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開発者に訊く、imagePROGRAF PRO-1000誕生の背景とコンセプト

キヤノン初、A2対応デスクトップ型インクジェットプリンター「imagePROGRAF PRO-1000」。それは、「PIXUS PRO LINE」と「imagePROGRAF」という、キヤノンの二つのブランドの総力を結集した新しいモデル。革新の画質と生産性を妥協なく実現させた開発者たちの想いとは。

01 市場のニーズが生んだA2プリンター 商品企画 森川靖大

― 開発のコンセプトを教えてください。

「imagePROGRAF PRO-1000」は、大判インクジェットプリンターの「imagePROGRAF」と"写真作品専用設計"による卓越した画質を誇る「PIXUS PRO LINE」の、両方の流れを受け継ぐプリンターです。A2という"大判"で「PIXUS PRO LINE」から受け継ぐ"高画質"でのプリントを実現しています。なぜA2なのかというと、プロのフォトグラファーが高精細な写真をプリントして展示するといったシーンで、A3より大きなA2サイズを求めるケースが増えているからです。デジタルカメラの高画素化が進む中で、大きなサイズでプリントするハードルが低くなっているのです。

imagePROGRAF PRO-1000

― 大判に対するニーズが高まっているんですね。

はい。その一方で、「imagePROGRAF」が担う大判インクジェットプリンターの市場にも変化が生じています。デザイン事務所や建築設計事務所などで、出力見本やCAD図面などの印刷に使われるこの分野では、高画質はもちろんのこと、印刷速度や信頼性といったビジネス用途ならではの高い"生産性"も求められます。その中で、大判での出力はもちろん、A3やA4などの小さなサイズでも出力したいといった、より高い汎用性を求める声が高まっているのです。 "より大きく"と"より小さく"。どちらのユーザーにも満足していただけるモデルの提供をゴールとして、「imagePROGRAF PRO-1000」の開発が始まりました。

02 さらなる画質向上のための新インク LUCIA PRO インク開発 岡崎秀一

― 高画質と生産性を両立するには、どんな課題があったんですか?

「PIXUS PRO LINE」の高画質と、「imagePROGRAF」の高い生産性を両立することは、容易ではありませんでした。写真家をはじめ、グラフィックアートやデザイン事務所など、さまざまなジャンルのプロフェッショナルがビジネスで使うことを前提としているだけに、求められる性能は非常に高いものです。まずは、これまで以上の高画質を実現するために、インクを一から見直しました。

顔料インク「LUCIA PRO」

― 特にこだわった点はどこですか?

黒です。黒は他の色と違って可視光全域の光を吸収する性質があります。その際に余分な反射をいかに抑えるかが難しい。インクの液体としての色特性だけでなく、用紙に定着した後の色材層の顔料粒子の大きさや形状、配置が揃っていないと余分な反射が生じて白っぽく見えてしまいます。そこで、材料を粒子レベルから研究し直すとともに、溶剤などの組成を最適化。結果、新たに顔料インク「LUCIA PRO」が誕生しました。
黒がより黒くなり、従来よりも最大で20%の色再現領域が拡大しています。ただ、インクの性能が上がるということは、それを使いこなすための課題が増えるということでもありました。

03 高画質と高生産性を実現するための、新プリントヘッド