"S"の記憶

79

会期 : 2012.9.28 - 2012.11.6

第79回展 小林 紀晴 
「遠くから来た舟」

20代の多くの時間をアジアを旅することに費やしていた小林紀晴氏は、その反動からか、30代半ばから日本を旅するようになった。
本展では、小林氏が日本全国の聖地を渡り歩き、各地に連綿として伝わる祭りや神事を記録した作品68点を展示。沖縄県宮古島で悪霊払いの伝統行事に現れる「バーントゥ」や、小林氏の郷里である諏訪御柱祭の「木落し」「建御柱」の様子など、祭りを通じて日本人の心の奥底に内在する原風景を表現。

  • 遠くから来た舟

    つぶろさし

  • 遠くから来た舟

    道ゆき

  • 遠くから来た舟

    御柱祭

  • 遠くから来た舟

    小袋石

  • 遠くから来た舟
  • 遠くから来た舟
  • 遠くから来た舟
  • 遠くから来た舟
  • 遠くから来た舟
  • 遠くから来た舟

作家メッセージ

私は20代の多くの時間を、アジアを旅することに費やしました。そして30代半ばから頻繁に日本を旅するようになりました。海外ばかりに眼が向いていた反動からか、それまでほとんど訪れたことのなかった日本の聖なる地を旅したくなったのです。
できれば過去の時間や、過去の人を写真に撮れないかと考えました。遠い日本の姿です。アジアの各地で触れた信仰や神事のなかに、古くから受け継がれた「けっして揺るがないもの」を目にしたからです。さらに自分が生まれ育った長野県諏訪で千数百年前から行われている御柱祭の存在が、大きく影響しています。人にとって原風景とは何であるか、に興味があるからです。

断続的に日本の各地に古くから伝わる祭り、聖地などを訪れました。神と人との交流、親から子への体験と記憶の積み重ねといったものが、個人にとって特別なものになっていくさまを目の当たりにしました。祭や神事にたずさわる人の所作、声、表情のなかに古代を垣間見ました。古代人の意思や感情が、現代を生きる人々の精神に脈々と受け継がれていました。それらはアジアで感じたものと同質でした。
私たちは一艘の舟に乗り、遠い過去から未来に向かう航海の途中にあるのかもしれません。

小林 紀晴 (こばやし きせい)

1968年長野県生まれ。
東京工芸大学短期大学部写真科卒業。アジアを多く旅し作品を制作する。2000-2002年渡米(N.Y)。『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞受賞。
写真集、著書に『ASIAN JAPANESE』(情報センター出版局 1995年)、『homeland』(NTT出版 1999年)、『days new york』(平凡社 2003年)、『SUWA』(アクセスパブリッシング 2005年)、『父の感触』(文藝春秋 2007年)、『はなはねに』(情報センター出版局 2008年)、『昨日みたバスに乗って』(講談社 2009年)、『写真と生活』(リブロアルテ 2011年)など多数。
『メモワール 写真家・古屋誠一との二十一年』(2012年12月・集英社より刊行予定)

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