ニュースリリース

2007年9月5日

写真展開催のご案内
岩橋崇至写真展「ロックガーデン」



キヤノンマーケティングジャパン株式会社(社長:村瀬治男)は、キヤノン S タワー1階キヤノンギャラリー S において、9月28日より岩橋崇至写真展「ロックガーデン」を開催します。

岩橋崇至
©岩橋崇至

この件に関するお問い合わせ先

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
キヤノンギャラリー S
TEL 03-6719-9021



■概要

開催期間2007年9月28日(金)~10月29日(月)
開館時間10時~17時30分
休館日日曜日・祝日
会場キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー S
アクセスJR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
入場料無料

■ご案内

本展は、山岳写真家の岩橋崇至氏による作品展です。岩橋氏は、北アルプスや北海道の山々、北米大陸を縦断するロッキー山脈、中国と北朝鮮の国境地帯にそびえる白頭山など、国内外の山岳を中心に自然風景を撮り続けています。氏は「大地の写人」と称され、地球の表情をそのまま写し撮る手法に定評があります。

このほど展示する写真は、アメリカ中西部に広がるコロラド高原(コロラドプラトー)の荒涼とした景観をとらえたものです。ごつごつした岩と砂漠で成り立つこの一帯は、億単位の長い年月をかけて繰り返された岩盤の隆起やコロラド川による侵食の結果、グランドキャニオンやモニュメントバレーといったアメリカを代表する名勝の数々が形成されました。度重なる地殻変動が作り出したテーブル状の台地や峡谷、天然の岩柱・岩橋は、その形の特異さから多くの人々の心を魅了しています。荒々しくも神秘的な自然美を備えた自然のモニュメントの数々を、岩橋氏が迫力ある作品に仕上げました。

なお、展示作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」で出力します。

■ギャラリートークの開催

展示会場で、出品者の岩橋崇至氏が自身の作品を1点1点解説します。絞り値やシャッタースピードなど撮影時のカメラ設定、今回初めて挑戦したデジタルカメラの使用感、撮影現場での体験や苦労話、グランドサークルに対する思いなど、岩橋氏が自由に語ります。

日時2007年10月13日(土)13時30分~15時
会場キヤノン S タワー1階 キヤノンギャラリー S
参加費無料
事前申込不要

■岩橋氏メッセージ

岩と砂漠で成り立つグランドサークルとの出会いは1988年、アラスカからメキシコまで、ロッキー山脈を4年かけて撮影しているときであった。コロラド川に沿った一帯に、島国・日本では決して見られない荒涼とした砂漠地帯(デザート)が広がっていた。
コロラドプラトーと呼ばれるこの広大な台地は、ユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコの各州にまたがっており、地球の歴史が直接見られる場所である。数十億年という気の遠くなるような長い年月の間に、コロラドプラトーではさまざまな変動を体験した。海が隆起して陸になる。巨木の森が生まれる。恐竜が闊歩する。火山の大爆発で森が火山灰に埋もれる。海底に沈む。そして再び隆起して、地表へと現れる。
イエローストーンを源流とするコロラド川はアメリカ中西部を南下しながら、アーチ-ズ、キャニオンランズ、パウエル湖、グランドキャニオンなどを形成していった。
数十億年の堆積は厚い地層を何層にも重ね合わせる。陸がぶつかり合って地層が褶曲する。新陳代謝の激しい日本の自然とは異なり、デザートにあるモニュメントは、変動をそのまま何億年もさらし続ける。
コロラドプラトーの代表的な岩がナバホサンドストーンと呼ばれる赤茶けた砂岩である。モニュメントバレーの台地状岩峰(メサ)や、尖峰(ビュート)の姿を見た者は個性豊かなその姿を忘れることはないだろう。ピンククリフと呼ばれる地層は、ブライスキャニオンの岩塔(フードゥー)となり、豪快かつ微妙で繊細な姿を見せる。
コロラド川の激流に洗われた地層は風化されて天然のブリッジ、アーチーズを形づくる。下流では岩峰群がメイズと呼ばれる複雑に入り組んだ地形をつくる。さらに下流では、約350キロメートルにわたって台地を浸食し、大峡谷・グランドキャニオンとなる。岩をうがつ急流は台地を深く深く浸食し、高度差が1500メートルに及ぶ所もある。削りとられた地層は、十数億年の断面をさらけ出す。
世界中からこの風景を見にやって来るが、多くは壮大な景色のほんの一部を垣間見るに過ぎない。人里離れたさらに奥に、まだ知られざる場所がある。オフロードを4WDの車で入り、砂に足を取られながら灼熱の太陽の下、数時間歩いてやっと辿りつける場所だ。
砂漠地帯をめぐりながら、私は日本の石庭を思いだしていた。小さな庭園が、大宇宙の広がりを表す。乾燥しきった砂漠地帯の透明感あふれる大気は、遠近感を奪う。大きさも遠近感も喪失した風景は、時空を超え、さまざまな世界、宇宙を我々に見せてくれる。

なお、アメリカでの取材にあたりましては、下記の方々に、多大なご協力をいただきましたことをここに記し、感謝申し上げます。

撮影協力
アメリカ大使館
Bureau of Land Management, Department of the Interior
トヨタ自動車株式会社
Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.

■プロフィール

岩橋崇至(いわはし たかし)
山岳写真家。
1944年東京生まれ。
慶應義塾大学卒。日本大学芸術学部写真学科卒。
日本および世界の山々や自然、遺跡を撮影。国内外の80カ所以上で、岩橋崇至写真展を開催。
1993年より、相模原市市民文化祭審査員。「日本山岳写真集団の写真セミナー」(年3~4回)開催。韓国の大田EXPO'93で行われた「白頭山」展では50万人が入場。
1994年より、山形県大江町「ぐるっと大江の四季写真コンテスト」審査員。
1994年~2006年、全米各地で「The Rockies」巡回写真展を開催。
1997年より、「岩橋崇至写真自然塾」主宰。富山県「立山カルデラ砂防博物館展示アドバイザー」委嘱。
1998年より、加賀市市制40周年記念深田久弥「日本百名山」写真コンテスト審査員。
1999年より、全国生涯学習フェスティバル「まなびピアフォトコンテスト」審査員。「山を愛する写真家たち」(東京都写真美術館)に出展。
1999年~2003年、文部科学省「子どもと話そう」全国キャンペーン協賛事業「岩橋崇至 山の世界」写真展を、東京・三越美術館を皮切りに全国で展開。
2000年、「21世紀に残したい自然」展(日本写真協会)に出展。
2000年~2001年、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、日本で開かれた「新世紀を拓く/世界10人の山の写真家展」に日本からただ1人選ばれる。
2004年より、沖縄・山形・北海道ほかで「子ども写真教室」の講師。
2006年5月、ジョージア州ベリー大学へ「The Rockies」作品全70点を寄贈。
日本山岳写真集団代表。日本写真協会会員。日本写真芸術学会会員。
日本山岳会会員。日本黒部学会会員。

著書に『北ぐにの山々 ―カムイの詩がきこえる』(月刊さつき研究社 1983年)、『黒部渓谷』(山と溪谷社 1987年)、『The Rockies ―アラスカからメキシコまで』(ぎょうせい 1992年)、『白頭山』(日朝友好資料センター 1993年)、『槍 穂高』(山と渓谷社 1999年)、『北アルプス大百科』(阪急コミュニケーションズ 2000年)ほか、海外5カ国で出版。共著多数。

岩橋崇至ホームページ http://www.iwahashitakashi.com

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