キヤノンギャラリー2017年キヤノンカレンダー 蓮井幹生写真展:Mt.Fuji, an oasis of life

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本展は、2017年版キヤノンマーケティングジャパン・カレンダー“自然との共生”シリーズVol. 31「Mt.Fuji, an oasis of life」を飾る作品を中心に25点を展示する写真展です。
広告写真を中心に世界で活躍する蓮井幹生氏が、あえて撮り尽くされた富士山の撮影に挑み、その美を新鮮な表現に結晶させた作品を展示します。「富士の水とその循環」を題材とした写真は、雪や霧などの水、そして水の恵みに育まれた命が織りなす不思議な造形を見事に捉えています。
展示作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントします。

開催概要

作家メッセージ

Mt. Fuji, an oasis of life
刻の造形(ときのかたち)

私にはいくつかあえて避けてきた被写体があります。その一つが今回題材にした富士山です。その訳は単純で言うまでもなく「撮り尽くされているから」です。
日本を代表する優美な姿の活火山。その奇跡的な造形は多くの写真家や画家、そして文学者や詩人を魅了し続けています。それだけに、新鮮な表現で富士の美を探ることは、何か特殊な方法論を使わない限り難しいと思っていました。
しかしある企業の広告の仕事で、富士山の五合目まで行くことになりました。クルマで登ると突然の霧…。一寸先も見えません。私の作品シリーズに「白景」という霧の風景ばかりを撮影したものがあるのですが、まさにその撮影にはうってつけの風景でした。その時に閃いたのです。「そうか、私のテーマである“水とその循環”という切り口で、この山を撮影したらいいかもしれない」。
ところが意外なことに、富士山には川がないのです。雪や雨水などはその火山性の地表のため、流れることなく地中に浸透します。それはその地層と岩石により浄化されて地下水となり、山の周りに湧き出るもののほとんどは海に流れてしまいます。ゆえに、富士山は水のない山とされているのです。なので私はあえて「富士の水とその循環」という題材を選んだのです。
撮影はその霧に始まり、周りを囲む富士五湖や湧水、鍾乳洞の氷、雨の樹海、高山植物、それらの美しいマテリアル。9月、重い機材を担いでの登山はきつかった。
撮影はともすると「よくある富士山写真」になり、何度もその選択を後悔しました。しかし、月ごとに撮影を続けるうち、富士山に対する一般的なイメージなどどうでもよくなり、普遍的な畏敬の念が私の中に湧いてきました。やはり富士は水で生きている厳しくも美しい山でした。
雲がかかり裾のみが見える富士山の頂上では雨や雪が降り、それが霧となり、植物を潤わせ、岩には苔が生え、それらに光が注ぎ、なんとも言えない極上の写真的美が生まれます。
そこには命があり、自然の不思議な造形があり、そして富士の遠景には、優しい末広がりの山が二度とない光に見事なシルエットを見せてくれます。
私は今回のカレンダーの撮影を通して、最終的には私の他の作品と同じ“普遍”というテーマに行き着きました。昔から万人に愛され、さまざまな媒体で見慣れた富士山ですが、ここにいつもとは少し違った富士山の美しさを見ていただければ幸いです。

写真家 蓮井幹生

作家プロフィール

蓮井幹生(はすい みきお)

1955年
東京都出身。
アートディレクターを経て写真の道へ入る。
1988年
初めての個展を開催。
その後カルチャー誌で著名人のポートレートを撮影。
1990年頃
広告写真家としてさまざまなジャンルの広告作品に参加。
2000年
ユニクロのキャンペーンにて初めてコマーシャルフィルムを撮影。
その後CFカメラマンおよび演出家としても活動。
2004年
ネスカフェエクセラ「夏の香り」にてACC特別賞ベスト撮影賞受賞。
その他ADC、ACC、TCCなど参加作品に受賞多数。
2009年
「Peace Land」、2010年「詠む写真」がフランス国立図書館にコレクションされる。
2013年
ドイツ・ベルリンにあるCOMME des GARÇONSBLACK SHOPにて個展「THE ABSTRACTS OF ANIMAGINED SCENERY IN THE LIGHT」を開催。
著作権について
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