キヤノン Xシリーズ 導入事例

『パラオ  魅惑のトロピカルカクテル』 パラオの大自然を撮影、編集まで手がけた海洋ジャーナリスト・永田雅一氏にインタビュー。

キャプテン・マック海洋研究所を設立。海洋ジャーナリストとしてテレビの海洋番組を企画するほか、リポーターも務め、海洋や環境に関するテーマに日々取り組んでいる永田 雅一氏

アクティブに動ける小型カメラ、キヤノンXF105を使い、視聴者の“見たい”と思う映像を巧みに撮影して制作された番組の事例紹介が、Inter BEE 2011のキヤノンブースにて行われた。(ビデオα 2012年1月号より転載)

キャプテン・マック海洋研究所を設立。海洋ジャーナリストとしてテレビの海洋番組を企画するほか、リポーターも務め、海洋や環境に関するテーマに日々取り組んでいる永田雅一氏

本体重量1070gの機動性でパラオの大自然を撮影

今回紹介されたのは、CSナショナル・ジオグラフィックチャンネルにて11月16~19日にかけて放送された、『パラオ−魅惑のトロピカルカクテル』。「キャプテン・マック海洋研究所」を運営しながら、マングローブの生態や海洋生物の研究を行っている、海洋ジャーナリストの永田雅一氏が企画から撮影、編集までを手がけた。

パラオー魅惑のトロピカルカクテル

メイキング映像

4:2:2 50MbpsでENGカメラに迫る高画質

会場ではサンゴ礁に泳ぐ奇麗な魚たちの映像が作品中から取り上げられ、ざらつきのある岩や海草にもノイズが発生せず、また色抜けも起きていないことが確認された

会場ではサンゴ礁に泳ぐ奇麗な魚たちの映像が作品中から取り上げられ、ざらつきのある岩や海草にもノイズが発生せず、また色抜けも起きていないことが確認された

キヤノンXF105の印象を聞かれた永田氏は、「PCがスマートホンになったような…。いつでもどこでも思い通りの映像をポケットから取り出して撮影ができるという感覚。早い、安い、キレイ」と絶賛。本体重量1070gという小型軽量ながら、充分な画質で撮影できることを強調した。

キヤノンXF105が高画質なのには理由がある。一般的なハンドヘルド型は、4:2:0のカラーサンプリングで記録するのに対し、XF105は放送用ENGカメラに採用されている4:2:2方式を採用。4:2:0方式に比べて2倍の色情報で記録する。またデータ圧縮については、キヤノンXF105は50Mbpsという高い記録レートを採用。豊富なデータ量で圧縮が軽くなる分、ノイズの発生を抑えられる設計になっている

小型だから増える浜辺のシャッターチャンス

臆病なことで知られるルリマダラシオマネキが穴から出てきたところを捉えたシーン

臆病なことで知られるルリマダラシオマネキが穴から出てきたところを捉えたシーン

砂浜を歩いているヤドカリを偶然見つけたときは、砂の上にとっさにバスタオルを敷き、撮影をはじめた

砂浜を歩いているヤドカリを偶然見つけたときは、砂の上にとっさにバスタオルを敷き、撮影をはじめた

浜辺の撮影では、臆病なことで知られるルリマダラシオマネキというカニの撮影に、小型カメラの効果が発揮された。「キヤノンXF105なら小形の三脚に固定するだけで近づいて撮影でき、カニも警戒心なく穴から出てきたところを短時間で捉えられた」とのこと。

また、砂浜を歩いているヤドカリを偶然見つけたときは、砂の上にとっさにバスタオルを敷き、撮影をはじめたという。「バスタオルの上でカメラを回したところ、奇麗にパンで追えた。ENGカメラだと、砂浜に穴を掘らなければこの目線では撮れないので、シャッターチャンスがまるで違ってくる」と永田氏。シャッターチャンスに恵まれたことで、以前よりも撮影期間が短縮でき、コストダウンに成功。「トータルでどのくらいのコストダウンになったか」との質問には、「1/3くらい」と明言。会場の関心を一気に集めた一幕もあった。

軽量だから可能になるカヌーでの移動撮影

バランスの取りにくいカヌーからの撮影も、小型・軽量なキヤノンXF105の特長を活かすことで、臨場感ある鍾乳洞内の映像を収めることができた

バランスの取りにくいカヌーからの撮影も、小型・軽量なキヤノンXF105の特長を活かすことで、臨場感ある鍾乳洞内の映像を収めることができた

軽量だから可能になるカヌーでの移動撮影(イメージ)

鍾乳洞では、永田氏自らがカヌーに乗って撮影した。以前、これと同じ方法をENGカメラマンにお願いしたところ、7、8㎏もあるENGカメラではバランスが悪く、危険なので断られたという。「このシーンではパドルは使わず、左手で鍾乳石を押しながら進み、右手に持ったカメラで撮影した。簡単に撮影できたけど、臨場感のある映像になった」と満足げに語る永田氏。

「今度はさおの先にカメラを縛りつけ、ブッシュに突っ込んで撮影してみたい。クレーンのような迫力のある映像が簡単に取れると思う」
カメラが軽くなったことで生じた新たな映像表現方法について意欲的な意見が述べられた。

PCでも自在に動くネイティブファイル

カラコレ前(上)とカラコレ後(下)の画像

カラコレ前(上)とカラコレ後(下)の画像

現地で撮影した映像は、その日のうちに持参したノートPCを使い、Final Cut Proで専用のHDDに取り込んだ。ファイル形式はProRes 422ではなく、ネイティブファイル(MPEG2 Long-GOP方式、50Mbps)を選択。「日本に戻ってから6Coreの Intel Xeonを2個搭載したMacPro(メモリー:16Gバイト)で編集を行ったが、動作の重さは感じられず、オリジナル画質を保ったままスーパー入れまで行えた」と語った。  

現地の天候が必ずしもよくない状況だったため、パラオ本来の風景にするために、何カットかはポスプロに持ち込んでカラコレを行ったという。そのカラコレ前後の画像が写真左であるが、これだけ彩度を持ち上げる加工を行っても、色情報が豊富な4:2:2サンプリングが採用されているため、粗は出なかった。

最後に、今回の制作を終えての感想を聞かれた永田氏は、「最初はXF105を借用していたが、実際に使ってみて気に入ったので、その後自分で1台購入してしまった。このカメラは使うことで良さがわかると思うので、ぜひいろいろなチャンスを見つけて試用してもらいたい。」と参加者にアドバイス。今後はさらに視聴者目線に立った、「見たい」「おもしろい」と感じられる映像を、小型カメラの利点を活かして意欲的に撮影していきたいと語り、会場から喝采を浴びていた。

永田雅一(ながた・まさかず):

東京水産大学(現、東京海洋大学)卒業後、制作会社での海洋資源や環境に関する調査・撮影、記録映画などの企画演出を経て1986年独立。「キャプテン ・マック海洋研究所」を設立し、海洋調査・研究に参加、海洋ドキュメンタリー番組の企画およびリポート、ラジオ番組での解説、科学雑誌、海洋専門誌等の取材・執筆を行っている。1998年からパラオ共和国にフィールドワークの拠点を設け、マングローブやサンゴ礁の調査・研究を行っている。これまでにおよそ70ヶ国の海に潜り、潜水回数は8000回以上になる。

日本海洋学会 会員 日本自然保護協会(NACS-J)会員 パラオ自然保護協会(PCS)会員

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