"S"の記憶

86

会期 : 2013.5.30 - 2013.7.1
キヤノンギャラリー S 10周年記念展 第2部

第86回展 淺井 愼平 
「SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011 - 2013
HŌBŌ 星の片隅」

「キヤノンギャラリー S 10周年記念展」の第2部、淺井愼平氏の写真展。かつて淺井氏は、旅で出合ったものをカメラで記憶し、その写真に"渡り歩く者"を意味する「HŌBŌ」と名付け、写真集にまとめた。本展も、その写真集と同様に、普段見過ごされがちな被写体、すなわち「星の片隅」にあって、淺井氏によって発見され、写真として定着したものが集められている。そして、そこには、氏が何を見て、何に惹かれたかが如実に写り込んでいる。

  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅
  • 10周年記念展 第2部 SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 2011-2013 HŌBŌ 星の片隅

作家メッセージ

鉱物少年だった
タイフーンの過ぎ去った後
月吉という名の田園を化石を捜して彷徨った
激しい雨が
晒していった地層に眼を凝らした
ビカリアという巻貝が
半透明な石になって露呈していた
億年という月日は動物を鉱物に変えた
少年は―あゝ―とこころの中で呟く
見えるものの向うにある見えない永遠
蒐集に必要なのは
知性と叙情と狂気だと思った
石を投げれば星になると知った
それはそのまま
写真を撮るときの考えに繋がった
やがて鉱物少年は写真家になった

少年の頃水晶やアンモナイトや
見知らぬ石を
ポケットに入れたように
この星の情景を
暗箱に詰めて東京に帰った
写真家は―あゝ―とこころの中でまた呟く
そして幾度かのタイフーンが
過ぎ去った後
「星の片隅」の写真を並べた画廊に
一人立って思うのだ
夏は終り
もう秋だ と。

淺井 愼平 (あさい しんぺい)

1937年愛知県生まれ。
早稲田大学在学中より映画製作に従事。1966年ビートルズのオフィシャル・カメラマンに抜擢され、デビュー。広告写真や雑誌などを中心に活躍。一方で文芸、音楽、映画、工芸、テレビなどの表現分野でも活動を続ける。小説『セントラルアパート物語』(集英社 1997年)、写真集『HŌBŌ-SHIMPEI'S GEOGRAPHIC 1964-1997』(PHP研究所 1997年)など著書多数

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