節電コンシェルジュサービス開発秘話

キヤノンマーケティングジャパンが自社オフィスを4割省エネした取り組みをサービス化!!

現場は宝の山だった

キヤノンマーケティングジャパン株式会社の本社ビル“キヤノン S タワー”は、2003年に竣工し、当時の最先端技術を集めた省エネビル。ベンチマークと比較し、エネルギー消費量が10%以上少ない省エネ設計が特長だ。
しかし、その高い機能に頼ることなく、私達は「乾いた雑巾を絞る」ごとく省エネを開始。
2008年から5年間で、運用改善だけで40%のエネルギーを削減。
竣工した2003年から数えると43.1%の省エネを達成した。もともと10%以上も省エネビルなので、それを足すとキヤノン S タワーは50%以上も地球に優しいビルとなったのである。

この活動は、2006年に私が品川総務課長としてこのビルに着任し、「省エネビルでもできることがあるのではないか」と疑問を感じたことがきっかけとなって始まった。
そこで、まずキヤノン S タワーの地下4階から28階まですべてのフロアーを歩いてみた。
結構しんどかった。だけど、現場にはさまざまな気づきの素があった。もう一度、そしてもう一度、地下4階から28階まで歩いてみた。すると、問題がゾロゾロと出てきた。
現場のエネルギー使用状況をチェックし、その結果を表やグラフで表し、“見える化”を行った。このデータを総務とビル管理会社で共有し、そこで浮き彫りになった問題点の解決策を検討し、根気強く改善を続けていった。
問題点を整理し、失敗や苦情を恐れず、諦めず、気づいたことを一つ一つ愚直に積み上げていくと、思いもよらぬ結果となった。
大幅な“省エネ”。
そして“コストダウン”というおまけまでついてきた。
まさに、現場は宝の山だった。

省エネによるコストダウン その経営的意味

私たちが中心となって手掛けてきた数々の地道な省エネ施策は、2008年から3年間で1億円以上、2003年の竣工から累積で約2億3千万円のコスト削減を達成し、経営への貢献に大きく資することができました。

会社の規模もビルも大きいからこそ、キヤノン S タワーのような数値を出せた。中小企業ならそうはいかないという見方もあります。しかし、もともとキヤノン S タワーはとてつもない省エネビル。「乾いた雑巾を絞っても何も出てこない」と言われていました。それでも結果を出すことができました。
どの会社でも、どの施設であろうとも、行動すれば成果を出せるはず。面積がキヤノン S タワーの一割程度だったとしても、社員一人分の給与を捻出することは可能です。挑戦する価値は十分あります。

活動の原動力は「顧客主語」の姿勢

省エネ活動は、今や企業のCSRの柱であり、大きな課題と言えます。しかし私がここまで省エネや節電に注力する理由は、それだけではなく、背景には「顧客主語」の思いがあります。「顧客主語」は、「お客さまの立場で考え、行動する」という弊社の行動指針であり、弊社では、営業部門やサービス部門などが常にステークホルダーに対して心掛けていることです。しかしながら、総務などの内勤者は外部の人との接触が多くありません。では、外部の人と接触が少ない総務の顧客とは誰だろう。それは、社内で働く社員である。そして社員の向こうにはお客さまがいらっしゃる。だから、社員がより安全で働きやすい職場環境作りに尽力したい。そのために、「この人のために何ができるか」を常に考え行動してきました。

この考え方は社員以外の人に対しても同様でした。キヤノン S タワーには受付、警備、ビル管理会社など10社以上の協力会社のスタッフが働いています。私たち総務はこれらの会社と毎月一回、意見交換の時間を設けていました。大変な作業だけど、ここから大切なことが見えてきます。
そして問題点が見つかれば、解決に向けてすぐに行動する。これが協力会社のモチベーションを高め、業務のパフォーマンス向上につながっていきました。彼らは私たちでは気づかなかった提案をしてくれることも多く、すごく刺激を受けました。彼らは大切な仲間。各社と本音で話せることがサービス向上につながる。省エネ活動でも、ビル管理会社とコミュニケーションや情報交換を密にして信頼関係を築きながら、さまざまな施策を進めていきました。

また「守り(管理)から攻め(事業支援)の総務本部へ」というスローガンも総務の活動の核になっています。 これは、裏方にとどまらず、いかに現場の役に立つかを考えながら、会社の発展に積極的に寄与していこうというものです。私は上司からこの言葉を聴き、琴線が振れ、「これだ!」と思い、うちの課の“スローガン”にしました。

事業支援の一環として、省エネに関する講演やキヤノン S タワーのオフィスを紹介する“オフィスツアー”も積極的に行いました。一般的に、オフィスで使用する資材の調達は総務部門が窓口になっている事が多いため、他社の総務とのパイプを増やすことで、巡り巡って事業支援につながる可能性も視野に入れていました。
オフィスツアーではいいところばかりでなく「ここがまだうまくいかない」「これは失敗でした」など、マイナス要素も隠さずに紹介しました。参加者は総務担当者が多く、お互いの苦労もわかります。正直に話した方が、より具体的な例として参考にしてもらえるだろうし、相手との距離も縮めることもできる。問題点を口にすることで、参加者から解決方法を教えてもらうこともありました。そこからヒントが生まれ、更なる改善に繋げて行くこともできました。

省エネにとどまらず地球環境も考えた施策を

職場環境や生産活動と、省エネのバランスを取ることは重要な課題です。 何が必要か不要かを見極めエネルギーの使い方にメリハリをつける必要があります。そしてこれからの省エネ・節電は地球環境とリンクさせなければなりません。

個々の活動は小さな活動にすぎませんが、われわれが手掛ける省エネ活動は、実は地球環境にまでつながっています。そう考えるとファイトが湧いてきます。
すべての総務マンが、すべての実務担当者が高い意識を持つと、日本は強くなる。地球環境にももっと貢献ができるでしょう。省エネや地球環境保全の分野では経営者のみならず、現場の力がとても重要です。

省エネ・節電とコストダウンの両立と節電コンシェルジュ

キヤノン S タワーは50%以上も地球環境に優しいビルで、多くのコストダウンも達成しました。私たちが行ってきた省エネ・節電活動は、最小限のコストで最大限の成果を実現したものです。それは、“運用改善”と“見える化”によるものです。
この成果のエキスをとり入れ、私たちの取り組みをサービス化し、少しでも多くの方にお届けしたいという考えのもと、節電ツールである“節電コンシェルジュ”を開発し、ご提供できるようになりました。私たちが提供するサービスが、今後、多くの方のお役にたてればと思っております。
是非、一緒に大きな成果を上げて行きましょう。

設備の運用改善による省エネ対策(一部抜粋)

表彰履歴

2013年3月
省エネ事例発表大会「関東経済産業局長賞」受賞
2011年12月
月刊総務 総務大賞「優秀賞」受賞
2012年1月(社内)
CMJエクセレントアワード「プロフェッショナル賞」受賞
2013年1月
省エネ大賞「省エネルギーセンター長賞」受賞
2013年3月
省エネ設備顕彰「会長特別賞」受賞
2014年5月
空気調和・衛生工学会特別賞「十年賞」受賞

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