"S"の記憶

42

会期 : 2008.3.28 - 2008.5.7

第42回展 嶋田 忠 
「瞬写 - 野生の瞬間を捉える」

35年前に写真家になって以来、嶋田忠氏は常に肉眼ではとらえられないようなハイスピードや暗闇の世界を写し止めることに挑み続けてきた。
鮮やかな手際で獲物を狩るカワセミ、夜の闇に紛れて滑空するシマフクロウ、発達した後肢で水面を躍動するバシリスク。本展で展示するこれらの作品には、緻密な取材と忍耐強く続けられた観察を経て、ようやく手にすることができた、肉眼ではとらえきれない貴重な瞬間が写し止められている。

  • 「瞬写 - 野生の瞬間を捉える」
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作家メッセージ

早いもので、写真家としてスタートしてから35年もたってしまった。振り返ってみると、私は常に、肉眼では捉えられないようなハイスピードや暗闇の世界を、いかに鮮明に写し止めるかということに挑んできた。カワセミやアカショウビンのハンティングは速さとの戦い。シマフクロウは闇へのチャレンジ。これらは皆、出会いの瞬間に震えるような感動をもたらした生きものたちだ。だからこそ、彼らのすべてを、肉眼では見ることのできない世界を、写し止めようという意欲がわいたのである。

バシリスクとの出会いは13年前にさかのぼる。いままで、鳥以外に心を動かされたことなどなかったが、水上を猛スピードで走り抜ける姿を見た瞬間、かつての感動と同じものを覚えた。昼なお暗い中米コスタリカのジャングル。バシリスクの撮影は、ストロボを使用するかフィルム感度を上げなければならない。

しかし、ストロボでは背景までカバーすることが難しく、感度を上げれば粒子のざらつきばかりが目立ってしまう。なんとか自然光で撮影ができないものかと、ずっと模索してきた。そんな悩みを解決したのが、高感度でも画質が劣化しないデジタルカメラだった。目で確認できない瞬間を切り取るのは、写真撮影最大の醍醐味である。とくに、連写の高速化が決定的瞬間を捉える確立を飛躍的に高めた。

カワセミは20代、アカショウビンとシマフクロウは30代のフィルム作品、バシリスクは50代後半のデジタル作品である。デジタルカメラの高性能化が、写真に対する意欲をより高めてくれた。60歳を目前にして、今、写真がおもしろくてしょうがない。

嶋田 忠 (しまだ ただし)

1949年、埼玉県大井村(現ふじみ野市)に生まれる。武蔵野の自然の中で野鳥とともに過ごす。日本大学農獣医学部卒業後、動物雑誌「アニマ」(平凡社)創刊に参加。以後、野鳥を中心に独自の写真世界を開拓する。1980年、北海道千歳市へ移住。1993年より7年間、テレビ朝日・ニュースステーション特集「嶋田忠の野生の瞬間」シリーズのため、海外で映像作品を制作。2000年より、NHKの自然番組をハイビジョンにて制作。最近は北海道を中心に、海外の極楽鳥など、熱帯雨林の生きものもデジタルカメラで撮影している。2014年12月、千歳市蘭越に常設ギャラリー、嶋田忠ネイチャーフォトギャラリーを開館。日本写真家協会、日本写真協会、日本鳥学会、日本野鳥の会、日本鳥類保護連盟会員。

●写真集・写真絵本

「カワセミ 清流に翔ぶ」「火の鳥 アカショウビン」「炎のカムイ」「鳥 野生の瞬間」「鳥のいる風景」「森に生きる」「ウトナイの鳥」「カムイの夜 シマフクロウ」「闇のカムイ シマフクロウ」「北の野鳥」「鳥のいる風景 水と原野」「バシリスク 水上を走る忍者トカゲ」「カワセミ 青い鳥見つけた」「アカショウビン 火の鳥に出会った」「アカゲラ キツツキの森へ」「モズ 不思議なわすれもの」「シジュウカラ 庭にくる小鳥」など多数。

●写真作品の受賞

太陽賞、日本写真協会新人賞、日本鳥学会特別表彰、日本写真協会年度賞、日本絵本賞大賞など。

●映像作品の受賞

国際放送広告(IBA)賞、アメリカ国際フィルム・ビデオフェスティバル自然部門グランプリ、アジア・テレビ祭自然番組部門最優秀賞など。

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