キヤノン Xシリーズ 導入事例

XC10:2017年公開予定映画『ちょっと今から仕事やめてくる』メイキングムービー撮影

渡邊祐示氏(イメージ)

今夏公開し大ヒットを記録したシン・ゴジラで高画質かつ小型で機動性があるということを理由にプロダクションのシネバザールがサブカメラとして4台を導入。運用後の評価も高かったため、2017年初夏公開の映画『ちょっと今から仕事やめてくる』でもメイキングムービー撮影に使用された。同メイキングのディレクターを担当した渡邊祐示氏に、XC10採用の経緯や使用感などについてお話を伺った。

ディレクターを担当した渡邊祐示氏

メイキングで参加することになった経緯を教えてください。

メイキングのお話をいただいたのは、今回の映画『ちょっと今から仕事やめてくる』を監督した成島出監督からでした。私は成島監督の『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(2011年)と『ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判』(2015年)の二作品に助監督として従事させていただいたことがあり、メイキングディレクターを担当させていただくことになりました。

メイキングの撮影が開始されたのはいつ頃ですか?

プロデューサーとの事前打ち合わせの中でクランクインの1ヶ月前から撮影を開始することになりました。
まずはリハーサルやロケハン、カメラテスト、衣裳合わせなど10日間くらいの撮影です。本隊のクランクインは8月2日、国内での撮影が1ヵ月、海外ロケが1週間で移動日などを含めると約1ヵ月半の撮影期間でした。

メイキングのコンセプトなどはありましたか?

成島監督はキャストとシナリオを付き合わせてリハーサルを重ね、腑に落ちるまでシナリオの変更を繰り返しながら丁寧に作品を作ってしていく。キャストとの信頼関係も作品に大きな力となっていると感じていまして、成島監督の「作品が主役」という映画作りのモットーをメイキングに反映したいと思って撮影に臨みました。
本番はもちろんのこと、リハーサルから本番の前後も撮影していたので素材は増える一方でした。撮影しないで後悔するのは嫌だったので編集など後のことを恐れず期待しながら、カメラを回し続けました。

クランクイン後、渡邊氏はとにかく毎日回しっぱなしの撮影に取り組むことになった。これまで助監督をしていた立場では現場優先で行動していたため、いざメイキングを担当してみるとその道ならではの難しさを感じたという。普段とは違う立場で関わることになった撮影で、XC10を選択した理由はなんだったのか。

XC10を採用したきっかけを教えてください。

撮影は当初はシネバザール所有の別の大きな業務用ビデオカメラを使用していました。映像はフルハイビジョンで、外付けのガンマイクもお借りすることができたので撮影条件には合っていましたが、手持ちでカメラを稼働させていく中で、大きさ、重さ、存在感など少々難を感じていました。そんな時、リハーサルの現場で撮影部が本隊で使うメインカメラではなくXC10を手にしていたのを目にしました。初め見たときは撮影部の誰かの私物一眼レフかな?と思ったくらい小さくて、本隊の撮影でも一部使用する4Kのカメラだと聞いて驚きました。 XC10はシネバザールの所有物で4台あるということ、また記録フォーマットをHDにすればSDカードを使用できることを重ねて聞き、すぐにプロデューサーに貸し出しのお願いをしました。撮影部も使うという安心感と、とにかくXC10の小ささに惹かれたんです。

XC10の使用感はいかがでしたか?

撮影の様子(イメージ)

XC10による撮影の様子

まず、手になじむ感じが良かった。カメラを構えたり、被写体からカメラを外して胸に抱えたりする動作もすぐに馴染みました。助監督の経験からか、現場でキャストがメイキングのカメラなどに気を取られ芝居の妨げになることは嫌だったので、小さなボディーのXC10に変更したのは有効だったと感じています。また撮影現場はカメラ、ライトの位置が決まって、さらにマイクが入って、メイキングのカメラポジションは一番最後となります。現場のスペースによっては小型のXC10じゃないと撮れなかったショットもありましたし、軽くて収まりがいい分、機動力がすごく良かった。一脚を付けて俯瞰で撮る場合にも、モニターの角度が動かせるので、総合的に今回の現場と相性が良かったと思います。
すべての機材も小さなカメラバッグに収まり、4個のバッテリーで1日は十分持たせることができました。またセカンドカメラとして使用していた私物の5D Mark IIとバッテリーの規格が一緒だったのでそれも便利でしたね。
操作については、タッチパネルも比較的シンプルでわかりやすかったし、悩むことはありませんでした。一つだけカスタムした点としては、内蔵マイクだとメイキングでは被写体までの距離が遠くなるので、指向性の高いSHUREのVP-83を取り付けて使用しました。

音声面ではXLR2系統の入力に対応しグレードアップを果たしたXC15が新しく登場している。今回のメイキング撮影に間に合わなかったのが残念だが、渡邊氏が高く評価する機動力を維持したままオーディオ機能を強化したXC15にも、大きな期待が寄せられている。
XC15ではXLR2系統が入力できるマイクロホンアダプアターMA-400が付属するほか、動画ルックにはEOS C300 Mark IIと同じルックを搭載。そのほか24.00P対応やウェーブフォームモニター表示、シャッター開角度設定、クリップ名変更機能、タッチパネル操作ロック機能など、細かい部分での機能強化が施されている。

今回はフルHD30Pでの撮影と伺っていますが、操作性や画の印象はいかがでしたか?

撮影時はマニュアル設定にして、ISOは撮影部にバランスがいいとアドバイスされた800から3200の間で調整してほとんど動かさず、絞りはダイヤルで調整して撮影しました。絞りとシャッターを随時変えて外と中で明るさに差がある時はNDを使っています。撮影期間が夏でしたし海外で撮影した時は日本に比べて光量が強かったので内蔵NDフィルターを使って、ねじ込み式のフィルターを追加することもありましたね。
10倍レンズは撮影する分には特にストレスもなく、狭いところでもワイド感は満足できました。狙いでもっとワイド感がほしいということがあれば別ですが、メイキングでは十分活用できるなと感じています。ただフォーカスをマニュアルで使用する場合はレンズの特性があるので、さまざまな条件で事前にカメラを触ってフォーカスリングの感覚を掴んでおいた方が狙いどおりの撮影ができると思いました。

XC10の活用や今後の展望をお聞かせください。

映画の本編を撮るのであれば個人的にはフィルムでやりたいという思いがあります。ただ撮影条件、ドキュメンタリー、メイキングなどを長回しや素材を多く記録したい用途で撮影するのであればXC10は大変有効だと思います。軽くて使い勝手もいいですし。今回も途中からではありましたが、XC10だったから撮影出来たショットがたくさんあるので感謝しています。もしメイキングをやるというディレクターがいたら迷わず勧めたいカメラですね。

キヤノン Xシリーズ 導入事例トップへ

このページのトップへ