全体講評

写真を愛するきもちを、まず何よりも、たたえたい。 第42回 キヤノンフォトコンテスト

全体講評

1万4000点を超える応募数のなかから最終選考に残った作品はおよそ100点。すべての応募作品に目を通された審査員の先生方に講評をいただきました。

応募点数も増え、心惹かれる作品が多く寄せられました。

浅井愼平 先生
浅井愼平 先生

榎並悦子 先生
榎並悦子 先生

坪内隆直 先生
坪内隆直 先生

長倉洋海 先生
長倉洋海 先生

吉野 信 先生
吉野 信 先生

浅井情熱をもって写真に向かっている皆さんのエネルギーを感じることができました。だからこそいい内容、いい結果が出てほしいと思っていました。「よし、おれも写真を撮るぞ!」という気にさせる、写真家として刺激を受けられるような写真に出会いたいという気持ちで審査に臨みました。
写真という表現によって、何ができるのか。写真という表現がこれまで積み上げてきた歴史から考えると、いろんな可能性が残されているはずです。写真には、もっと面白いことができる。そのことにもっと多くの皆さんが気づいてほしいですね。

榎並応募数がたいへん多くて、作品のレベルもさまざま。そういう意味では、今回のキヤノンフォトコンテストは、とても裾野の広いコンテストだったと思います。審査員の個性がそれぞれ強く、作品を評価するポイントも各人各様でした。お互いに意見を主張し、議論を重ねて選ぶことができたのは、貴重な経験でした。 ストイックに撮影技術を突き詰めていくことも写真には大切な要素ですが、それだけが写真ではありません。もっともっと、写真を楽しむ気持ちを大切にしてほしいですね。

坪内すっかりデジタルカメラ主流の時代になりました。カメラとプリンターの性能が高くなり、ちょっとした努力でどなたでも撮りたいように撮れて、作品として仕上げられる時代です。ですから、シャッターを切る瞬間の自分の気持ちを大切にしてほしいと思います。また肖像権などの関係で、アマチュア写真家の皆さんにはプロスポーツの写真を撮るのが難しい環境になってきています。この制約のなかで工夫して撮影した結果、従来のスポーツ写真の概念を超えた写真が出てきています。それが私にはうれしかった。これからも新しい表現に取り組んでいただきたいですね。

長倉上位に入選した作品を改めて拝見すると、ただテクニックで撮ったのではなく、じっくりと撮影に取り組み、仕上げの作業にも時間をかけている印象があります。今回入選できなかった方は、どうすれば次には入選できるのか研究するといいでしょう。まだビギナーの方は、最初は好きな写真家の模倣でもいいと思います。でも、「いつかお手本の写真よりもずっといい写真を撮ってやるんだ!」という意識がすごく大切。僕も若いころ、ロバート・キャパやユージン・スミスなどの作品を見てあこがれていましたが、いつか彼らを超えてやろうという気持ちを強く持ち続けていたのですから。

吉野私自身はネイチャーフォトを専門としているので、ネイチャー部門には期待していましたが、もっと純粋に大自然そのものを対象とした被写体を追求してほしかったという思いがあります。また、作品の最後の仕上げには、ぜひ気を使っていただきたいですね。どんなプリントがいいプリントなのか、それは優れた作品を見てセンスと技術を磨いていくことが近道でしょう。作品のクオリティを高める努力を惜しまず、自分の世界を生み出してほしいですね。ご自分が心から楽むことができれば、自ずといい写真ができていくのではないでしょうか。

(50音順・敬称略)


キヤノンフォトコンテスト

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