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「撮影領域の拡大」のためにチャレンジし続けてきたキヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 5D」シリーズ。2020年7月、時代を切り拓いてきた「5」という数字を冠した、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」が登場。「5」という数字に込められた想いを探った。

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  • 2020.12.01

Episode.30 「EOS R5」

メインキャッチコピーに込められたメッセージ

写真:吉澤直久 キヤノンマーケティングジャパン(株)カメラ統括本部で「EOS R5」のプロモーションを担当する吉澤直久 写真:和田康一 キヤノンマーケティングジャパン(株)カメラ統括本部でレンズ交換式カメラの市場導入を担当する和田康一

「デジタルカメラは高い機能性が求められる製品ですが、それと同時に実際に手で触れ、シャッターやダイヤルを操作したり、ファインダーをのぞいたり、シャッター音を聞いたりと、ユーザーの『官能』に訴える製品でもあります。それだけに、全国イベントを開催し多くの人に手に取っていただく機会を設けたかったのですが、新型コロナウイルスの影響により残念ながらかないませんでした」

そう話すのは、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)で、「EOS R5」のプロモーションを担う吉澤直久だ。7月に行われた発表会はオンラインのみの開催となり、機材はショールームでの展示にとどまったため、お客さまが手に触れる機会は限られてしまった。

そうした環境の中で発表された「EOS R5」だったが、予想を大きく超える反響があった。その要因として、計画したマーケティング戦略が功を奏したことも挙げられる。

「今回の『EOS R5』発表に向けて、2020年2月の開発発表から、数カ月かけて少しずつスペックを公開していく施策を取りました。これまでは、スペックに関する情報は、事前に発表しないことが多かったのですが、今回はあえて逆の方法を取ったのです」

吉澤と一緒にキヤノンMJでレンズ交換式カメラのマーケティングを担当する和田康一はこう話す。

「『EOS』にとってこれほど重要な製品の発表会を、オンラインだけで行うのは初めてのことでした。そこで、初めてこのカメラの全容をお披露目するわけですが、予想以上の反響を得ることができたのは、『5』に対するお客さまの期待と、『EOS R5』に込めたわれわれの想いがマッチしていたからだと考えています」

その「想い」とは何か。吉澤が続ける。

「それはメインキャッチコピーの『5であることが、すべて。』に込められています。『EOS R5』には、約4500万画素の新開発フルサイズCMOSセンサーや『デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ』によって大きく向上したAF性能、ボディー内5軸手ブレ補正機構、8K動画の撮影機能など、特筆すべき機能が数多く搭載されています。ですが、そうした機能の中で注目するポイントや、何にメリットを感じていただけるかは一人ひとり異なりますから、機能や性能を解説するだけでは、伝わるメッセージは弱くなる。全てのお客さまに、このカメラの魅力を最大限伝えるにはどうすればいいか。それを考えた結果、『5』という数字以上にそれを語ることはできないと考えました」

実際に発表当日のコメント欄やSNSの反響を見れば、その戦略が的確だったことが分かる。発表会を見たお客さまの感想は確かに多様だった。高速連続撮影やAF性能について語る人。動画撮影機能や操作性について注目する人もいた。そんな声があふれる中で、多くのコメントに含まれていたのが『5』という数字だった。

「多くの人が『今度の5はすごいね』とコメントしてくださったことで、『5』が持つ力に焦点を当てたことが正解だったと実感しました。ただし、この手法はどんな製品でも可能なわけではありません。キヤノン製品をお使いいただいているお客さまの間で、『5』が特別な数字になっていたからこそ実現できたことです」

では、「EOS」にとっての「5」とは、どんな数字なのだろうか。

  • 写真:進化した高速・高精度AF「デュアルピクセルCMOS AF 2」
  • 写真:進化した高速・高精度AF「デュアルピクセルCMOS AF 2」

進化した高速・高精度AF「デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ」
「デュアルピクセルCMOS AF Ⅱ」では、静止画だけでなく動画でも、より速く、より高精度なAFが可能になっている。測距可能エリアも[顔+追尾優先AF]時には最大(横)約100%×(縦)約100%に拡大し、全画面でのAFを実現している。

  • 写真:ディープラーニング技術によってAF被写体検出を強化
  • 写真:ディープラーニング技術によってAF被写体検出を強化

ディープラーニング技術によってAF被写体検出を強化
ディープラーニングを活用したアルゴリズムにより、高精度な被写体認識能力を実現した「EOS iTR AF X」を搭載。人物の認識機能を強化し、高精度な瞳検出と頭部検出が可能になったほか、新たに動物(犬/猫/鳥)の瞳・顔・全身の検出も可能になっている。
※ Intelligent tracking and recognition

EOS R5 【イオス アールファイブ】

写真:EOS R5 EOS R5

約4500万画素の新開発CMOSセンサー、新映像エンジン「DIGIC X」、「RFレンズ」により「EOS」シリーズ史上最高の解像性能※1を実現したフルサイズミラーレスカメラ。世界初の8K/30P動画撮影※2やレンズ側の光学式手ブレ補正と協調した世界最高8.0段の手ブレ補正※3、最高約20コマ/秒の高速連写、「デュアルピクセル CMOS AF Ⅱ」による快適なAF性能など、カメラの基本機能をあらゆる面で進化させ、次世代の映像表現を可能にする。

  • ※1:
  • 2020年7月8日現在発売済みのキヤノン製レンズ交換式デジタルカメラにおいて(キヤノン調べ)。
    ISO12233準拠のCIPA解像度チャートで確認。
  • ※2:
  • 2020年7月8日現在発売済みのキヤノン製レンズ交換式カメラにおいて(キヤノン調べ)。
    8K(29.97fps/25.00fps)。クロップ[しない]のみ。
  • ※3:
  • 2020年7月8日現在発売済みのレンズ交換式カメラにおいて(キヤノン調べ)。
    Yaw/Pitch方向、CIPA規格準拠。RF24-105mm F4 L IS USM、f=105mm時。

EOS R5 製品情報

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    「5」が担い続けてきた「撮影領域の拡大」

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