キヤノン Xシリーズ 導入事例

四国放送(JRT)が3支局と本社でフル活用 小型軽量さで女性報道記者も“ラ~クラク” 海外の一人取材が可能のコピー

報道カメラマン歴21年の報道情報センターの清久正一主管

四国放送(JRT)は徳島県をカバーするラジオとテレビの両方を放送するラテ兼営局で、県内ただ一つの民放局である。その歴史は古く、ラジオは1952年7月、テレビは1959年4月に開局し、テレビは日本テレビ系列である。2011年3月まで平日朝に1時間30分のローカル情報番組を放送するなど、報道と番組制作力は折り紙付き。
そのJRTがキヤノンのフルHD・ファイルベースカメラXF105を採用し、報道制作局の女性記者がフットワーク軽く使っている。その活用ぶりを聞いた。
(月刊ニューメディア 平成24年4月号より転載)

報道カメラマン歴21年の報道情報センターの清久正一主管

選んだポイントは“重さ”=約1.3kgの軽さ

JRTは3つの支局と、支局を含む4カ所の伝送所で県内の取材をカバーしている。伝送は光回線によるベースバンドを採用。そのために支局用の新しいカメラの選定では、「伝送を考え、HD-SDI出力がポイントでした」と報道制作局報道情報センターの清久正一主管は話す。XF105のHD-SDI、タイムコード、GENLOCKの端子搭載に注目したのである。

それに加え、最も大きな選定の理由をズバリ「この軽さです」。大きさですかと聞き返すと、「いいえ、重さです」と話し、支局や本社の報道情報センターにいる女性スタッフたちが使うことを考えた判断だという。

実際にXF105を使っている報道情報センターの松村有希子記者は「私の小さい手でも持ちやすく、長時間の取材でも苦になりません」と、XF105が身体の一部に馴染んだような話しっぷりだ。

リニアとノンリニアを併用する編集体制をそのまま生かせる

カメラを選ぶ──そのポイントは3つだと清久氏。一つが画質とコストのバランス、二つが扱いやすさ、操作感、三つが編集機との相性。この三つ目の編集機との相性は、既存のワークフローに組み込むことができるかに関係し、画質はもちろん、設備コストにもかかわるシビアな問題である。

JRTの編集環境は、ノンリニア機がXPRI NS(ソニー)が4式、EDIUSバージョン4(グラスバレー)が3式(別フロアに4式)で、リニア機が3式と多い。XPRI NSはファイルで取り込めるが、EDIUSはバージョンの関係で、一旦HDCAMテープにダビングしてから取り込んでおり、リニア機も同様のプロセスだ。ここでHD-SDI出力が活躍する。「コンバータを用意せずにダビングできるメリットがある」と清久氏。

JRTは月~金の夕方に『ゴジカル!』(16:53~17:53)と『フォーカス徳島』(18:15~18:55)の独自情報番組と、月1回第4土曜の『JRTスペシャル』(9:25~9:55)を独自制作している。JRTといえば全国で唯一の朝のローカル情報番組『おはようとくしま』で知られていたが、昨年3月に40年の歴史を閉じた。その制作経験が大いに生かされる番組が、夕方の2時間に並ぶ。

小型軽量機ながら4:2:2+フルHD画質は合格点

ノンリニア編集機の前で「このカメラくん、かわいい」と言わんばかりの報道情報センターの松村有希子記者

ノンリニア編集機の前で「このカメラくん、かわいい」と言わんばかりの報道情報センターの松村有希子記者

松村記者は入社3年目の報道記者で、女性記者として大いに活躍が期待される若手だ。現在の担当は県政と遊軍で、『フォーカス徳島』で放送するニュースや特集を制作しているが、こんなXF105の経験を話してくれた。

「徳島市の姉妹都市(ミシガン州サギノー市)を訪ねる訪問団の同行取材で、制作コストの関係から『記者カメで1人で』と命じられました。せっかくアメリカに行くのだからもう1本取材をと考え、ニューヨークで阿波踊りを通じて被災地支援活動を行う岩手県出身者の取材を提案。さらに、その方が去年7月に震災後初めて釜石市に帰郷する際にも、記者カメによる取材を提案して実現しました。XF105の扱いやすさが提案を後押ししてくれたのです」

報道記者がカメラを持って一人で取材するケースは増えているが、HDVカメラでは小型とはいえ重さに苦労し、小さい民生用ハイビジョンカメラでは画質面に不満が残った。「XF105はカラーサンプリング4:2:2とフルHD画質ですので、問題ありません」と、報道カメラマン歴21年の清久氏が一人取材用のカメラとして折り紙を付ける。

取材相手が身構えない小型さが一人取材の新たな可能性を開く

松村記者はXF105の取材で、こんな手応えがあったと話す。「県内の医療問題を特集した番組で、先生方の懇談会に同席する機会があったのです。先生たちの話を撮ったのですが、カメラが小さいので身構えられることもなく、自然な表情と本音の話を聞くことができました。一人取材の良さはこれだと思いました」。これを受けて清久氏は、「取材クルーだと、記者とカメラマン、VEか音声マンの3人体制でしたので、取材相手にどうしても身構えられてしまうのですが、このXF 105は新しい可能性を気付かせてくれました」と話す。もちろんすべての取材が、このスタイルになるわけではない。ENGカメラによる取材スタイルと、XF105による一人取材をうまく使い分けていくことになるのだろう。

一人で取材するカメラは軽量さが必須だが、手ブレの心配がある。「三脚を使った取材はいつもできません。手持ちで臨機応変に対応することが結構あります。その場合、手ブレ補正の機能は安心できます」と松村記者。清久氏も「スタビライザーが優れていますし、何といってもオートフォーカスのスピードは群を抜いています」と太鼓判。

また、松村記者は起動の素早さがうれしいとも言う。テープのカメラではローディングでほんの少し時間がかかる。いつチャンスが来るかわからないとき、この微妙な差が取材者に安心感をもたらしてくれるそうだ。

XF105はMXFフォーマットでCFカードに記録する。このカードスロットが2つあり、これを有効に使っている。「アメリカ取材では、2枚のCFで連続記録しました。PCにファイルする時間もなかったので、長期間の取材でも記録メディアの残量を心配することがなく、大いに助かりました」と振り返った。また、長時間の記録は一人取材では欠かせないという。カメラを持つとメモが書けないため、メモ代わりの撮影が残量を気にせずにできるからだ。

松村記者の話に耳を傾けながらも、清久氏はこんな指摘を忘れない。「公共の電波に乗せる映像として最低限の法則を知っておくことも大事です。例えば、視聴者がイメージで混乱しないための鉄則のイマジナリーラインといったことです」

男性が中心だった制作現場に女性の進出が広がっている。すでにCATV局の制作スタッフの半数が女性となってきた。こうした女性陣の活躍を、小型軽量と高機能を併せ持つXF 105が支えるのは間違いない。

※イマジナリーライン:主要な人物同士を結んだ線(対話軸)のこと。

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