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一期一会を感動とともにハンカチにして集めていく

登山を始めて約7年。写真を撮るだけでなく記録として残したいという思いから始めたのが、登山の記録=写真をハンカチへと仕立てていく『マウンテンコレクター』というプロジェクトだ。
「四角い布には、その端が縫われているだけで誰にとってもハンカチとして認識されるシンプルさがあるし、この透き通る感じやカタチも、私が好きな山の情景を最も表現しやすいものだと思いました。それに単純に、あんなにスケールの大きな山とその景色を手の中に収められるっていうのも素敵だなって」
データとして保存してきた写真が、手に取れるモノとなり、非日常な山の光景が誰かの日常に寄り添っていく……。薄手の生地にプリントされた景色は、山の澄んだ空気を閉じ込めたように軽やかで、光に透けて表情が変わる様も、とらえどころのない山の天気を思い起こさせる。
「ハンカチは誰にでも身近で、登山の経験がない人にも手に取ってもらえる。山ってこんなに美しい場所なんだっていう声を聞くと嬉しくなります」
ハンカチは評判を呼び、他の作家とのコラボレーションの誘いもあるそうだが、あくまでも鈴木さんは、“マウンテンコレクター=個人の登山記録”であるというスタンスを変えるつもりはないという。加工もできるだけせずに、そのとき見たままの色と状態を素直に切り取ることに徹している。
「私にとって写真は、山の景色をそのまま切り取って持ち帰るためのもの。ベストな天候を狙って最高の1枚を撮影したいとか、自分の表現をしたいというよりも、山の景色を本当にキレイだと思うから、できるだけそのまま収集したい。記憶では曖昧だし、絵を描くには間に合わないという環境で、私の収集欲をきちんと満たす唯一の手段が写真なんです」
だから山岳写真家ではなく、収集家と名乗るのだ。
「山に登っていると70歳や80歳の方とも出会います。つまり山も写真も、趣味としては一生もの。いずれ海外の山も登ってみたいし、時間が足りません」と鈴木さん。彼女にとって自身が歩いた証を集める旅路は、まだ始まったばかりなのだ。
「2015.7.19」
彼女のハンカチ、そのパッケージには、その景色を写真に収めた日が示されているが、一枚一枚増えていくハンカチはこれから時間の経過とともに、また違う価値をきっとまとっていくのだろう。アルバムのなかで味わいを増していく、日付入りの紙焼きのように。

プロフィール

鈴木優香(すずきゆか)デザイナー

東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。株式会社モンベルの商品企画部を経て、デザイナーとして独立。現在は、山で見た景色をハンカチに仕立ててゆくプロジェクト「MOUNTAIN COLLECTOR」を手がける傍ら、アウトドア雑誌やWEBでの執筆も行う。

【Instagram】@mountaincollector
【Facebook】@mountaincollector
【Web】https://www.mountaincollector.com/
鈴木優香(すずきゆか)デザイナー
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