4Kディスプレイ導入事例

オムニバス・ジャパン DP-V3010を導入し、CGと編集ルームでのシームレスな色管理を実現

DP-V3010を活用し、日本初の4K特撮映画を制作

ハイクオリティなビジュアル・エフェクトで知られる株式会社オムニバス・ジャパン(東京都港区)は、2014年3月(導入時期)に4K映像制作用のマスターモニターとして、DP-V3010を導入。現在では3台のディスプレイを使用中。2015年5月公開の劇場映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』では、4K仕上げとなる劇場映画に挑戦。DP-V3010を活用しながら、CGからオンラインまでのシームレスな色管理を実現し、日本初の4K特撮映画を完成させた。制作技術部長の道家林太郎氏、エディターの岡本義典氏に、導入の背景や実際の活用事例などについて話を伺った。

CGと実写の垣根がなくなってきた時代だからこそ共通のマスモニが必要だった

-現在、DP-V3010をどのように使われていますか?

道家「現在弊社では、DP-V3010を3台導入しています。1台は、Pablo Rioの編集&グレーディングルームに設置し、主に映画や大型映像、そして4Kのテレビ番組で使用しています。もう1台はCGルームに設置し、CGのマスターモニターとして使用しています。5月公開の劇場版「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」では、本編集&グレーディングルームとの連携作業を行い、無事作品が完成しました。3台目は、CM用にFlameの編集ルームに導入しました。CMについては、まだ4K仕上げの作品が少ないため、4Kでの運用実績は少ないですが、CM絡みのVPやPVなどで使用しています。」

岡本「大型映像で多いのは、イベントなど大スクリーンで上映する映像ですね。作品的に一番多いのは、スカパーや光テレビ、VODなどの4Kのテレビ番組です。あと最近は4KのYoutube動画というのもありました。」

-DP-V3010を導入した背景についてお聞かせください

道家「弊社はCGと実写の合成など映像の特殊効果を得意としておりますが、PCモニターで制作するCGには、オンライン編集時と同じようなマスターモニターがなかったので、 オンライン時にCGルームで監督がチェックしたものと色が違うということはよくありました。
そこでCG制作時のプレビュー環境とオンライン編集時のプレビュー環境の連携を整えることが1つの課題でした。また高解像度になり、画質的にもCGと実写の垣根がなくなってきたので、プレビュー環境を揃えなければという考えはありました。やるなら4Kになったタイミングでやろうと思っていました。」

写真:道家林太郎氏

道家林太郎氏 制作技術部長

-導入を決めたポイントは?

道家「約1年前、デモ機をお借りして、実際にグレーディングや編集のスタッフが集まって、検証を行い、現状使っている機材との比較等させていただきました。色や階調の再現性がよく満場一致で導入を決定しました。特に、液晶で一番心配していた黒の再現性が良かったことが導入を決めた1つのポイントでした。」

岡本「黒の再現性と視野角の広さですね。液晶モニターは、ブラウン管のマスモニに比べて黒が浮いて視野角が狭い、という印象がありましたが、DP-V3010は黒の再現性もよく視野角が広い。監督と並んで作業することが多いので、どの角度からも同じ色で見れていることは制作のコミュニケーションを取る上でもとても重要です。」

-導入してどうでしたか?

道家「DP-V3010は、CG用のマスターモニターとして機能するため、編集ルームとの連携もうまくいきました。『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』ではじめて本格的な制作に使用しましたが、プレビューという環境では再現性は見事でした。 テストの段階では、実際にCGルームに設置したモニターをオンラインの部屋に持ち込んで2台並べて比較テストもしましたが、私の目には区別できませんでした。ここまで追いこまれているマスモニははじめてですね。」

岡本「これまではCGはPCモニターでしか見せることができず、マスモニで確認する習慣がなかったのですが、今回はじめて最終的なルックとCGのルックを1:1で合わせられたのはとても良かったです。」

LOG制作で活用されたLUT機能

-映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』では、具体的にどのように使われたのですか。

岡本「この作品は、初の本格的な4K仕上げの劇場映画です。 撮影は全てLogで行われ、CGも全てLogで制作されていたので、独自のプレビュー用のLUTを作り、そのLUTをあてながらプレビューを行っていました。 」

道家「 LUTは主にソフト側であててプレビューをしていましたが、モニターのLUT機能を使用したこともあります。HDの時代からLUTを使って制作はしていましたが、CG制作で使用しているPCモニターと編集室でのマスモニのルックが異なるため、試行錯誤の回数が多かった気がします。編集室にしかマスモニがなかったので、CGであてるLUTを何度もやり直し、納得のいくLUTが出来るまで相当時間がかかりました。今回共通のマスターモニターをCGルームと編集室で共有できたので、試行錯誤の回数はものすごく減りました。最終的には、グレーディングを行って仕上げますが、オンラインに行った時点では、CGルームでチェックした見た目と違うと監督がイメージしづらいというのもあるので、スタート地点が揃えやすくなったのが良かったです。」

写真:岡本義典氏

岡本義典氏 エディター

-他にDP-V3010の気に入っているポイントはありますか。

道家「最初はもう少し大きなサイズがあってもいいかなと思いましたが、実際に編集室に並べて作業をすると、この30インチという大きさが4Kを作業するには十分なサイズなことがわかりました。逆にあまり大きいと目がどこにいっていいか分からないかもしれませんね。」

岡本「コントローラーが外についているのがいいですね。 普通はモニターの下についていますが、離して使えるので操作しやすいです。
チャンネルの切り替えや4K/HDの切り替えなど、仕事の前には必ず触ります。CMだとあまりいじることはないですが、大型映像の場合、プロジェクト毎に色域や設定が違うことも多いので、触らない日はないですね。あと、HDRの機能には興味があるので、今後もテストをしていきたいと思います。」

会社概要 プリプロダクションからポストプロダクションまで自社内でトータルプロデュースできる体制をもち、CM・映画・TV番組を中心としたポ ストプロ ダクション事業と、数々の話題作のCG・VFXを手掛けるデジタルコンテンツ制作事業をはじめ、撮影、オーサリング、デュプリケーション等、あらゆる映像サー ビスを提供する。
株式会社オムニバス・ジャパン Webサイト http://www.omnibusjp.com/

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