君をカメラで

生まれてまだ4ヵ月の君へ。ママがいましてあげられること。

君をカメラで

君をカメラで

どんどん変わっていく君に
いつか離れていく君に
ママは何ができるだろうか。
朝ごはんをつくりながら、お風呂で一緒に遊びながら
寝る時ほっぺをくっつけながら
いつもいつも企んでいる。

でも君はきっと ずっと
ずっとずっと なんにも知らない。

そよそよ、キラキラ、朝が来た。
毎日繰り返すおはようが、
こんなに愛おしいものだなんて。
そうだカメラに収めよう
未来の君に贈り物。

少し目が見え始めたころ、
日向ぼっこが日課になった。
ぼーっと葉っぱを眺めては
掃除機の音にびっくりして振り返る。

水槽のお魚も、鉢植えの葉っぱも
みんなが成長を待っている。

ある日、君は
自分に右手と左手があることを知った。
光と風と遊ぶ姿に、一秒一秒がたまらない。
私の心はじわーと何かで満たされる。

はじめて
おでかけしたときも
(ママのリュックと
同じ大きさだね)

はじめて犬を見たときも
(顔中ベロベロ
なめられた)

はじめてカフェに
入ったときも
(ママはこの日を
待っていたよ)

はじめて注射をしたときも
(ニコちゃんマークの
バンソウコウ)

はじめておかゆを
食べた日も
(全然おいしそう
じゃなかった)

たくさんのはじめて
たくさんのはじめまして。

他愛もない日常を
ひたすらシャッター
押していく。
だって、してあげられる
ことは限られている
それはわかっているから。

これは、私の記憶。
誰にもゆずれない宝物。
それはただの写真。
何の変哲もない、
ただの写真なんだよ。

やっと生えてきた髪の毛

産後久しぶりに食べられた貝

雨の日の静かな午後

音に耳を済ます君

私にカメラがなかったら
君に何を残せるだろうか。

寝返りをはじめた愛しい時間
これからつづく
ちいさなちいさな感動の連続。

ねえねえ
ママもいっしょに
連れてって。

写真はすべて「EOS Kiss X9i、EF50mm F1.8 STM」で撮影しました。

鈴木さや香

Photographer

鈴木 さや香(すずきさやか)

東京造形大学で建築造形のデザイン科を卒業、CM映像制作会社でAD APとして勤務。演出家葉方丹に師事。映像制作、編集を学び、その後写真家山岸伸に師事。2012年2月独立。現在、写真雑誌のほか、CDジャケット、広告写真、 動画撮影などを中心に活動の幅を広げている他、ワークショップの講師を担当。子どもや赤ちゃんのポートレート撮影を得意としている。また、写真封筒の作家として活動を始めている。

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