ニュースリリース

2008年4月16日

被検者にやさしい無散瞳型デジタル眼底カメラを発売
少ないフラッシュ光量で高画質な眼底撮影が行える“CR-1”



キヤノンは、散瞳剤を使用しない無散瞳型デジタル眼底カメラの新製品として、従来システムの約1/3のフラッシュ光量で高画質な検査用画像が撮影できる“キヤノン CR-1”を6月上旬より発売します。

「EOS 20D」と組み合わせて使用することが可能な従来機種「CR-DGi」と比較した場合。

デジタル眼底カメラ CR-1
デジタル眼底カメラ CR-1
別売の「EOS 40D」と「外部固視灯EL-1」装着時

キヤノン デジタル眼底カメラ CR-1‥‥価格(税別) 280万円(発売日:2008年6月上旬)

● 医療機器ホームページへ

この件に関するお問い合わせ先

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
眼科機器営業部 眼科機器販売推進課
TEL 03-3740-3420(直通)



新製品は、新たに開発した高性能なレンズ群を搭載することにより、有効画素数約1,010万画素のデジタル一眼レフカメラ「EOS 40D」(別売)と組み合わせて、45°の画角で眼底撮影が行えます。
「EOS 40D」のノイズ処理能力を活用し、従来システムと比較した場合に、通常モードでは約1/3、低光量モードでは約1/6という少ないフラッシュ光量で高画質な画像が得られます。これにより、発光による眩しさを抑えた被検者の負荷軽減と、瞳の収縮を低減した正確でスピーディーな両眼撮影を実現します。
また、新開発の短焦点レンズを採用することにより、ボディをスリム化しているため、被検者の視診や開瞼もスムーズに行うことができます。さらに、手元の操作パネルを照らすライトを標準で装備しているほか、あご受け台の高さ調整も電動化するなど、使い勝手も向上しました。

そのほか、パソコンとの連携によりスムーズなオペレーションを可能にするソフトウエアを付属しているほか、診断の効率化に役立つ医用画像通信の標準規格DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)に準拠した数多くの通信機能も備えています。

「EOS 20D」と組み合わせて使用することが可能な従来機種「CR-DGi」と比較した場合。

【市場動向と開発の背景】

画像処理や通信などデジタル技術が急激な進歩を遂げる中、正確で迅速な処置が求められる医療機関においては、患者の医療データを効率良く一元管理できる電子カルテや、ネットワークを介した遠隔診断システムの導入など、さまざまな分野においてデジタル化が進んでいます。眼底カメラも医療機関のデジタル化に対応するために、デジタル眼底カメラの普及率が徐々に高まりつつあり、その市場が形成される中で、ユーザーからはデジタルならではの利便性と高画質の両立が強く求められています。
新製品“CR-1”は、デジタルカメラの特長である幅広いダイナミックレンジを活用して、より少ないフラッシュ光量で高画質な眼底撮影を可能にした無散瞳型デジタル眼底カメラです。
キヤノンは、独自のイメージング技術を活用した医療診断機器と、これらの製品を核とするソリューションを市場に提供することで、診断業務の円滑な遂行とそれに伴う各種疾患の早期発見に貢献して行きたいと考えています。

【眼底検査の目的】

眼底とは、目の奥の網膜や血管などがある部位のことで、全身の中で、唯一、直接血管を見ることができます。眼底カメラは、眼底血管の走行状態や出血の有無、網膜の状態など眼底画像の記録に広く用いられ、多岐にわたる眼科疾患の診断に役立っています。
また、眼底の診察結果から全身の血管の状態を推測し、高血圧や動脈硬化の進行、糖尿病などの全身疾患を発見する手がかりを得ることができるため、生活習慣病健診にも眼底カメラは活躍しています。

先進諸国での失明原因の上位は、加齢性黄斑変性、緑内障、糖尿病性網膜症です。加齢性黄斑変性、緑内障は、加齢とともに発症の可能性が高くなります。今後、老齢人口が急増すると推定される中、これら疾病の予防のため、眼底カメラが活躍する機会はさらに増えるものと予想されます。
また、糖尿病患者も年々増加する傾向にあり、国内だけで糖尿病が疑われる人の推計は740万人(出典:平成14年厚生労働省発表資料)を超えており、糖尿病の合併症の一つである網膜症の検査において、眼底カメラがますます注目されています。

このページのトップへ
戻る