EOS C2000 EOS C200B

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CINEMA EOS SYSTEM

【ビデオSALON特別セミナーダイジェスト】

WEB動画の需要が高まってきたが、少人数、低コスト、短納期で作る。クオリティは妥協できない。

2018年5月9日に開催されたビデオSALON特別セミナー(協力:キヤノンマーケティングジャパン、会場:秋葉原UDXシアター)「生き残る映像制作会社になるためには何が必要か? 〜低予算・短期間・高クオリティに応えるには〜」と題して、タイプの異なる3組のクリエイターに登場していただき、昨今盛り上がりをみせているWEB動画の事例を紹介しながら、そのノウハウを共有していただいた。(司会進行/まとめ:ビデオサロン編集長 一柳)

UW INC.

http://www.uishaaaworks.com/

今回のセミナーに登壇していただいたUW INC.。社長の押川賢吾さんと撮影・編集をメインで手がける福島慎之介さんをお招きした。2013年より映像チーム”UISHAAAWORKS”として四人で活動開始。もともとは役者を目指して上京したそうだが、自分たちを撮っているうちに映像制作チームとして評価されるようになり、今では主にCM、WebCM、MVを制作している。現在のメインはWebCMだという。企画構成から監督、撮影、編集までチーム内で行なっている。2017年6月に法人化し、社名を”UW INC.”としてまだ1年。

撮影・編集を担当した福島慎之介さんより、映像「大谷翔平選手 I MOVIE ME ワタシを動かせ」を紹介。この映像では時間がない中、会議室で、いかにかっこよく撮るかに腐心して撮影したという。

クリス・モア氏

http://move-ment.co/about-chris-moore-storytelling/

クリス・モアさんは40歳くらいまで映像業界とは無縁だったという。30代後半にウェディングの写真の仕事を始め、EOS 5D MarkIIに興奮して動画を始め、ウェディングの仕事も映像のほうに切り替えていった。ウェディングの仕事は順調に伸びていたそうだが、繰り返しの仕事に対して自分が飽きっぽいということもあったし、これ以上いいものは作れないという思いがあって、ウェディングの仕事をやめ、企業系の仕事をするようになった。企業系の場合、東京が有利なので3年前に東京に出てきた。

公文健太郎氏

http://www.k-kumon.net/

三人目はフォトグラファーの公文健太郎さん。公文さんはあくまでフォトグラファー、写真家という立場で、最近ムービーにも取り組むようになった。
もちろん一眼レフで映像が撮れるようになって、試したりしていたそうだが、画質的に全然満足できなかった。「写真のほうがきれい」と思えてしまって、大変な苦労をして動画をやることもないなと思っていたという。それが、たまたまEOS C300を使用する機会があり、その際、初めてLogで撮ってみたら、自分がやりたいことが実現できた。写真ではできない時間の流れのようなものを写真と同じようなクオリティでできることに気がついた。それはLogによって、階調と色の表現の幅が広がったのがポイントだった。

ライティングも含めて動画ではスチル撮影の環境をそのまま流用して、調整も同じようにやっていく。ウェブサイト上の同じページで使われるから世界観も同じでなければならない。写真でやっていることをそのまま動画でも実現できるようなって、こういったハイブリッド撮影ができるようになった。

機材選びと撮影現場 〜少人数スタッフで動きのある映像を撮る〜

UW INC.の撮影現場

UW INC.の映像の特徴は、とにかくカメラが動くこと。福島さんは「昔からカメラワーク大好きっ子で(笑)、動いている画をとりたくなってしまうんです。なにかとジンバルとか、ドリーとか、クレーンを使って撮ってしまいます」
このセミナーにて紹介した、アシックスのGT2000のプロモーションビデオの撮影もジンバルで撮影しているが、そのメリットとして、「撮影時間が短くなる」という点もあるという。

A-正面
A-裏面
B

「最初にカット割りを考え、撮るカットを決めたら、ジンバルを利用してどんどん撮っていくことができます。レンズはEF-S17-55mm F2.8 IS USMだけで、寄ったカットと引いたカットを撮っていきます。このムービーの場合、撮影時間は2時間半から3時間くらい。撮影場所自体、観光地で、もちろん撮影許可はとっていますが、人止めなどをしないでほしいと言われていました。しかもお昼時に撮影していたので、のんびり撮影するということはできない現場でした。でも、ジンバルを利用することによって、スピーディーに撮っていくことができました」
カメラはEOS C200B。最初のカメラはEOS Kissシリーズだったこともあり、これまでずっとキヤノンを使ってきた。
「昨年の夏、カメラをいろいろ検討していたとき、REDも含めて選択肢はあったんですが、我々が動画に入った最初がキヤノンで、レンズもいろいろあったところに、ちょうどEOS C200が出たんです」
「しかもEOS C200Bという、EVFがなくてジンバルにのせることを想定したモデルを出してきたので、キヤノンは本気だなと思いました。これはまさに自分たち向けのカメラだなと思ってすぐに導入しました。これはキヤノンからお金をもらっているとかではまったくないです(笑)」
そこからはEOS C200Bばかり使っているという。こういうような状態で使うことが多い(写真A)。

RONIN-MXで、下に置けるオプションのバー(サードパーティのもの)をつけることで、現場での機動力があがる。こういったタイプのジンバルはずっと持っているか、スタンドを用意してそこに置くしかなかったが、この状態であれば、「すぐに置いて休憩できますし、何よりも一人でできることが増えましたね」

押川さんは「オートフォーカスも積極的に使う」という。このシステムであれば、一人でも動きのある映像を撮ることができる。マンフロットのズームリモコンをつけることで、片手持ちにならなくてもRECボタンを押すことができるようになった。ちょっとしたことだがその労力もばかにならない。
モニターはカメラマン向きの正面のものと、上向きのものの2つが取り付けられている。
写真Bはシステム前方に設置された上向きのモニター。

純正のモニターでないと、波形が見られないので確認用に装着しているということもあるが、ここにあれば、モニターを動かさなくても、ローアングル時にはこのモニターで確認することができる。それぞれそれほど重いモニターではないので、2つ装着してもそれほどの重量にはならない。
ただ、トータルとしてはそれなりになるので、ミュージックビデオで4分を通して撮るということになると、後半は厳しくなるそうだ。「もう少し体を鍛えないとな、と思っています(笑)」。
ジンバルを使うとどうしても縦に揺れてしまうということがあるが、Adobe Premiere Proのワープスタビライザーで吸収することができ、多用しているという。
カメラワークとしてどうしても無理があって、揺れてしまうときはあるが、そういう場合は、編集上でスタビライズをかけることを念頭において撮影したりする。

クリス・モア氏の撮影現場

クリスさんの撮影現場の模様を見せていただいた。大メーカーのブランドムービーの制作現場だが、スタッフは少ない。モニターを見ながら台車を押しているのがクリスさん。

C
D

スタッフは演出のクリスさん、カメラマン、その助手、音響スタッフという4人。
カメラはEOS C300 Mark II。走っているシーンの音もしっかり録れているが、音声スタッフがガンマイクで狙っている。音はEOS C300 Mark IIであればゲンロックがあってタイムコードの同期ができるのがいいという。アスリートにもピンマイクをつけてもらって、ワイヤレスで飛ばして、ガンマイクとワイヤレスの両方で録っている。
クリスさんの現場もUW INC.同様にジンバルを利用することが多い。写真CはMOVIだが、やはり脚がないのは不便だという。ただ、最近はこの組み合わせが多い。以前はRONINを使っていたが、MOVIのほうがカーボンを使っていて軽い。少しでも軽くなったらいいなということでMOVIを使っているそうだ。

クリスさんの映像もUW INC.同様にカメラが動いていることが多い。
「ジンバルのいいところは、動きを出した映像を撮ることもそうだけど、カメラ位置を早く決められるというところ。そんなに準備の時間がなくても、とりあえずやってみることができる」
時間がない現場で、そういうことがメリットになるようだ。
空撮のカットもあるが、それはクリスさんのオペレートでMavic Airで撮影。編集でEOS C300 Mark IIの色と合わせるのに苦労したという。ワンポイントであれば、ディレクターがドローンを飛ばして、印象的なカットを撮るということも効果的だ。
一人で取材的に撮影するシーンがこちら(写真D)。これはビデオサロンでのレポート用に昨年の夏にEOS C200を使っていただいたときのもの。カメラ本体に一脚、ガンマイクというシンプルな機材構成でインタビューしながらの収録だった。

公文健太郎氏の撮影スタイル

写真家である公文さんの場合は、スチルとムービーでレンズを共用している。機材のシステム全体はこんな感じ。

E

EOS C200は単焦点レンズをつけて、スチル用のバッグに入れているという。最近はクルマの後ろに突っ込んであって、いい風景があったら、クルマを止めて、すぐに出して映像を回すというスタイルをとっているそうだ。
「スチルの仕事用にレンズが、あおりのレンズ含めて、11mmから400mmまで揃っているのが強みなんですが、あまりズームは使わず、単焦点で24mm、35mm、85mm、そして100mmのマクロの4本をメインで使っています」
ただ、スチルは35mmフルサイズだが、ムービーのEOS C200の場合はスーパー35mm。そのあたりの違和感はなかったのだろうか?
「それで28mmも試したのですが、ちょっとパースがついてしまうのが気になって、35mmだと目線に近い感じなので、僕は35mmの手ブレ補正付き、EF35mm F2 IS USMを常にEOS C200につけていますね」

ザハトラーの三脚やリーベックのスライダーも購入したそうだが、基本的にはアングルにこだわって、きっちりいい画をとって、あとは相手が動いてくれればいいかなというスタンス。たまに相手が動かない時があるので、そういうときだけカメラを少しだけ横にスライドさせる程度。

(写真E)スライダー上のEOS C200をオペレートする公文さん。周りにある機材はスチル関係。プロフォトのストロボなど。それにLEDがついているので、それを利用して動画を撮ったりしている。カメラは写真用のEOSで、横でスチルの撮影をしながら、動画を同時に回していくというスタイル。


UW INC.とクリスさんは、動画であることの必然性を最大限に生かして、カメラワークや音声を重視しているのに対して、公文さんは写真家ならではの強みをいかして、トーンや構図で勝負をしている。それぞれの長所を生かしているのが印象的だった。