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2017.12.01

愛犬と過ごす、短いけれど尊い時間
写真はそれを、一生の宝物にしてくれる

大谷香菜子(おおたにかなこ)ドッグブランドオーナー

犬に服を着せるなんて……と言われる時代に日本初のドッグブランドを立ち上げ、愛犬との暮らしは30年以上になるという大谷香菜子さん。
そんな彼女がいま、愛犬との写真にはまっている。どうして今、あらためて? どんな写真を? そこには、犬と誠実に向き合ってきた彼女らしい答えがあった。

30年犬と暮らしてきた彼女がいま、写真を大切にする理由

“かわいいね!”“大好きだよ”衝動的にカメラを向けずにはいられない子犬のころを通り過ぎ、“おばかだなぁ”“しょうがないなぁ”とたくさん笑いたくさん叱り、犬が“ウチのコ”になるころには、ぶさいくなところすら愛しい、家族としての写真が増える。そうして喜怒哀楽の毎日が落ち着くころには“私のところへ来てくれてありがとう”とシャッターを押す気持ちに、愛しさと感謝が強くなる。

犬と暮らしたことのある人なら、ただ可愛らしい犬の写真と、愛犬の写真では、見方がまったく違うということはわかるだろう。共に過ごし育んできた愛情が加わることで、一般名詞の“犬”はかけがえのない“愛犬”になる。そして時間を重ねれば重ねるほど、その写真は何物にも代えがたい価値を持つのだ。さらにもう一つ、愛犬との別れまで経験した飼い主ならわかることがある。それは、愛犬と過ごす時間は有限であるということ。犬との別れは、飼い主が想像しているよりも、確実に早くやってくるのだ。

現在3頭の犬と暮らし、休日ともなれば日本全国を愛犬と巡って写真を撮る大谷香菜子さんは、まだまだ犬は外で飼うものという意識が強かった日本へ犬に服を着せるというカルチャーを持ち込み、犬ブームが起こるより前から犬とのライフスタイルを提案した人物。彼女が代表を務める『design f』は輸入雑貨のセレクトショップという形態、ドッグブランドという概念の先駆け的存在であり、いわば現在愛犬家が当たり前にしているライフスタイルの礎をつくってきた人だ。そんな彼女も愛犬との濃密な時間を過ごし、別れも経験し、愛犬と過ごせる時間の尊さに気づいたひとり。

「昔から写真もカメラも好きで、犬の写真はたくさん撮ってきたつもりだったんですが、初代のコたちとの写真を見返したとき、 “あんなのも撮っておけばよかった”って後悔したんです。それに最近は自分で撮れる写真の幅もかなり広がりましたよね。だったら自分で撮れるものは自分で表現したい、限られた愛犬との一つひとつの思い出を、自分で撮ることで大切にしたいなって」

犬と飼い主のかっこいい暮らしを写真で表現してみたかった

「1988年から1年半ロンドンでシュナウザーと暮らしていたんですが、そこがある意味、犬との暮らしにおける私のルーツ。公園でエアデールを連れた老夫婦に“犬が必要なことはすべて飼い主がして当たり前”という価値観を学びました」
大谷さんと犬とのかかわり、そのスタートは約30年前にさかのぼる。当時の日本は、まだまだ犬を家の中で飼うというスタイルすら定着していない時代。イギリスから帰国した大谷さんにとって、帰国当時の日本で犬と暮らすのは、とっても窮屈だったという。
「寒がる犬に服を着せてるのに、“かわいそう”と言われて……日本でもロンドンで体験したドッグカルチャーを提案し、犬の社会的地位を高めたいと思ったんです」

“犬を飼う”ではなく“犬と暮らす”。そんな価値観を伝えたくて、彼女は帰国後間もないころに、都会でおしゃれに暮らす犬をテーマにした雑誌もつくっている。
「私のなかにあるイメージを何より表現できるのは写真だと思いましたし、犬の社会的地位向上には、そうしたスタイルをまずかっこいいと感じてもらうことからかなと」
写真集にも負けないクオリティ。大谷さんがこだわりぬいて出版されたこの本は、ファンシーなものが主流だった当時において、新しい犬と飼い主の関係を提案する、かなり画期的なものだった。彼女が写真で表現したかったのは、 “犬というかわいい生物”ではなく、そこにちゃんと飼い主の存在も感じられる“パートナー”としての犬。それぞれが個性を持ち、それぞれがオリジナルな“愛犬”の姿だったのだ。

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