その一瞬に応える“7”。写真家たちの使いこなし術。 私の7流。 EOS 7D MarkII カスタマイズ 野鳥写真家 戸塚 学 GAKU TOTSUKA

Chapter1 「鳥の種類、動き、背景に合わせてAFは細かく使い分けたい」

野鳥撮影の場合、特定のAF設定はありません。鳥の大きさや種類にもよりますし、群れて飛んでいるのか、単独で飛んでいるのか、歩いているのかによっても変わってきます。空、森、海など背景によって、それぞれ適切な設定が必要です。
このオオワシを写し止めた一枚。これは、ラージゾーンAFを使いました。被写体が大きいのと、比較的スピードが緩やかだったからです。AFカスタム設定はCase1。「被写体追従特性」は-2、「速度変化に対する追従性」と「測距点乗り移り特性」は2にしています。“粘り”を重視した追従設定で“戸塚カスタム”と呼んでいます(笑)。ちなみにCase2では“敏感”を重視して、すべて2に合わせています。もう一つの“戸塚カスタム”です。
小さな鳥の飛翔シーンは、ゾーンAFが多いですね。鳥が地面を走ったり、歩いたりするときは領域拡大AF(周囲)。
止まっているときは領域拡大AF(上下左右)。茂みの中にいる鳥を狙うときはスポット1点AFを使います。
また空中でホバリングし急降下してくるような鳥を撮るときは、65点自動選択AFです。全点クロス測距なので、ファインダーの画面のどこでも正確にピントを合わせてくれます。非常に使えるAFです。このように、今までの経験を活かしながら、その時々で瞬時に設定を切り替えています。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM、1/2000sec、F8.0、ISO400

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【ラージゾーン】測距エリアを中央、左、右の3つのゾーンに分割。1点または複数の測距点でピントを合わせる。

Chapter2 EOS iTR AFが、不可能な撮影を可能にした。

私にとって、このカメラの最大の魅力はやはりAFの進化です。シーンによって細かくカスタマイズできることは、野鳥を撮る者にとって非常にありがたい。さらに、見逃せないのがEOS iTR AFの存在です。海と同系色の鳥だったり、葦原に紛れてしまうような鳥の場合、これまでは背景に引っ張られてしまい、狙った鳥を追い続けるのは不可能でした。それが、信じられないほど食いついてくれる。これは驚異的なことでした。
さらにもう一つ、重要なカスタマイズを行っています。「AIサーボAF1コマ目レリーズ」をピント優先にしていること。最初のAFはとても大事ですからね。一方「サーボAF連続撮影中のレリーズ」をバランス重視に設定しています。連写中はとにかくシャッターを切ることに集中するためです。

被写体の特徴を見分け、一度捕捉したら追尾を続けるEOS iTR AF。
プロ機のEOS-1D Xにも搭載されている高精度な追尾機能。

Chapter3 バッファ容量が増えてRAWでも安心して連写できる。

高速連続撮影モードで撮っているとき、シャッターを押し続けることはありません。3・4コマずつ切ってはレリーズし直すということを繰り返しています。バッファ容量が増えたので、途中で「busy」になることはありません。野鳥撮影も、一度チャンスを逃すと二度と同じシーンには出会えませんから、RAWでも常にシャッターが切れる、というのは心強いですよ。
操作ボタンのカスタマイズは、2つほど。AF−ONボタンに親指AFを設定しているほか、測距エリア選択レバーに「ISO感度設定」。ISO感度を頻繁に変更するので、新設されたレバーを割り当てて自分なりに使いこなしています。
このカメラは自分の使いやすいように作り上げ、そしてチューニングするほどに楽しめる一眼レフだと思いますね。

初期設定はOFFなので、頻繁に使う機能を割り当てたい。

戸塚 学の主なカメラ設定

・撮影モード:
絞り優先AE
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF
    (シーンに合わせて使い分ける)
・AFカスタム設定:
Case1/Case2
・測光モード:
評価測光
・WB:
マニュアル
・ピクチャースタイル:
オート
・高輝度側・階調優先:
シーンに合わせて使い分ける
・ノイズ低減機能:
標準
・使用カード:
128GB、SD 32GB
      (カード自動切り換え)

戸塚 学GAKU TOTSUKA

きれいかわいいだけではない野鳥の姿、
人間生活との関わり合いや環境問題を含めた撮影をしている。
著書も多数。

希望小売価格 ¥300,000 [ケース・フード付き、税別] EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM 「機動力が高いので、手持ちで被写体を追うことができます。またエクステンダー EF1.4×IIIをつければ、テレ端で焦点距離は900mm弱に。絞りはF8にできるので、中央でAFが使えます。このレンズは野鳥撮影とって強力な味方ですね。 戸塚 学」 詳細を見る
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EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM、1/2000sec、F8.0、ISO400