キヤノン Xシリーズ 導入事例

[Behind the Scene] iVISのインフォマーシャルをXF105で捉える現場から

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ガチャピンとムックが出演した家庭向けデジタルビデオカメラ「iVIS」のインフォマーシャルが、テレビ番組 「Beポンキッキ」(BSフジ)で2ヶ月間放送されていたのをご存知であろうか。現在、この映像はキヤノンの同製品のWebページで公開中だ。監督は瀧口寿彦氏、カメラマンは村中弘明氏、現場の仕込みや編集など映像制作全般を手がけたのはサンパチクリエイティブの山代一毅氏だ。(pronews.jpより転載)

国民的キャラクターを浅草で撮影

インタビュー(イメージ)

話を聞いたサンパチクリエイティブの山代一毅氏とカメラマンの村中弘明氏、監督の瀧口寿彦氏(左より)

ガチャピンとムックがiVISの伝道師となって、ストーリーのある映像を簡単に作れる「PLAY!ドラマティック」のコンセプトをそれぞれの地域の家族を訪問して使い方を教えてくれるというものだ。「東京スカイツリーレポート編」は、父と子供、ガチャピン、ムックが東京スカイツリーを見に行ってiVISの新機能「シナリオモード」の「ブログ」というテーマを使って、撮影をするという内容だ。次第に完成する東京スカイツリーと、東京スカイツリーが完成するころには新しい家族が誕生しているというテーマがリンクした2分のストーリーとなっている。

本編に登場するガチャピンとムックといえば、男女年齢問わず誰からも親しまれている「ひらけ!ポンキッキ」の人気のキャラクターだ。30年以上続くポンキッキシリーズやスポーツ、ブログ、Twitterで子供たちには夢と希望、大人たちには癒しを与え続けている。瀧口氏は、観光客の多い浅草で国民的人気キャラを撮影するのに、いつもとは違うプレッシャーがあったという。その当日の現場の雰囲気をこう振り返る。

「ガチャピンとムックは凄い人気で、アイドルを見たように歓声を上げる人もいます。喜んでいたのは子供だけではありません。20代、30代の大人も結構喜んでいました。また、"本当にガチャピンとムック?"というふうに信じられないという反応も多かったです」(瀧口氏)

小型でHD-SDI出力を搭載するXF105

撮影(イメージ)

HD-SDI出力を搭載しているので、モニターをつないでプレビューが可能

本編の撮影に使われたのはキヤノンの業務用デジタルビデオカメラ「XF105」だ。本編のカットの一部にはiVISで実際に撮った主観映像も使われているが、基本的には浅草のロケや室内は1台のXF105だけで撮影されている。

XF105を選んだのは村中氏。村中氏がXF105にひかれたのはHD-SDI出力端子の存在と小型なボディーだ。たいていの撮影現場では、フォーカスや色のチェックをHD-SDIのモニターで行っている。浅草のロケでもHD-SDI入力に対応した7.9インチのLCDビデオモニターを使用している。

「最優先の条件はHD-SDI出力を搭載していることですね。HD-SDIがないと"えっないの?"という感じでがっかりします。HDのモニターがなければフォーカスのチェックや正確な色の上がりの予想ができません。HDMIからコンバーターを経由してHD-SDIに変換できてもずれてしまう場合もありますし、現場で細かい機材が増えるとトラブルの元になることもあります。あと、基本的にロケだとカメラは小さければ小さいほど理想的です。現場では楽ですし、アングルの自由度も増します。サイズが大きいと見栄えや絵が安定するというのがあるのですが、基本的に小型の方が良いですね」(村中氏)

XF105にはMPEG-2 4:2:2 50Mbpsコーデックが搭載されている。これはHDV規格などで採用している4:2:0に対して、色のデータ量は2倍でデータ量が多ければカラコレなどは有利になる。

「屋外の現場では、スタジオや屋内と違って、時間や天候の違いに寄って、条件が変わってきます。できるだけ企画段階で考えていた画作りの理想に近い形で収録しますが、制作時間の制限などでやりきれないこともあります。例えば、今回はガンマやカラーマトリクスは特にカスタムピクチャーで調整をしないで撮影をしました。これは、後でカラーコレクションを前提として考えています。その場合は、素材のデータ量の多いほうが余裕をもって編集することができます。50Mbpsほどのデータ量があれば、一通りの調整が問題なく対応できます」(村中氏)

レンズのワイド端は広角を実現

瀧口氏を悩ませたのがロケでの撮影だ。浅草の浅草寺の前でガチャピンやムックを歩かせたりすれば、たちまち人だかりができてしまう。なおかつ通行人はできるだけ画面に入らないほうがいい。そこで考えたのがガチャピンやムックを人力車に載せて撮影をする方法だ。しかし、カメラマンは人力車に合わせて走りながら撮影をしなければならなくなる。そこで村中氏が使用したのがXF105の手ブレ補正機能だ。XF105には状況に応じた3種類の手ブレ補正を搭載している。

「走りながら撮るとカメラはかなりゆれるので、歩行撮影の際の手ブレを補正してくれる“ダイナミックIS"を使いました。臨場感がありつつ、そんなにぶれていない映像が撮れたと思います。あと、このカメラは小さくて軽いことが利点です。距離を走っても疲れませんでした」(村中氏)

ステディーカムと手ブレ補正は似ているようで違うと瀧口氏は語る。

「業務用のカメラは防振装置がないので、普段はステディーカムを使うのが一般的ですが、今回はドキュメンタリーぽい形で撮りたかったので、走って撮る際の“自然なゆれ”は多少は残したいと考えました。手ブレ補正機能を使ったことで、手ブレが気にならない臨場感のある理想的な映像が撮れました」(瀧口氏)

レンズにも特長がある。XF105のズームレンズのワイド端は35mmフィルム換算時の焦点距離で30.4mmとワイドコンバーターがいらないほど広角を実現している。

「東京スカイツリーをあおって撮るなど、標準でこれだけワイド端があるのは便利でした。あとHDの16:9は横が広くて縦が狭くなりますので、本来のSDの時よりもワイドが欲しくなります。また、室内撮影ではガチャピンとムックの体が大きいので、ワイドがないと入りません(笑)。従来のカメラだったらワイドコンバーターをつけないと入りませんでしたが、ワイド端が広いので標準のままで対応できました。
またXF105は色温度を100K単位で設定ができるのは使いやすいですね。今までだと、ホワイトバランスを撮らなければいけないとか、細かくずらせるカメラはありませんでした。また、シャッタースピードをフィルムと同じ“開角度”で設定できるのにも驚きました。もともとフィルムでコマーシャルの撮影をやってきた人間にとってはとても使いやすいです」(村中氏)

村中氏がXF105を使って気に入ったところにデータ入力のインターフェースがある。細かいところだが色温度が細かく設定できたところや、シャッタースピードを開角度で設定できるところなどいくつもある。

撮影に使用したCFカードは32GBが2枚だった。ちなみに、32GBのCFカードに50Mbpsの記録モードを選択した場合の収録時間は80分だ。また、朝7時から12~13時間ほどのサイクルで使用したバッテリーは、最大容量モデルを2本使用した。XF105のバッテリーの持続性は優れているといえるだろう。納品までのワークフローは、XF105とiVISの収録データをProResに変換してFinal Cut Pro上に読み込み、オフライン編集を行った。次にオンライン編集はsmokeで行い、smoke上でオフライン編集のデータをそのまま持ち込んで復元させた。XF105とiVISのネイティブのデータを読み込み、貼り直して完成となる。カンパケはHDCAMで放送局に納品をした。

合成用撮影で使ってみたい

村中氏が今後XF105で撮影をしてみたいものとして挙げたものは、グリーンバックやブルーバックを使った合成前提の素材の撮影だ。普段からブルーバックやグリーンバック撮影は頻繁に行っているという。今まで4:2:2対応のカメラというと、ショルダータイプのカメラしかなかったが、ハンディータイプのXF105は待望の機種と呼べるのではないか。

「僕は普段はシネマの35mmフィルムと同じサイズのイメージセンサーのカメラを使いますが、ブルーバックやグリーンバック撮影に関しては被写界深度の深さは関係はないので、XF105を選ぶでしょう。あとHD-SDI出力は非圧縮で信号が出ているので、スタジオデッキをつないで、非圧縮の収録も可能になると思います。HD-SDI出力ががついているといろんな使い方ができますね」(村中氏)

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