が高い設定。

Case1~6の詳細はこちら

Chapter2 無限遠じゃないマクロ撮影が、昆虫撮影に威力を発揮する。

今までマクロで撮るときは、EF100mm F2.8L マクロ IS USMを常用していました。今回はじめてマクロ撮影モードが付いたEF24−70mm F4L IS USMを使ってみて、その実力に脱帽しています。予想外に良かったのが、テレ側からマクロに切り替えたとき、撮影距離範囲が無限遠にならないことです。一定の範囲内でピントを合わせ続けられるので、遠くの背景にピンが抜けることがありません。これはかなり有効でした。昆虫をマクロで撮っている方には非常におすすめのレンズです。

Chapter3 ネックストラップにも工夫。撮影スタイルを昆虫撮影仕様に

オートパワーオフは「しない」に設定しています。突然のシャッターチャンスには、一瞬のタイムラグも許されません。
また記録メディアは、同じ銘柄、同一容量のCFカードのみです。SDカードと使い分けるよりも、同じものを入れ替えながら撮影することで、常にバッファ容量を確保でき、メディア交換のタイミングも同一にできますからね。
カメラの設定ではありませんが、ネックストラップの長さは短くしています。ストラップを首にかけたとき、ちょうど胸の下あたりにカメラが来るような長さです。こうすることで、ストラップを支点にして両手でカメラをホールドでき、マクロ撮影でのブレが大幅に軽減できるんですよ。ライブビュー画面もすごく見やすいですしね。
このカメラはシャッター音が小気味良く、撮っていてとても快適です。連写しながら、「何枚目にいい画が撮れたな」という感覚があります。そういうカタログスペックでは表せないところも好きですね。

突然のシャッターチャンスに備えるため、電源は常にONにしておく。

EF24-70mm F4L IS USM(マクロ撮影モードで撮影)、1/8000sec、F4.0、ISO1600

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黒柳 昌樹の主なカメラ設定

・撮影モード:
マニュアル露出
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF(ゾーン[中央])
・AFカスタム設定:
Case4
・測光モード:
評価測光
・WB:
オート
・ピクチャースタイル:
オート
・高輝度側・階調優先:
しない
・ノイズ低減機能:
標準
・使用カード:
CF 64GB

黒柳 昌樹MASAKI KUROYANAGI

教育用の動植物や自然写真を撮影する傍ら、広告写真も手掛ける。
現在はライフワークとして蝶をはじめ昆虫の飛翔写真にも注力。

希望小売価格 ¥154,000 [ケース・フード付き、税別] EF24-70mm F4L IS USM 「このレンズのマクロ機能は、あなどれません。画質を見ればわかりますが、非常に美しい描写をします。標準ズームとしても使えるので、昆虫撮影に万能的に活躍するのではないでしょうか。黒柳 昌樹」 詳細を見る
Professional Photographer's Gallery 黒柳 昌樹 MASAKI KUROYANAGI

[被写体追従特性][速度変化に対する追従性][測距点乗り移り特性]という3つのパラメーターの設定を組み合わせた、6種類のプリセットを選択可能。シーンに応じて簡単に設定を使い分けることができます。

汎用性の高い基本的な設定

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

障害物が入るときや、被写体が
AFフレームから外れやすいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[粘る:-1]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[0]

急に現れた被写体に素早くピントを
合わせたいとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[俊敏:+1]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体が急加速/急減速するとき

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[0]

被写体の上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[0]
距離点乗り移り特性
[+1]

被写体の速度変化と上下左右の動きが
大きいとき(1点AF時無効)

パラメーターの初期設定

被写体追従特性
[0]
速度変化に対する追従性
[+1]
距離点乗り移り特性
[+1]

※スポット1点AF(任意選択)と1点AF(任意選択)時は「測距点乗り移り特性」が無効になります。

EF24-70mm F4L IS USM(マクロ撮影モードで撮影)、1/8000sec、F4.0、ISO1600