キヤノン Xシリーズ 導入事例

XA10:中国新聞公式ウェブサイト 新聞読者会員限定「動画ぼっくす」で年間1,000本以上を出稿

制作者(イメージ)

中国新聞社(広島市中区)は、動画コンテンツを取り入れたメディア展開を図っている。最新ニュースを伝える同社公式ウェブサイトでは、読者会員向けに動画配信を実施。また、動画コンテンツは一部を業務用に販売し、新たなビジネスモデルの創出を狙う。同社のこうした取り組みで活躍しているのが、このほど導入したキヤノン製ファイルベースHDビデオカメラ「XA10」だ。同社は、XA10を使い、動画コンテンツのマルチユースの推進に力を入れる。
(映像新聞 平成23年9月12日号より転載)

取材に対応していただいた各氏。(左から)松元氏、高橋氏、浅海氏、三藤氏

増える動画の出稿

撮影の様子(イメージ)

宮島上空のXA10による撮影の様子

中国新聞のウェブサイトに動画が登場したのは、2007年11月。現在では年間約1,000本を出稿するまでになった。ビデオカメラを配備しているのは、広島、山口、岡山、島根県内の主要拠点20カ所で合計約40台を利用。このうちXA10を5式採用し、今後も導入予定だ。

サイト内のコーナー「動画ぼっくす」では、ニュースおよび企画特集を中心に構成。蓄積された過去のコンテンツも視聴可能だ。視聴対象は、新聞読者会員限定となっている。開設翌年にあたる08年の動画出稿本数は月平均40本強だったが、09年は約60本、10年は約80本と、着実に数を増やす。

これは、支社局を含めて動画取材が定着してきたことや、紙面の連載企画と連動して動画を添えるケースが増えたことなどが要因に挙げられる。昨秋から連載中の重点企画「命のゆりかご~瀬戸内の多様な生態系」は、当初から写真・動画企画と位置付け、貴重な水中映像を交えながら多角的に報じている。同企画は、瀬戸内海の生き物を取り上げた「命」がテーマの自然ドキュメンタリー。XA10はヘリコプターからの空撮取材でも活躍している。

紙面との相乗効果図る

総合編集本部の三藤(みとう)和之副本部長は、動画サイトの狙いを次のように話す。

「われわれ地方紙は、地域に根差した情報を早く分かりやすく伝えることが使命。新聞が機軸であることは今後も変わりませんが、紙面ではカバーできない映像や音を扱い、新聞報道を補うことが最大の狙いです。この取り組みは、当社の大方針である地域の総合メディア企業を目指す一環であり、立体的報道を読者サービスとして提供することにつながります。また、紙面との相乗効果を図りながら、新規購読を促す材料にもなります」

総合メディアの新潮流

ニュース現場でのビデオ撮影は、いわゆる“ペン記者”が行うことが多い。これは、同行するスチルカメラマンがビデオ撮影を兼務することが難しいからだ。ただし企画制作の場合には、スチルカメラマンが両方の役割りを担う。

三藤氏は「ペン記者は本来、取材することが重要任務ですから、ビデオ撮影を義務付けることはありません。しかし、多角的報道をしたいというジャーナリズムから、自発的にビデオを回すという傾向が徐々に増えました。XA10が小型で持ち運びやすい上、オート機能だけでもしっかり撮れるということも、記者が多用するようになった要因です。また、メモ代わりにするなど記者独特の使い方もあるようです」と話す。

ビデオカメラは、記者が従来携行しているICレコーダーやコンパクトデジカメと同じ感覚の道具のようだ。

同社のこうした動きは、新たなメディア展開を見いだした。新聞社は、支社局など取材の活動拠点が多く存在するため、ニュースが発生すれば、記者がいち早く現場に駆けつけることができる。また新聞記者は、初動が早い。そこでビデオカメラがあれば、スクープ映像を収める確率が高められる。同社は、中国地方4県の主な取材拠点と本社を動画専用の回線で直結している。こうした通信インフラは、地方紙では珍しく、動画取材の促進、速報性の確保に大きく貢献している。

このメリットを生かした取り組みが、放送向けの二次利用だ。同社は共同通信社が運営する加盟社放送局向けの映像提供サービス「ギガコン」にスクープ映像などをアップロードし、在京テレビ局のトップニュースでオンエアされたケースもある。

求めた放送品質

撮影ワンシーン1(イメージ)

8月6日にXA10で撮影したワンシーン

総合編集本部映像部長の松元潮氏は、「当初はこだわらなかった画質も、映像の再販など今後の応用範囲拡大の可能性を考えると、地上波にも耐え得る品質が求められます。XA10の導入は、こうした画質への要求と機動力、記者でも扱える操作性をすべて満たすためでもあります。ディレクターカメラとして放送番組にも実績があるビデオカメラが、簡単に使える点も評価しました」と語る。

機能面で活躍する場面の1つに空撮がある。「命のゆりかご」など重点企画コーナーを担当する映像部写真記者の高橋洋史氏は、「ニュース映像としての訴求力を高めるため、わが社は航空取材にも力を入れています。ヘリコプターでの取材は年間100時間を軽く超え、地方紙の中でも特に多いと思います。ただし、ヘリはテレビ局とは違い、ジャイロのような映像撮影用設備がありません。XA10は強力な手振れ補正機能があるので、空撮も可能です。ヘリ搭乗の際は、スチルと合わせて必ずXA10も持って行くようにしています。ムービーのプロではない私でも扱いやすいビデオカメラだと思います」と述べる。

8月6日に行われた広島平和記念公園の式典では、全景撮影にXA10を使用した。式典の撮影は関連会社のメディア中国が担当。メディア部映像チームの浅海晃次氏は、「広角撮影はXA10、寄りはENGで撮りました。広い画角は放送用レンズに匹敵します。編集の際、ENGの映像と見比べても画質に見劣りがないと感じました。オートフォーカスでピントを外さないことも優れた点と言えます。私は、細かい撮影設定をするので、アサインボタンを重宝しています」と述べている。

つまり、記者やスチルカメラマンはオート機能、プロのビデオカメラマンはアサインボタン設定使用と、XA10が幅広い要求に応えていることがうかがえる。

音へのこだわり

同社の品質への姿勢は、音声にも現われている。三藤氏は「取材対象の肉声も大事に考えています。重要人物の記者会見では業務用の外部マイクを使い、音声重視で長めの尺で仕上げることがあります。制約のないネットならではの編集です。ここで重要な役割を果たすのが、XA10に装備されたXLRコネクターです。この装備が実現されている点が、導入の大きなポイントになりました」としている。

今後の展開

同社はPDFで紙面イメージを表示する電子版を発刊(3月)したのに続き、紙面と動画コンテンツのさらなる連携強化を目指す。多メディア展開や商用二次利用など新しいビジネスモデルの展開に、動画が1つのインフラであるととらえる。その中で、今後XA10の導入を促進する計画だ。

中国新聞社:

広島県および近県をカバーするブロック紙「中国新聞」を発行する大手新聞社。
関連企業には、地上はテレビ局の中国放送やCATV局のふれあいチャンネルなどがある。

http://www.chugoku-np.co.jp/index.html中国新聞社サイトへ中国新聞社サイトへ

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