ユーザーインタビュー

ユーザーインタビュー:先端技術を支える超精密研磨 
株式会社クリスタル光学

創業以来、光学単結晶の研磨技術をベースに発展を続ける株式会社クリスタル光学。2009年4月に完成した京都府の園部町にある京都工場を訪問し、代表取締役社長の桐野茂様と、取締役技術開発部長の桐野宙治様にお話しを伺いました。

常に自分と時代の一歩先を見つめ、オンリーワン企業を目指す

写真:代表取締役社長の桐野茂様-----会社設立時のご苦労をお聞かせ下さい。

まさにガレージカンパニーからの創業でした。独立するまでは、ハンドラップの職人でしたが、自分の会社では職人の技術に頼るやり方はやめて、一流の加工機と測定機を使い製品の精度を維持し、加工品質を高めていこうと思いました。思いました。 最初の高価な投資は、エンギス社のラップ盤でした。資金がないので研磨盤は自分で作ったり、大きめの旋盤を買って小さな部品まで対応できるよう改造したりと様々な工夫を重ねました。
また、当時から有名な計測ブランドであった、テーラーホブソン社の表面粗さ計と、ZYGO社の干渉計も借金して購入しました。売上げが数百万の小さな会社が売上の数倍もする計測機を購入するのは考えられないと周囲からは随分と驚かれました。

写真:京都工場内部1

-----今回見学させていただいた、京都工場はどのような位置付けですか?

「常に自分と時代の一歩先を見つめる」という社訓のもと、大型機械部品加工の一貫生産に対応する最新鋭設備を整える生産拠点として建設しました。8m×4mの加工サイズに対応したマシンニング加工機、平面研削盤、そして世界最大級の三次元測定機はその目玉となる装置です。新工場建設は、リーマンショックの影響で多くの企業が巨額の投資に二の足を踏んでいる時期でしたが、世間が躊躇している時にこそ一歩先にいくことがオンリーワン企業であると信じこの先行投資を決断しました。

写真:京都工場内部2

一歩先という意味では、この京都工場は世界初の全館LED照明を採用した環境配慮型モデル工場としました。建設時高価であったLEDが今では半額以下と、少し悔しい面もあるのですが(笑)。最近の製造業は多少早いくらいでないと儲からないものです。また、このLED照明器具は、自社でのアセンブリと販売も行っています。

ZYGOを初めとした一流の機器の導入には大きなメリットがあります

写真:京都工場内部3

-----ZYGO干渉計を導入された背景をお聞かせください。

職人の時代から、単結晶の研磨には自信がありましたが、その面精度をお客さまに証明するには、どうしてもレーザー干渉計が必要でした。
既に国内メーカーの干渉計も購入できましたが、やはりZYGOブランドへの強いこだわりがありました。前職の会社では、なかなか計測機を買ってもらえませんでしたので、その反動もあったのかも知れませんね(笑)。

写真:工場内Zygo計測風景1-----計測機はお金を生まないので、投資に消極的なお客さんも多いですが?

そのようなことはないはずです。名のある、できれば一流の測定機がないと仕事そのものが来ないとも考えています。どんなに上手く磨いても、それを計測したデータがないとその精度を証明できないわけです。

写真:工場内Zygo計測風景2

お客様は信頼できるデータが欲しいはずです。仮にそのデータが知られていない計測機のものだと、お客様はデータを参考にはするけれど、受け入れとして再検査することが殆どです。お客様にとってもそれは大きな手間となります。ZYGOのような一流の計測機のデータであれば、そのまま製品の品質を信用していただくことができ、営業もし易いというのが本当のところです。

産学連携のプロジェクトへの積極参加、技術集団としてのレベルも高めていきたい

インタビュー風景-----宙治部長には、昨年のセミナーにてご発表いただきありがとうございました。

Zygo Metrologyセミナーでの登壇は、ひとりの技術者として非常に充実した良い経験となりました。新エネルギー・産業総合開発機構(NEDO)の希少金属代替材料開発プロジェクトでご一緒させていただいている立命館大学の谷教授や、Zygo社 CEOのコリオポリス博士といった著名な方々に向けてスピーチできたことも幸せです。
本年度会社より博士号の学位も取得させていただき、今回のセミナーではクリスタル光学の開発部門責任者という立場でありながら、新しく導入したZygo NewView7200とVeriFire- ATZのデータをもとにかなりオープンに弊社の加工技術を紹介させていただきました(笑)。

京都工場内部4

-----産学連携プロジェクト、人材育成も重要なテーマであると伺いましたが?

今後も産学の協同事業へは、積極的に参加していきたいと考えています。現在NEDOをはじめ2件のプロジェクトに参加しています。補助金をいただいて研究できるというメリットもありますが、我々のような事業規模の会社が、著名な大学の先生方と良好な関係を築き、国家プロジェクトの一員として研究開発が行えることが嬉しいです。製造業というビジネスにおいて、技術面での自信にもつながっています。

写真:工場内Zygo計測風景3

また、社内の人材育成も大事なテーマです。1年程前から、毎週様々なテーマでの社内勉強会、講座を開いています。「ZYGO干渉計の賢い使い方」もそのひとつです。社員全体のレベルアップは勿論ですが、基本的に講師となるのは従業員であるため、担当講師が率先して勉強し成長してくことが狙いです。

海外には移せない、国内工場としての強みを生かしていきたい

写真:京都工場内部5

-----最後に、今後の事業展開をお聞かせ下さい。

中国や東南アジアではできない仕事を日本の工場として残していきたいと考えています。一つは、航空宇宙機器、医療機器の関連部品を製造する工場としての資格の取得です。
付加価値の高いものつくりのためには請負ではなく、大手のメーカーと直接取引をすることが重要だと考えます。そのためには、自社の工場が認められることが必要です。航空宇宙品質マネジメントJISQ9100認証取得はその一歩と位置付けます。

写真:加工品サンプル

医療関係では、今後も需要が見込まれる人工関節の加工に興味があります。他に光学結晶やアルミだけでなく、加工が難しいとされているダイヤモンドやCFRP等の複合材料、更には複雑形状に対応する技術も高めて行かねばなりません。
今後ますます、一企業単独でできる仕事、設備導入も限られてきますので、公的資金の活用や、他社との連携の強化も行っていきます。

ユーザープロフィール

株式会社クリスタル光学

設立
1985年4月
代表
桐野茂
事業内容
超精密研磨、超精密研削、LED照明器具製造販売
本社所在地
大津市今堅田3-4-25
電話
077-573-2288
コーポレートサイト
http://www.crystal-opt.co.jp/夏目光学株式会社のサイトへ
メモ
経済産業省 元気なモノ作り 中小企業300社 選定企業

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