達人に聞く3Dプリンター活用法

Form 3

光造形ならではの
繊細で透明感のある造形力が
強化されています

お話をうかがった人:熊谷耕太さん

株式会社フュージョンテクノロジー
(株式会社デザインココ)

先進的なデスクトップ型3Dプリンターとして知られる「Form 2」の後継機として、2019年9月に「Form 3」が発表された。
代理店として「Form 3」を販売すると同時に、デザイン会社のユーザーとして「Form 3」を日常的に使用している株式会社フュージョンテクノロジーの熊谷耕太さんに、お話をうかがった。

POINT

  • 光造形ならではの繊細な表現力が向上し、イメージ通りの造形が可能になった。
  • 新方式のレーザーユニット、レジンタンクによって、安定造形が可能になり、生産性が向上した。
  • 本体の操作性やソフトウェア、付属品の改良によって使い勝手が向上した。

レーザーユニットの改良により、造形力が向上

「Form 3」にはどのように関わっているのでしょうか。

熊谷さん

私は、「Form 3」の代理店であるフュージョンテクノロジーに所属するとともに、デザインココにおいて、3Dプリンターを使ったフィギュアの制作も行っています。そのため、代理店としてお客様に「Form 3」をご紹介すると同時に、「Form 3」を日常的に使用するユーザーの立場でもあります。

ユーザーとしては、「Form 3」でどのような造形物を作成されているのでしょうか。

熊谷さん

デザインココでは、等身大フィギュアなどの製作をしています。ボディなどの大きなパーツには熱溶解方式の3Dプリンターを使用し、髪やアクセサリーのような繊細な表現が必要なパーツの造形に「Form 3」を使っています。

「Form 3」について「造形物の品質が向上しただけでなく、作業性も良くなったと実感しています」と話す熊谷さん。

レム 1/1 胸像フィギュア (フリュー株式会社/F:NEX)

バルクパーツと繊細なパーツを、それぞれに適した3Dプリンターを使い分けて造形することで、造形工程の効率化と低コスト化を実現している。

造形物の品質について、「Form 3」では具体的にどういった部分が向上したと感じていますか。

熊谷さん

まず感じたのは、表面の滑らかさですね。触って比較するまでもなく、並べると、見た目で違うことが分かります。フィギュアの頭部などのように後加工が必要な場合でも、作業時間の短縮が可能になりました。

「Form 3」で造形したサンプル(左)が「Form 2」で造形したサンプル(右)と比べて滑らかなことが分かる。

透明材料の造形でも、目に見える違いがあるとうかがいました。

熊谷さん

透明材料による造形は光造形方式の特長の一つですが、「Form 3」では、よりクリアな造形が可能になりました。サンプルを造形するにしても、製品を造形するにしても、大きなアドバンテージになると思います。当社でも、フィギュアが身につけるアクセサリーなどをよりリアルに造形できるようになりました。

「Form 3」で造形したサンプル(左)は「Form 2」で造形したサンプル(右)と比較してよりクリアに造形されている。

造形物の表面の滑らかさや透明性の向上は、レーザーユニットの改良の影響でしょうか。

熊谷さん

 

そうですね。従来、140μmだったレーザー直径を「Form 3」では85μmに絞っています。これによって滑らかさや透明性が向上しました。さらに、サポートのタッチポイント(接触面積)も小さくすることが可能になり、工具を使わずにサポートを除去できるようになりました。手で行えるので、作業性が大幅に向上しました。

「ライトタッチサポート」の実現により工具不要でサポートを除去できる。

「Form 3」で進化したレーザーユニット

「Form 3」では85μmのレーザー直径を採用したことに加え、フィルターを装備することでより正確なレーザー照射を実現している
さらに、従来は固定されていたレーザー照射機構をX軸方向に移動させる仕組みを採用することで、レーザー焦点の歪みを抑えることに成功した。
熊谷さんは、「従来は造形エリアの中心と周辺部で品質に違いが認められましたが、『Form 3』では造形エリアのどこで造形しても均一な品質が実現できるので、繊細な造形物の生産性が向上しました」と改良されたレーザーユニットを高く評価している。

フレキシブルレジンタンクの採用で、安定稼働を実現

光造形方式に限りませんが、造形物を製作する際は安定性が気になります。

熊谷さん

 

具体的なデータはないのですが、「Form 3」では格段に安定性が向上したと感じています。光造形の場合、硬化させた層がレジンタンクの底に固着します。これを機械的に剥離して次の層の硬化を始めるのですが、この剥離の際に不具合が生じることが多かったのです。「Form 3」で採用されたフレキシブルレジンタンクは、剥離工程が確実に行われるので、私の経験においてはこれまでに失敗はありません。

レジンタンクの底面に柔らかい材料を採用することで、ミスのない確実な剥離を実現した。

新しいレジンタンクには、もう一つ、便利な特長があるとうかがっています。

熊谷さん

 

フレキシブルレジンタンクに保管ケースが同梱されるようになりました。使用する樹脂の種類を変更する際には、レジンタンクを洗浄する必要があり、使い残しの樹脂が無駄になってしまいます。しかし、レジンタンクごと交換して、使用しない樹脂とタンクを保管ケースに納めることで、樹脂を無駄なく使用することができます。タンクを洗浄する手間が不要になるので、複数種類の樹脂を使用するユーザーにはぜひ利用していただきたいですね。

保管ケースに樹脂を入れたままのレジンタンクを納めることで、未使用の樹脂を紫外線と乾燥から守ることができる。

初心者から上級者までのニーズに応える1台

「Form 3」では、使い勝手はどのように向上しているのでしょうか。

熊谷さん

 

ユーザーのケアレスミスを防ぐためのセンサーが取り付けられました。レジンタンクやプラットフォームを取り付け忘れてもアラートが表示されるので、初心者やベテランを問わずに「うっかり」を防止してくれます。

「プラットフォームの付け忘れは、実は少なくありません。プラットフォームの有無を検知するセンサーが新たに装備されました」(熊谷さん)

プラットフォームの付け忘れや、樹脂の残量不足などを、アラートランプの点灯・点滅によってオペレーターに知らせる。

3Dデータは作成できても、3Dプリンター用のデータに加工することが難しいと感じているユーザーも多いようです。

熊谷さん

 

「Form 3」には「ワンクリックプリント」機能が搭載されているので、3Dデータがあれば、自動的に3Dプリンター用のデータに加工することが可能です。サポートなどもアプリケーションが自動的に付けてくれるので、3Dプリンターが初めての方でも安心してお使いいただけます。

造形する際の角度やサポートなどを自動的に設定してくれる。

熊谷さん

 

「ワンクリックプリント」機能は、初めて3Dプリンターに触れるお客様にはとても好評です。「ワンクリックプリント」を利用して、まず、3Dデータを造形する楽しみを味わってほしいですね。さまざまなカスタマイズも可能なので、上級者が使用しても物足りなさを感じない点も「Form 3」をおすすめする理由の一つです。

多彩な樹脂に対応する「Form 3」で3Dプリンターの楽しさを実感して欲しい。

  • 株式会社フュージョンテクノロジー

    3Dプリンターの販売・開発・技術サポートを行う代理店。

  • 株式会社 デザインココ

    立体造型物制作・3DCG制作・3Dプリンター開発・広告製作を行うデザイン会社。

  • Form 3
  • Form 3

    最大プリントエリア
    145×145×185mm
    本体サイズ
    W405×D375×H530mm
    価格
    575,000円(税別)