PRO's PRO Voiceグラフィック/写真/デザイン Vol.01

約5000万画素のEOS 5Dsでも新フラッグシップのEOS-1D X Mark IIでもカメラの真の実力を引き出すプリンター プリンティングディレクター 小島 勉[写真 右]×フォトグラファー 南雲暁彦[写真 左]

これまでとは次元が違うプリンター。

─ 「imagePROGRAF PRO-1000」でプリントした第一印象はどうですか?

小島 これまでのインクジェットプリンターとは次元が違う、それくらいの衝撃を受けました。解像感があって発色も鮮やかだし、シャドーが締まるのにハイライトの抜けもいい。インクが新しくなったことでモノクロの品質もワンランク上がったし、顔料のウイークポイントとされていた光沢感、透明感が出るようになった。これまで目的に応じて染料機と顔料機を使い分けていましたが、これからは1台ですべてカバーできるような気がします。

南雲 僕はカメラの性能をギリギリまで引き出すような撮影をよくやるのですが、そうやってチャンピオンデータとして撮ったものを、チャンピオンデータとしてアウトプットできるものがついに出てきたという印象です。最近カメラが高画素化してA2サイズでも耐えられるようになったということもありますが、このプリンターは大きさも含めて、撮影の時に感じた感動がそのまま出てくる。これこそ、あの時見た景色だよ! という興奮を覚えます。

写真:撮影時の機材はEOS 5DsとEF35mm F1.4L II USMを使用。Print Studio Pro経由で出力したimagePROGRAF PRO-1000のプリントを複写して掲載。撮影時の機材はEOS 5DsとEF35mm F1.4L II USMを使用。「Print Studio Pro」経由で出力した「imagePROGRAF PRO-1000」のプリントを複写して掲載。

─ 今回プリントした写真はどんなカメラで撮影していますか?

南雲 小島さんには10枚くらいA2で出力してもらいましたが、そのうちギリシアのザキントス島の写真はEOS 5DsにEF35mm F1.4L II USMをつけて撮っています(写真上)。約5000万画素のカメラとすごいキレ味のレンズの組み合せですが、自分でもここまでの大きさで見たのは初めてで、驚愕しました。ディテ−ル描写や立体感、水の透明感など、肉眼でもこんなに見えていたかな、と思うほど。

小島 解像感はすごいですよね。でもソフトウエアでシャープネスを上げているわけではなくて、プリントプラグインソフト「Print Studio Pro」の新機能、コントラストリプロダクションをオンにしているだけです。

南雲 僕も、現像の時に「ディテール重視」のピクチャースタイルを選んで、シャープネスを細かく設定しただけで、それ以外は何もやっていません。

imagePROGRAF PRO-1000/EOS 5Ds/EOS-1D X Mark II「imagePROGRAF PRO-1000」の実力を検証するために、EOS 5DsとEOS-1D X Mark IIで撮影した画像データを用意。

─ それでもこんなにシャープなプリントができるんですね。
コントラストリプロダクションをオフにしたものも拝見しましたが、たしかに鮮鋭感は違いますね。

小島 この機能は擬似的にシャープネスを作り出すものではなく、画像が本来持っている鮮鋭感を忠実に再現するそうです。メーカーの味付けでないところはとても好感が持てました。もちろん、すべての画像に対して有効ではないでしょうが、高画素カメラに相応しいプリンターであることは間違いないと思います。

南雲 そもそも今回使ったレンズのキレ味も、この見事なプリントの要因の一つだと思うんですが、入力から出力まで一気通貫でシステムを組めるキヤノンならではの強みを感じます。

黒がすごく締まるし、彩度の高い赤が表現できる。

─ そのほかプリントした写真についてはいかがですか?

南雲 2月に発表されたばかりのEOS-1D X Mark IIの画像もプリントしてもらいました(写真下)。画素数は約2000万画素とEOS 5Dsより少ないんですが、そのぶん1画素あたりのサイズが大きいので、データの質は高い。黒がすごく締まるし、彩度の高い赤が表現できるんです。「imagePROGRAF PRO-1000」でもそれがしっかり表現できていたのは嬉しいですね。

小島 微粒面光沢用紙で出力したので、そのせいもあるんでしょうが、赤い衣装の光沢感や素材感がよく出ています。

南雲 シャドーから立ち上がるグラデーションがきれいで、ノイズが乗っていない。今回の1D X Mark IIで特筆すべきなのはシャドー部の美しさなんですが、それは「imagePROGRAF PRO-1000」も同じですね。

小島 今までの顔料プリンターだとシャドー部が急に落ち込んだり、暗部のトーンのつながりが悪くなったりしますが、そういう心配は全く必要ないですね。

写真:EOS-1D X Mark IIで撮影し、imagePROGRAF PRO-1000で出力したプリントEOS-1D X Mark IIで撮影し、「imagePROGRAF PRO-1000」で出力したプリント。
元の画像データが約2000万画素とは思えないほどプリントのクオリティーは高い。

─ 同じ12色顔料インクの「PIXUS PRO-1」と比べてどうですか?

小島 新インクのおかげで全体に色域が拡大していますが、「PIXUS PRO-1」にあったダークグレーに代えて、ブルーを搭載したことが一番大きいと思います。特にブルーバイオレットからレッドの色域が拡大しています。フォトブラックも色材を新たにしたことで、黒の締まり、暗部の表現がさらに向上しています。「imagePROGRAF PRO-1000」のほうがいきいきと躍動感がありますね。

南雲 作品プリントのサイズとしては明らかにA2のほうがいいですね。去年開いた写真展ではA2のプリントを基本的なサイズにして、それにA0を何枚か組み合せたんですが、そういう意味でA2サイズのプリンターはとても使い勝手がいい。

写真:imagePROGRAF PRO-1000とPIXUS PRO-1で出力したプリントを見比べる小島氏(左)と南雲氏(右)。「imagePROGRAF PRO-1000」と「PIXUS PRO-1」で出力したプリントを見比べる小島氏(左)と南雲氏(右)。

小島 プリント時の振動を抑える高剛性シャーシとか、用紙裏面側から吸引して用紙の挙動を抑えるエアーフィーディングシステムとか、大判プリンターで培われた技術が惜しみなく投入されているのがいいですね。プリント中は全く揺れないし、エアーフィーディング以外の音がしないので、とってもラグジュアリーな気分でプリントできます。

小島 勉(こじま・つとむ)

トッパングラフィックコミュニケーションズ第二制作本部 GA部所属、インクジェットによるアートプリント制作(プリマグラフィ)のチーフディレクター。

南雲 暁彦(なぐも・あきひこ)

凸版印刷 トッパンアイデアセンター映像企画部所属、チーフフォトグラファー。海外ロケを得意とし世界中をフィールドに映像制作を行う。

Shuffle by COMMERCIAL PHOTO プリンティングディレクター 小島 勉が語る PRO-1000の実力と使いこなし

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