キヤノン Xシリーズ 導入事例

 NHK BSプレミアム「パタゴニア・アドベンチャーレース」多様な環境下で威力を発揮。佐藤佳幸カメラマンに聞く。

カメラマンの佐藤佳幸氏(イメージ)

NHK BSプレミアムにて放送された『ハイビジョン特集「パタゴニア・アドベンチャーレース」』。世界でも有数の過酷なアドベンチャー(冒険)レースの撮影に使用されたXF105。このレースに日本から唯一参加したプロチーム「チーム・イースト・ウインド」の様子を撮影するために同行したカメラマンの佐藤佳幸氏(YINGEN代表)に、XF105の性能検証の結果について語っていただいた。(映像新聞 平成23年4月18日号より転載)

カメラマンの佐藤佳幸氏

撮影者の要求に応える機動性

選手に並走して撮影(イメージ)

選手に並走して撮影

小型ビデオカメラで選手に密着(イメージ)

小型ビデオカメラで選手に密着した

やぶの中では安定感のあるグリップ力(イメージ)

やぶの中では安定感のあるグリップ力が貢献

――ビデオカメラを使用した舞台について教えてください。

毎年、南米チリのパタゴニア地方では、世界でも有数の過酷なアドベンチャー(冒険)レース「パタゴニアン・エクスペディションレース」が開催されます。地図とコンパスだけを頼りに、氷河や密林の中、トレッキングや自転車といった人力で動く乗り物を使いながら、約600キロメートル先のゴールまで8日間かけて走破します。
僕は、このレースに日本から唯一参加したプロチーム「チーム・イースト・ウインド」の様子を撮影するために同行していました。

――XF105の第一印象は。

まず小型だなと思いました。普段使う業務用ビデオカメラは若干大きく、逆に家庭用ビデオカメラは取り回しは良いですが、アイリスの調整などマニュアル操作が困難です。冒険レースでは夜間撮影が必要ですが、この小さな筐体に、近赤外撮影機能が内蔵されているのにも驚きました。途中、ヘリコプター移動があり荷物の容量制限が厳しかったので、小型で多機能というのが最も重要な条件でした。

――撮影スタイルについて教えてください。

長時間記録を優先し、記録レートは25Mbps(1440×1080ピクセル/60i)に抑え2スロットをリレー記録で使用しました。カードは64ギガバイトと32ギガバイトを計6枚持ち込みました。
密着取材の際には、選手との距離を縮めるためワイドコンバーター(ワイコン)「WD-H58W」を装着し、カメラ位置を手で調整しながら撮影しました。ワイコンを付けるとやや前寄りのバランスになりますが、指を掛けて無理なくハンドルを持つ場所を調整できました。
自転車を運転しながらの撮影時は液晶を多く使いました。見やすさが撮影内容に大きく影響するので、高輝度の3.5型ワイドカラー液晶は助かりました。

――現場ではどのような機能が役立ちましたか。

自然に深く入り込む冒険レースでは三脚を使えないので、手振れ補正機能、特にダイナミックモードのおかげで、選手に歩いて同行する時など滑らかに撮影できました。空撮でも別途大がかりな防振機材が不要で、多少手振れしてもステディーな感じで使えるのが魅力です。近赤外撮影では、30メートル近くまで対応する外部ライトを使用したので、ビデオカメラを意識しない、選手の自然な様子が撮れました。結果的にグリーンモードを使いましたが、グリーンかグレーか現場で選択できるのも便利です。ワイコンと併用できる位置にIR LEDライトが付いているのも助かりました。
インターバル記録機能では、雲の流れをダイナミックに収められました。24デシベルまでゲインアップしてもノイズの少ない美しい映像でした。

アサインボタンを活用、幅広いカスタマイズ可能

アドベンチャーレース(イメージ)

アドベンチャーレースでXF105が活躍した

――レース撮影にあたりどんな工夫をしたのですか。

よく使う機能をアサインボタンに割り付け、機動性を向上しました。例えば、手振れ補正モードをワンタッチで切り替えられれば、据え付けから手持ちなどビデオカメラの設定を変えてもすぐに対応できます。ほかにも、オーディオのモニター系統からタリーランプのオンオフまで、実に細かく機能をカスタマイズでき驚きました。

――厳しい自然の中で、耐久性はどうでしたか。

やぶを進むとき、外部マイクの風防がトゲに引っ掛かり、ビデオカメラに衝撃を受けたことがありました。それでも部品が折れた跡はなく、本体には傷がつかずに済みました。

――データのバックアップはどのような形で行ったのですか。

PCとHDDを持つ定点撮影班のところにステイする際に行いました。映像をその場でコピーしてスタッフに渡せるのは大きな利点ですね。海外クルーも皆メモリー記録でした。

――ファイルベースの良さということですね。

テープでは結露が起こるおそれがあります。また、走る選手の手前に回り込んで撮りたい場合でも、メモリーならボタンを押してすぐ、タイムラグなく収録をはじめられるという安心感があります。

――今後XF105をどのように活用してみたいですか。

何か撮りたいけどどうしよう、というときに1台で済みます。しかも自分で操作を楽しみながら撮影できる。長期に山に入る場合などで使ってみたいですね。アサインボタンの割り当てや多様な機能など、使い込む楽しさがあります。

佐藤 佳幸(さとう・よしゆき):

1975年生まれ。YINGEN 代表。山岳ガイド協会認定 登山・山地ガイド。高校時代は陸上部、大学でトライアスロン競技、そしてアドベンチャーレースに出会い海外メジャーレースを転戦。レース活動を通して体感した魅力あるアウトドアアクティビティを多くの方に伝えたいと決意。スポーツ映像を手掛ける株式会社ランナーズ(現、株式会社アールビーズ)映像課にて映像カメラマンとして、マラソン大会などの中継カメラマンから始まり、ランニングや水泳、自転車などの映像制作を経験。2007年に独立。競技経験を生かし、・アドベンチャーレース・トレイルランニング・カヤック(海、川、湖)・登山(冬季、高所、バックカントリースキー)・マラソン・自転車(MTB、ロード)など、競技をする選手などに同行し密着した撮影を手がける。現在はアウトドアスポーツ以外にも、自然や子供といったテーマにも取り組んでいる。

キヤノン Xシリーズ 導入事例トップへ

このページのトップへ