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コスト削減を狙った仮想化プロジェクト
グループ共通のIT基盤の運用コストを削減せよ
キヤノンMJグループの「生活系システム」とも呼ばれている情報系システムは、グループ企業22社、約1万9,000人もの社員が利用する大規模な業務基盤である。メールや文書管理システム、ワークフローや申請・承認機能などを提供することで社内業務を円滑化する一方、ユーザー認証、データベース、セキュリティの基盤としても重要な役割を担っている。しかし、これらのシステムは、1995年の運用開始以来、業務の拡大やM&Aに伴いサーバー台数が増加し、運用コストの負担が改善課題として指摘されるようになっていた。
「2010年6月にスタートしたプロジェクトでは、経営層からは運用コストの大幅な削減が要求されました。同時に、M&Aやグループ再編など事業の変化に柔軟に対応するために、認証サーバーやテスト用サーバーなどを短期間かつ低コストで構築できる環境が求められていました」(IT本部 ITインフラ部 ネットワークインフラ課 コンピュータインフラ第一課 課長 古川宗徳)
図1.「生活系システム」仮想化とサーバの集約
グループ22社が利用するシステムの仮想化プロジェクト
仮想化技術とは、1台のサーバーを、CPUやメモリ、ハードディスク、回線などといったリソースの物理的な構成に関わらず、複数のサーバーのように機能させる技術のこと。プロジェクトでは、サーバーのリースアップに伴うハードウェアの更改にあわせ、仮想化技術を用いてサーバーの集約を図ることを計画した。(図1)
「さまざまな選択肢を検討した上で、仮想化の基盤にはVMwareの仮想化ソリューションを採用し、クラスタ構成によって高可用性を確保しました。また、iSCSIに対応した共有ストレージの採用もポイントの1つです。データ転送にTCP/IPプロトコルを利用するiSCSIなら、既存のネットワークとの親和性も高く、ディザスタリカバリ対策に有効です」(IT本部 ITインフラ部 コンピュータインフラ第一課 主任 深澤誠司)
仮想化により84台のサーバーを8台に集約
サーバーの移行は、2010年末からグループ傘下のキヤノンITソリューションズとともに作業に着手。キヤノンITソリューションズが長年培った仮想化システム構築技術をもとに、大規模な仮想化システムを構築。第一フェーズとして84台(ラック7本)のサーバーを、従来比で10分の1に相当する8台のブレードサーバー(2シャーシ)に集約。導入コストを抑えながら、運用コストの15%削減とパフォーマンス向上に成功した。さらに、仮想化によって新たなサーバーの追加が容易になったことで、短期間で新たな環境を構築できる体制も整った。
「ハードウェアのリースアップに合わせて段階的に移行を進め、2011年8月を目処に84台のサーバーすべての移行を完了する予定です。第二フェーズでは、残っている64台のサーバーの移行にも着手します」(IT本部 ITインフラ部 コンピュータインフラ第一課 チーフ 平野雅和)
仮想化による情報系のサーバー集約によって、消費電力量は従来比で74%が削減される。並行して実施した基幹システムのサーバー及びストレージの仮想化を含めたIT全体の総消費電力は、対前年比で30%削減、5年間の総コストは仮想化以前との比較で70%の削減効果があるという。(図2)
しかも、この数値は仮想化によるサーバー統合のみの成果であり、システム冷却のための空調設備の電力量の削減が加わるので、夏の節電対策にも大きく貢献することになる。
図2.新システムの導入効果
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「グループ22社が利用するサーバーを仮想化することで、消費電力量を大幅に削減しました。」
キヤノンMJグループのサーバー仮想化にみる事業継続計画(BCP)と節電対策
- 震災がもたらした新たな教訓
- コスト削減を狙った仮想化プロジェクト
- 仮想化が事業継続性の確保につながる
仮想化プロジェクトメンバー

古川 宗徳
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
ネットワークインフラ課
コンピュータインフラ第一課 課長

平野 雅和
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
ネットワークインフラ課
コンピュータインフラ第一課 チーフ

深澤 誠司
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
IT本部 ITインフラ部
コンピュータインフラ第一課 主任
