4Kディスプレイ導入事例

博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ事業本部 DP-V3010を活用し高精細動画レタッチという新たな分野に挑戦

スチィルで培った技術を高精細の映像制作に

博報堂プロダクツのフォトクリエイティブ事業本部は、長年スチィルで培ってきたレタッチを中心とする高精細なグラフィック技術を応用し、今までにない新しい手法で高精細動画を制作するサービスを展開する。その中で、高精細な動画処理用に「DP-V3010」をマスターモニターとして導入した。同事業本部REMBRANDT部長の西島英二氏、業務管理コーディネーターの滝雅司氏、そして、REMBRANDTレタッチャーの小柴託夢氏に、同事業本部の新しい取り組みや4Kディスプレイの活用や使用感について話を伺った。

動画レタッチという新たな世界へ

-最初に御社の事業内容について簡単にお聞かせください。

西島「博報堂プロダクツは、広告代理店博報堂の子会社として2005年に設立され、12の事業本部と国内3支社・海外2拠点で構成される“総合制作事業会社”です。フォトクリエイティブ事業本部は、1987年に博報堂写真部から独立した博報堂フォトクリエイティブが源です。
現在は、博報堂プロダクツの一部署として、フォトグラファーとレタッチャー、それらの専門プロデューサーおよびスタッフ約100名で構成されており、グラフィック媒体をメインにCM制作も行っています。
その中に、REMBRANDT(レンブラント)と称したレタッチャーの部署があります。

西島 英二レタッチ部署の立上げに時から20年以上に渡りグラフィック制作に携わる。VFX、TVCMにも精通。

-スチィルのグラフィックから動画をはじめたきっかけは何でしょうか。

西島「フォトクリエイティブ事業本部に所属しているのは、元々スチィルのカメラマンですが、近年、スチィルのカメラマンに動画撮影の依頼が増え、多い人では、7割がムービーの仕事をしています。以前は、ムービーの撮影は受けても、後処理はポスプロ任せでしたが、最近では、動画撮影素材の高解像度化により、映像に対するクリエイティブ要求も高まり、それならば、フォトクリエイティブ事業本部内で動画のレタッチまで行おうと、2014年4月にムービーレタッチプロジェクトを立ち上げました。撮影から編集・レタッチまで全てをフォトクリエイティブのカメラマンとレタッチャー、制作スタッフによる4Kデモ映像も制作、イベントなどで発表しています。今後も、当社の技術とセンスを活かすことで、これまでにない映像を作りたいと思っています。」

求めたのは基準となる再現性と信頼性の高い動画用マスターモニター

-どのような環境で作業されていますか。

西島「編集は、Adobe Premiere。レタッチには、PhotoshopとAfter Effects。グレーディングは、Speed GradeとDa Vinci Resolveを使っています。しかし、現在はまだテスト段階です。色々と試行錯誤を繰り返しながら、当社ならではの方法を作っていきたいと思っています。4Kディスプレイは、ムービーレタッチ専用の部屋に設置し、主にレタッチ作業時のマスモニとして使用しています。」

-使用感はどうですか?

小柴「階調が豊かで忠実に再現されています。彩度なども変に強調されたりすることもなく、信頼して作業ができます。あとインターフェースの触り心地もいいですね。ディスプレイの設定などにそれほど詳しくなくても直感的に操作できます。」

滝 雅司システムコーディネーターとして、部署内のシステム周りおよびカラーマネージメントを担当。

滝「LEDなのに黒が綺麗だなという印象を受けました。バックライトの照らしがある中で、黒の階調がしっかり再現されるとレタッチする側としては、非常に助かると思います。」
「最初、デモ機としてお借りしたのですが、ビデオ系のLEDのマスモニ自体には良いイメージを持っていませんでした。2Dグラフィックスの世界では、結構古い段階からしっかりとキャリブレーションを行い、モニターを標準化して使っていました。それから比べるとビデオのマスモニはメーカーや機種毎にバラバラだという印象もあり、最初はあまり信じていませんでした。しかし、当社で品質管理されたグラフィック用の作業モニターをsRGBやRec709などに設定して比較してみると、差異が非常に少ないことがわかりました。これはDP-V3010が規格通りの色や階調を再現していると考え、安心して導入を決めました。」
「また輝度ムラがなく、高精細で鮮やかですが、ぎらつきを感じません。エッジを立てるというよりは、芯を持ち上げている、という印象を持っています。」

-動画レタッチの難しさは何ですか?

小柴 託夢 REMBRANDT・レタッチャー2013年入社、若手ながら多数のグラフィック広告制作に従事、CM制作にも参加。

小柴「基本的にはスチィルの延長で考えていますが、動きがあるので工夫が必要です。トラッキング等を駆使して作業していますが、全てをその方法では進められないため、色々な手法を組み合わせています。」
西島「動画のレタッチを行う上でも、グラフィックのベーシック部分を抑えているかは重要です。当社のレタッチャーはベーシックな部分をよく理解しているため、それをより発展させる形で動画用の新しい手法を常に作り出しています。」

小柴「高精細もとても重要ですが、一番は、階調です。ゼロ・ブラックがちゃんとしまっているか。しまりきらない黒があるのは困りますが、かといって暗部のディテールがないのも困ります。同様に、ハイライトが飛んでいるところはしっかりと飛ばしつつ、データが残っている部分については、ディテールをしっかり残してもらいたい。それを再現できるかが非常に重要です。」

-レタッチャーとしてモニターに求める点は何ですか。

滝「どれだけデータが正確に映し出されているかが重要です。データが崩れているからなのか、表示が原因なのかを判断できないとレタッチのような細かい作業はできません。その正確性はとても重要です。DP-V3010は、正確かつ、階調も忠実に再現されているため、信頼して作業ができます。」

-運用で気をつけている点をお聞かせください。

滝「モニターの基準を作ることは、とても大切です。基準を作ることにより、時間も短縮でき、なによりも説得力をもって判断ができるようになります。これまでもグラフィックの世界では、キャリブレーション、モニター毎のマッチングなどをしっかりと管理していました。DP-V3010は、色の再現性も高いため、しっかりとした基準を作って管理できる動画のマスターモニターだと思っています。」

-最後に今後の抱負を聞かせてください。

西島「今後はまず、フォトグラファーとレタッチャーのスキルを活かしたカラーグレーディングを充実していきたいと思っています。ビューティーや飲料系広告全般はもちろん、中でも自動車系に興味があり、フォトグラファーやレタッチャーの感性を絵に活かせるような、これまでのポスプロでやっていなかった新しいアプローチを目指していきたいですね。また、高精細動画レタッチの作業ルームには、高画質を感じることができるプレゼン環境を整えてあり、高精細動画から切り出したサンプル・プリントなども用意しています。フォトクリエイティブ事業本部で作ったデモ映像はじめ、博報堂プロダクツの作り出す高画質動画のクオリティをモニターや紙面で感じていただきながら、動画だけでなく、動画と静止画を組み合わせたビジュアル・プロモーションなど、新しい提案力をお客様に感じていただきたいと思っています。」

会社概要 博報堂プロダクツは、総合制作事業会社としてプロモーションのあらゆる領域において、クライアントである企業や組織の課題解決に取り組んでいます。フォトクリエイティブ、CM制作、企画制作、ダイレクトマーケティング、イベントプロモーション、プレミアムなど、専門性に特化した事業本部には、確かな技術と豊かな経験を兼ね備えたプロフェッショナルが数多く在籍。
株式会社博報堂プロダクツ Webサイト http://www.h-products.co.jp/
フォトクリエイティブ事業本部 Webサイト http://h-products.co.jp/photocreative/

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